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 広島で被爆し、白血病と闘いながら折り鶴を折った故・佐々木禎子(さだこ)さんの兄雅弘さん(74)=福岡県那珂川町=が18日、広島市中区の平和記念資料館を訪れ、オバマ米大統領が折った折り鶴4羽を見学した。

 オバマ氏は今年5月に現職米大統領で初めて広島を訪れた際、幅約10センチ、高さ約7センチの自作の折り鶴を市に寄贈。ガラスケース内で、一般公開されている。

 長蛇の列に並んだ雅弘さんは、順番が来るとケースの中の折り鶴をのぞき込み、静かに合掌。「家に帰りたい、痛みから逃れたいという一心で禎子は鶴を折ったが、今は多くの人たちが平和を願って鶴を折っている。オバマさんも同じように折って下さったのならうれしい」と話した。

 禎子さんは被爆10年後に12歳で亡くなった。鶴を千羽折ると願いがかなうとの言い伝えを信じ、病床で折り鶴をつくり続けた話が世界的に知られる。平和記念公園内には禎子さんをモデルにした原爆の子の像が建てられ、国内外から多くの鶴が持ち寄られている。(宮崎園子)