現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

枝野官房長官の会見全文〈14日午前10時55分〉

2011年3月14日12時53分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 枝野幸男官房長官の14日午前10時55分からの記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 冒頭、関係機関の情報提供の中には、必ずしも適切でない部分が見受けられる。そのために必要以上の不安を国民の皆さんに与えているのではないかと危惧(きぐ)をしている。

 政府の立場からより適切にこうした点は指示すべきであると考えていて、こうした状況を皆様におわびを申し上げる。迅速に、しかし、正確な情報のみをしっかりとご報告をするようにということを関係機関に、しっかりとさらに徹底して指示をしてまいりたいと思っている。

 東電福島第一原子力発電所について、保安院からのご報告と重複する点が多いかと思うが、私からも改めてご報告申し上げる。

 第一原発については本日午前1時10分に、海水ピッドの水量が減少したため、これを補強、補給するための措置として、1号機および3号機の原子炉への給水をいったん停止をした。その後、補給ができたことから、3時20分に3号機への給水を再開をしている。

 その後、本日午前6時50分、3号機の原子炉格納容器の圧力が上昇したため、東京電力は屋外作業員に対して一時退避命令をかけた。しかし、その後、格納容器の圧力が下がり、現在は屋外作業を再開をしている。この間も給水は継続をしている。

 なお、1号機については格納容器圧力が安定をしており、本日1時10分の停止後、現在は状況を見ている。この状況を判断しながら、必要に応じて給水を再開をする予定だ。

 計画停電に関連してご報告申し上げる。本日から東京電力管内において計画停電が実施をされている。実際の電力供給のストップはないが、計画停電のプロセスの中に入っている。計画停電の実施は、多くの国民の皆さんに大変なご不便をかけるものであり、ご不便を最小限にとどめるよう、全力で取り組んでいる。

 この計画停電の実施にあたっては各方面から、周知のためにできるだけ長い時間がほしいという声を多くいただいた。

 これを踏まえ、東電に対して、電力供給予測の再精査、そして、大口需要家に対する需要削減のさらなる努力の要請を求めてきた。

 また、私からも本日午前5時すぎ、改めて国民の皆さんへの節電のご協力のお願いをさせていただいた。

 多くの皆さんの節電へのご協力の結果、現時点では電力の需給の状況から実際の送電の停止は行われていない。しかしながら、そう遠くない時期に、実際の電力供給のストップを実行せざるを得ないと認識をしている。

 なお、計画停電に備えて、鉄道の運休等がなされているのに、実際の停電が行われていないのでは混乱をさせただけでないかとのご批判があろうかと思っている。多くの国民の皆さんにご不便をおかけをする計画停電だ。その点についてはおわびを申し上げ、ご理解をお願いをするかしないと思っている、

 今回の事態は鉄道事業者の皆様のご理解による運休の結果として、電力使用量が抑えられ、停電の実行を猶予できている、こういう状態であると認識をしている。

 逆に計画停電がなされていない、あるいは運休等がなければ、よりはやく電力不足の状況に陥り、なんらかの形での停電にいたる可能性が高まっていた。いわば裏表の関係にあるということをご理解をいただければ、と思っている。

 重ねて計画停電については国民生活に多大なご負担をおかけをしている。しかしながら、現実の電力供給量に限界がある中で、不測の停電という最悪の事態を防ぎ、なおかつ可能な限りのそれに対する事前の周知準備を整えていただく中で、最小限にご不便をとどめるための全力を尽くしているので、ぜひとも節電へのご協力をはじめ、ご理解をお願い申し上げる。

 【不適切な情報提供】

 ――どういう情報が不適切だったのか。

 それぞれの機関がぎりぎりの状況の中で最善を尽くすよう努力を頂いていると思っている。結果的に国民に適切な情報提供ができていないことについては、国民の皆さんはじめ十分認識されていると思うので、個別のことは申しあげないが、厳しく繰り返し、迅速に、迅速かつ正確な情報を提供をするよう指示をしていく。

 ――具体的に、どの情報が適切でないか明らかにしないとますます混乱する。

 具体的に国民の皆さんに出された情報が、事実関係の変化がないにもかかわらず変化をしたということは、それは国民に混乱を与えたのではないかと認識をしている。

 迅速なことは重要だ。同時に正確であることも重要だと思っている。その両面を両立させることは大変困難であるのも間違いないが、しかし、この両者をしっかりと両立させて正確な情報提供に私自身も努めてまいりたいと、改めて自らに課していきたいと思うが、関係機関にもそのことを強く求めていきたい。

 ――東電のことか。

 具体的にこの間、公表の仕方、計画停電の場所等についての情報については、官邸に届いた情報についても、必ずしも当初、正確でないものが届いていたのは間違いない。

 ――東京電力以外に不適切な情報があるのかないのか分からないと、混乱はおさまらないと思うが。

 基本的には、適切に正確な情報を出してきて頂いていると思っているが、若干あいまいではないかと思われたり、あるいは、提供するタイミング等について、適切ではなかったのではないかというような、部分があったのではないかと思っている。こうした点については、できるだけ、迅速かつ正確にということを徹底してまいりたい。

 ――原発の件で東電との連絡態勢に問題があったのではないか。

 当初の段階、特に早い段階で、現場のほうも対応そのものに全力を挙げているということもあったと思うが、より早くより正確な情報を官邸危機管理センターに伝えるようにということは何度か指示をした。

 【計画停電】

 ――計画停電。東電が電力の需要と供給について、見通しがうまくできていなかったのでは。

 地震以降の状況、あるいは、政府として、国民に節電を強くお願いをしている状況等をしっかり踏まえて、需給予測を行うとともに、直接呼びかけの可能な大口受給事業者には、ぜひ直接節電を呼びかけをしてほしいということについては、私から昨夜、東電に改めて指示をした。

 その結果として、できるだけ万全を期すためには、実際の電力供給のストップのタイミングが遅い方が、これは万全という観点から望ましいということで、そのことが、どの程度になるかは最終的には確定していないが、できている、そういう状況だと思う。

 【福島原発3号機】

 ――3号機。避難をしている状況があったとのことだが、具体的にどれくらいの圧力の高まりがあったのか。爆発の可能性は。

 まさに、数字の問題なので、その時点での数字等については、保安院からの説明、あるいは保安院の会見の折りにお尋ねいただければと思うが、こうしたものについては、一定の圧力がかかったら、退避をするとマニュアルが定められており、それにのっとっていったん退避したという報告を受けて、それについては了解している。

 現在の3号機の状況だが、これまでの間、前回、原発については、前回になると思うが、今日の未明に、水素が出ている可能性があるということでは、1号機と同じような可能性は否定できない、このことを申し上げた状況は変わっていない。

 ――弁の調子が悪いということだったが、今後の修理の状況は変わっていないのか。

 圧力がいったん上昇し、さらに低下をしたというこの間の状況をお伝えしたが、正に弁は圧力を弱めるためになっていて、現時点では、圧力が下がっているという状況のために、新たに無理をして弁を開ける作業等にチャレンジするよりも、この圧力が下がっている状況のもとで注水を続けて、冷却を進めることの方が望ましいという報告を受けて、了解した。

 ――福島第一原発の3号機で爆発。

 私がこの会見場に来る直前の段階で、3号機の状況について改めて報告を求めて、その情報を持ってきた。その情報に基づいて、先ほど報告した。ただいま、ご覧のとおり、メモが入ったが、11時5分現在、3号機から煙が出ているという可能性があって、爆発の起こった、あるいは爆発のおそれがあるのではないかということで、事実関係を確認中。

 【福島原発1号機】

 ――1号機については炉心溶融が続いているのか、状況が悪化しているのか良くなっているのか。

 現時点では圧力が大きくなっていないということは、水にしっかりと浸されていて、炉心溶融が進んでいないという状況。これで圧力が高まるような状況だと、その可能性が出てくるので、その時点で水を入れていこうという判断だと聞いている。

 ――1号機の水位はマイナスを示しているが、故障しているということか。

 1号機については、その他のさまざまな状況から水位計は実際の水位を示すものではないということ、これはかなり早い段階から同じ数値を示してきている中でそういう判断をしている。

――女川原発で放射線検出。広域汚染の可能性がある。住民に周知すべきではないか。

 現在の状況の中からはいま避難いただいているところにいていただければ、健康に害を及ぼすような放射性物質のおそれはない。

 自然状況などによって遠いところに空気中に出たものが飛んでいく可能性はあることはその通りだが、ただ、専門家の意見を踏まえて、今の退避の距離のところ退避して頂ければ、健康に害を及ぼすものではないという判断をしている。できれば今の情報の確認、分析にあたって陣頭指揮をとりたいのでお許し頂きたいと思うがよろしいでしょうか。

 ――退避している人の放射能調査する考えはあるか。

 これについても出来るだけ調査をできるようにということの手配は指示をおろしている。

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧