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戦争が終わって陸軍の少尉が提督に左遷されたお話 作者:若倉 烙螺
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執務室まで

「で?執務室ってどこ?」
「もうすぐつくよ。提督」
と時雨が応答する。心なしか元気がなかった。
「提督は時雨を甘やかせすぎです。もっと厳しくしていただかないと困ります」
と加賀。多分時雨の元気がないのは加賀のせいだろう。
「俺が急に来てぐちゃぐちゃと言うのもおかしいと思うよ。正直そんなやつ………最低じゃあないかな」
「………それも………でも提督は優しすぎます。私達は兵器なんです。人間じゃあない」
なんでそんなことを言うの?おかしいじゃあないか!!
「君みたいなかわいい子が人間じゃない訳ないだろ?それに人間じゃないっていうのは………」
人間じゃないっていうのは………俺達のことだ。
「ごめんなさい。気分を害してしまいましたね。でも私達は人間として扱われる権利なんてない」
「なんでそんなこと言えるんだ!やめてよ!!俺は人間だ!!化け物でも兵器でもない!!人間なんだよ!!あいつらのせいで!!僕は、俺は、あいつは………」
「てい………とく?大丈夫ですか?しっかりして!!」
あーもーなんなんだよ………頭が痛い………
「提督!落ち着いて!」
「俺が何をしたっていうんだ………全部あいつが………あいつがみんな…………」
殺した。殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して………………
「提督!!起きて!!てい…………」
吐きそうだ。痛い………もういいだろ?やめてくれ……………少し眠ってもいいだろ。休ませてくれ…………
視界は真っ暗になり俺は意識を放棄した。
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