この記事、好き。
株式会社ネットマーケティング、人事・宇田川さんのインタビュー記事。ラブレターのようなスカウトメールを送り、4か月で20名を採用したそう。
初めてスカウトメールをもらったのは就活生のころ。やる気と希望、奥底には不安と恐怖を抱えた子羊就活生だった私は、就活解禁と同時にリクナビマイナビエン・ジャパンに登録。自己PRなどの各種項目をすごい勢いで埋めた。
するとたまに(主にエンターテインメント業界から)それらの媒体を通じてスカウトメールが届いた。
思い出せる範囲の内容になるが「我々は〇〇をモットーに△△のような仕事をしております。真崎様のプロフィールを拝見しました。ぜひ説明会に来ませんか?」みたいな文面だった気がする。
当時は「スカウトメール」の響きに震えた。
「ご、ご指名入りました……!」みたいな気分で驚きと誇らしさを感じていた気がする。結局スカウトをいただいた各社様の説明会に参加したことは一度もなかったけれど。
で、無事に就職して。
無事に2年で3度会社を変えて。
「転職、趣味なん?」と言われて。
きちんと否定はしつつ、転職サイトや求人系SNSに登録するようになった。フリーランスになってからも求人媒体経由でライティング案件をいただくために引き続きそれらのサイトを使用し続けた。プロフィールはびっしり埋めて、ポートフォリオも惜しげなく載せた。
ライターの仕事を始めて半年ほど経った頃から、久々に届くようになった。
そう、スカウトメール。
就活生の時と変わらず「スカウト」という言葉にはなんだか胸がドキンとした。
「ご、ご指名入りました……!」
そんな気分でメールを開いた。
「初めまして。✖✖株式会社の☆☆と申します。
我々は〇〇というメディアで△△のような記事を発信しています。
あなたの経験を生かして、記事を書きませんか?
ご連絡お待ちしております」
閉じた。
この「あなた」は代替可能。私の名前は一切なくそのままコピペして他のライターさんに送ってもなんら違和感のない文面だった。率直な感想としては「誰が記事を書いてもいいんだろうな」だった。私はそう感じた。
もちろんお仕事の話がいただけるだけでも嬉しい。ライターの仕事を始めた当初、どこに行っても誰それ構わず「お仕事ください!なにか書かせてください!」と叫んでいたときは、こうしてお仕事案件を振っていただけるのは喉から四足が出るほどありがたいかった。
ただ、少しずつ特定の編集さんやディレクターさんとの仕事が増えてきて、好きな方々とイイモノを作ろうと奮闘することに味をしめるようになってきた私は、「誰でもいいからとりあえずたくさん記事を書いて」という案件に心が動かなくなっていた。(2年目のぺーぺーライターが生意気言ってんじゃねえという声が勝手に聞こえてビビりながら書いている)
全然スカウトされている気持ちにならないスカウトメールに、ほんの少し虚しさと侘しさを感じたりした。
最初にリンクを載せた「メスライオンさん」に「〇〇さんに興味がある!お話したい!こちらの想いも伝えたい!一緒に働きたい!」、みたいな内容なのかは分からないけど、ありったけの想いがつまったラブレターのようなスカウトメールをもらえる人が羨ましいなと思った。
身近でメスライオンさんからスカウトメールをもらった人がいたけど、「転職する気は一切ないけど、これはちょっと心動いたわ笑」と嬉しいような困ったような顔で笑っていた。ハンパねえ。
猿まわしに見惚れてたら両親とはぐれるハプニング(26歳)
— 真崎 (@masaki_desuyo_) 2016年5月1日
「ほらサメさんがいるよ」
— 真崎 (@masaki_desuyo_) 2016年5月1日
「しゃめしゃん(⍢)」
「サメさん」
「しゃめしゃん(⍢)」
2歳くらいの女の子とお母さんの会話が可愛いすぎて魚どころじゃない(ひとり水族館中)
そのメールが届いたのは、5月に両親と福岡旅行をしていた時だった。
両親とはぐれてぼっち水族館をキメていた私がふと仕事用のメールボックスを開くと、ブログのお問い合わせフォームから1通のメールが届いていた。
ブログ記事の下記に載せているお問合せフォームからメールがくると嬉しい気持ちになる。ブログの感想かしら~とワクワクした気分でメールを開いた。
メール内容は、お仕事依頼だった。
以下、ご本人から許可をいただいたので、本文を抜粋しながら掲載します。
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真崎 様
(最初のご挨拶や会社説明など)
真崎さまの記事をいくつか拝見させていただきました。
はじめはスネークセンターの記事を拝見したのですが、他にも自殺の食い止め記事など、面白い記事から社会的問題にフォーカスした真剣な記事まで幅広く執筆しておられ、まんまと読み入ってしまいました。
ネタの切り口も面白いですが、どうすれば人に見られるかといった客観性を意識したものが多く、ぜひ弊社媒体の成長にご協力いただけないかと思い、ご連絡差し上げた次第です。
(ここで案件の詳細。メディアの趣旨、大切にしたいこと、ライターに求めること、なぜ私に依頼するか、ライターに提供したいことを非常に丁寧に説明してくださっていました)
とても発想力のあるお方なので、寄稿以外の案件もご相談できればと思っております。
(もろもろの締め文章)
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率直に言う。
すっげー嬉しかった。
たったこれだけの短い文章ではあるけど、私の記事をほんとにじっくり読んでくださったことが文章全体から伝わってきた。具体的な言葉で良い点を伝えられて心がくすぐったかった。
取材記事やネタ系記事をはじめいろんなジャンルに手を出してきたし、すべて楽しんで書いてきたけど、特に「死にたいと思っている人」に向けて「とりあえず死んでくれるな」と密かに思いながら文章を書くときに一層強い意志が宿る私にとって、自殺の名所・東尋坊の茂幸雄さんインタビューを読んだ記事例に挙げてもらえたことはとても光栄だった。
見てほしいものを見てくださった。
それが、単純だけど嬉しかった。
嬉しかったし、一気に信頼感が湧いた。
これまでご依頼をいただく時は「"ライターさん"にこういう仕事を頼みたい」という内容のご連絡が多かった。私の個人的な繋がりの依頼を除き、そういう時は非常に恐縮ながら「ご依頼の案件内容」「報酬」を基準に、自分のキャパと相談してお請けするかどうか決めた。
でも、今回は違った。
立ち上げようとしているメディアへの強い想い。ライターへの敬意。そして文章全体から感じる、送り主の真っすぐな人柄と仕事への熱量。
ご依頼内容や報酬に関係なく、「この方と一緒に仕事をしてみたい」という一心でご返信をした。
旅系の記事企画であまりにも胸がときめくアイデアが浮かんで担当の方にメールを打つ手が武者震いでぷるぷるしている
— 真崎 (@masaki_desuyo_) 2016年5月12日
後日、その方(以後Aさん)にお会いした。
改めていただいた案件についての想いや今後の展望について伺った。
Aさんへのトキメキひとつで会社まで出向いたけど、よくよく聞けば案件自体も超こころときめく内容だった。
まもなく本格リリースを迎えるそちらのメディアに、継続的に記事を寄稿させていただけることになった。6月からずっとAさんと企画をつめている。今の今まで驚くほどずっと企画をつめている。
「真崎さんが今いちばん書きたいことって何ですか??」
「真崎さんのTwitterやブログの~~~~や~~~~という内容に、私は読んでいてすごく引き込まれました」
「だから~~~みたいな内容が、誰かの背中を押したり、心にグッときたりするんじゃないかと思いました」
「ただ面白いで終わらず、読み物として誰かに刺さるものにしたいんです」
私が出す企画に、Aさんはものすごい熱量でフィードバックをくださる。時間がないからと妥協点を探すようなことは絶対にされない。
なにより、うぬぼれを承知で書くが「真崎さんならもっといいモノを作ってくれる」というAさんからの期待を言葉の端々から感じるので、やっぱり嬉しくなる。応えたくなる。
だから、私も全力で返す。遠慮はしない。
沖縄にいながらもメールや電話のやり取りを重ねて、ようやく企画が固まった。
いよいよ執筆開始。胸が高鳴る。
「海の見えるカフェで海風を浴びて波の音を聴きながら作業したい」という夢を先ほどカフェで叶えてきたのだけど19時閉店につき場所をかえてもはや海の前で原稿書いてる pic.twitter.com/9eCgexIfZk
— 真崎 (@masaki_desuyo_) 2016年6月5日
ありがたいことに、いろんな方からお声がけいただいて記事を書かせてもらっている。私にご依頼される背景は、各方々によって違っているだろう。どのご案件でも、振っていただき書くと決めたら真剣に書く。当たり前だけど。
その中でも、今回のAさんように「こんなメディアを作りたいからこそ、真崎に書いてほしい」と真正面から想いをぶつけてくださり名指しで剥き出しの期待をかけてくれる方とのお仕事は、記事への熱に「〇〇さんの想いに応えたい」という人情系熱量がプラスされる。とても強く爽快なエネルギーである。
Aさんだけではない。「お前はワシが見つけた原石や」と言って聞かず、マンツーマンで日々顔を合わせながら一緒に就活記事を作りまくった編集長パイセン。「真崎さんの熱量がほしい」とお声がけくださり、私の何百倍も凄まじい熱量とバイタリティを持ってコンテンツ作成に取り組む坂口ナオさんなど。「その人と一緒にお仕事をできることが嬉しいし燃える」と感じさせてくれた編集さん方には本当に感謝している。
「あなたに書いてほしい」
「あなたと仕事がしたい」
その言葉と熱意の破壊力で、私の心は簡単にぶち抜かれる。
落としやすい女です。
真崎
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