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EU離脱派に打撃か

 【ロンドン矢野純一、リーズ近郊(英中部)三木幸治】欧州連合(EU)への残留運動をしていた女性下院議員が銃撃された事件から一夜明けた17日、英国では事件が「転換点」となり、残留派に有利に働くとの見方が出ている。離脱、残留双方の公式団体は18日も運動を中止する。一方、キャメロン首相と、亡くなったジョー・コックス議員(41)が所属する労働党のコービン党首はこの日、現場を共に訪れ、議員の冥福を祈った。

 英各紙は事件をトップニュースで報じ、コックス氏の横顔とともに、容疑者の男(52)が襲撃の際に「ブリテン・ファースト」と、移民排斥を主張する極右団体の名称を叫んだと伝えている。

 離脱派は、EUが定める移動の自由によって移民が急増して生活に悪影響を与えていると主張してきた。国民投票への影響に直接、言及した記事は少ないが、移民や難民の支援とともに残留運動をしてきたコックス氏の事件は、離脱派に打撃を与えるとみられる。

 世論調査では、4月下旬以降、離脱派が残留派を上回りはじめ、事件前の16日に世論調査会社「Survation」は、離脱派が45%で残留派を3ポイント上回ったと発表した。

 だが、英大手紙の政治部記者によると、離脱派の議員は今後、国民を説得する最大の武器だった移民問題を取り上げにくくなることを懸念しているという。

 一方、襲撃現場近くにある容疑者の住宅付近は、今も規制線が張られ、警察による警備が続いている。

 隣人のダイアナ・ピーターさん(65)によると、男は病気で仕事ができなかったものの、ボランティアで英語講師をしていた。1人暮らしのピーターさんのために芝生の草刈りをしてくれたこともあるという。

 ピーターさんは「事件前日にも会ったが、こんな事件を起こすとは夢にも思わなかった」と、ショックを受けた様子で語った。

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