こんにちは、Shinです。ぼくはちょいちょいインターンや新卒社員と一緒に働くことがあります。当然ですが、彼らには一刻も早く戦力として独り立ちしてもらわなければなりません。さもないとプロジェクトの状況が悲惨なことになってしまう確率が大幅アップしてしまいます。
ですが、もちろん彼らは仕事の経験が豊富なわけではないので、いきなり全部任せてうまくいくとは思っていません。たまに、「とりあえず何でもやらせてみろ、できるやつはできるしできないやつは消える」的な思想を持っている上司がいたりしますが、ぼくはそれには真っ向から反対です。
もちろん、中にはどんなキツい仕事を与えられても前向きにがんばっていろいろ吸収して、凄まじく伸びるような優秀な人もいるにはいます。しかし、体感的にそのような人は全体の1%にも満たないでしょう。その人たちを選別するために、他の99%を切り捨てるというのは愚の骨頂です。
ぼくも、いろいろな上司に当たってきました。完全に放置しつつ、成果物が少しでも自分の意に沿わないとブチ切れる上司だったり、ずっと隣で一挙一投足を監視したがる上司もいたり・・・なかなか大変でした。(もちろん素晴らしい上司もいましたけどね!)
彼らにとってぼくがどういう上司か、本音のところでどう思っているかはわかりませんが、ぼくとしては「今後苦労しないように、ぼくが学んだことは教えられる限りすべて教えよう」と思いながらアドバイスおよびフィードバックをしています。
コンサルティングファームだけでなく、他の会社でも当てはまることがあると思いますので、紹介させてください。
適切なタスクリストで抜け漏れを防止
まずは絶対にこれ。タスクリストを作ること。
ぼくは社会人になりたてのころ、タスクリストという概念をちゃんと理解していませんでした。もちろん知ってはいましたが、自分で使ってはいなかった。
その結果どうなったか。即パンクしました。
自分が今何を抱えていて優先順位は何で、どこまで進んでいるのか。「あれどうなった?」と上司から聞かれても、何のことだったか思い出すので一苦労。それで詰められ怒られ夜遅くまで残業し、それでも終わらず土日出勤。なのに成果は上がらずダメ人間扱い・・・。
タスクリストは即作りましょう。
ちなみに、ぼくはそこからタスク管理についてはだいぶ深く研究し、エクセルで汎用的かつメチャクチャ使いやすいタスクリストを作成しました。売れるかな。
毎日30分単位でスケジュールを決定、それ通りに動くことを習慣化
タスクリストを作るぐらいだったら誰でもやると思いますが、ぼくの下についてくれた新入社員にはさらに一歩踏み込んでもらい、スケジュール作成も必須としています。もちろんすべてタスクリストと紐付けを取らせた上で。
社会人生活を10年とか20年とかやっていても、全然スケジュール管理できていないおじさんも結構いるんですよね。残念ながら、そういう人が成果を上げている場面を見たことがありません。
自分がどの仕事にどのぐらいかかるか明確に理解したうえで、それを周りの人に知らせる。それだけのことで、あなたの仕事への信頼感が一気に増します。ちなみに、ぼくは30分刻みで毎朝スケジュールを作成し、周りのメンバに共有しています。
ここらへんのことについては、この記事に詳しく書いているのでぜひどうぞ。
7分タイマーで常に高い集中力をキープ
7分タイマーも絶対にやってもらっています。なんとなくだらだら気が散りながらやっていた1時間の仕事と、超絶集中して行った7分の仕事では、後者のほうがいいアウトプットが出るのです。それをずっと続けていけたとしたら、一日の生産性は格段に向上します。
詳しくはこの記事をどうぞ。
エクセルショートカットを速攻で記憶
エクセルをマウスを使いながらダラダラやっている人を見ると、いいようのない感情に襲われます。特にクライアント先で資料をプロジェクタにうつしながら、0.5秒で終わる作業に1分以上かけている様を見ると、「いいからぼくにやらせろ」といいたくなってしまいます。会議時間もムダになるし、そこで超速で動かすことができればクライアントからの評価をちょっとあげることもできるのに・・・。
ということで、エクセルショートカットに関しては速攻で覚えてもらいます。詳しくはこちらをどうぞ。
メールのドラフトに指摘事項を一覧化
最初に何もできないのは誰でも同じです。そこから1ヶ月、1年、3年と立つ間にどんどんすごい人とダメな人の差が開いていくのはなぜか。過去の指摘事項をちゃんと自分のものとして吸収できているかどうか、そこの差です。
なので、ぼくはすべての指摘事項をメールのドラフトに一覧化するように指導しています。別にエクセルでもワードでもいいのですが、それだといちいちファイルを開かなくてはいけず、ちょっと効率が下がります。
メールソフトは基本的にいつも立ち上げているはずなので、ドラフトボックスに「指摘事項一覧」というメールドラフトを作っておいて、何か言われたら即そこに追記、適宜見直すようにしています。
ぼくはそれをずっとやってきて、二度とやらないように改善しているので、最近は上司から怒られるということがほとんどなくなりました。そうなると精神的にもラクです。
情報を周囲に提供し続ける
新入社員や若手は、最初はどうしても萎縮してしまいます。「自分は何も知らないし・・・」「一番若手だし・・・」「怒られるの怖いし・・・」的な感じ。
もちろん気持ちはわかるのです。ですが、それで何も行動を起こさなかったらいつまでも変わらない。いてもいなくても変わらない存在として扱われ、その結果自信をなくしてさらにダメになってしまう悪循環。
それは即座に断ち切らなければいけません。そのためにぼくがいつも言っているのは、「なんでもいいから役に立つ情報をメールで展開しろ」ということです。オフィスのお役立ち情報でも良いし、新聞に載っているクライアントの最新情報でもいい。そういうふうに情報提供してくれる人のことを、無碍に扱うようなメンバーはそうそういないはずです。むしろ感謝してくれる。
そういうふうに積み重ねることで、だんだんと自分の存在感が上がってきて、仕事が楽しくなります。周囲のメンバもいろんな情報をゲットすることができてハッピーになります。
議事録を使ってプロジェクトをドライブ
議事録って、めっちゃ大事なんだけど作るのが面倒。そういうときこそ若手社員の出番!
誰が何を言って、何が決定事項で、何がTodoか、そしてそれをいつまでに誰がやらなければならないか、会議の後にそれがまとまっている議事録がぱっと出てくると、先輩としてはメチャクチャ助かります。また、そうやって議事録を取ることで、プロジェクトの全体像もどんどん見えてくるようになります。
「前の会議ではこういう話だったと思うのですが、今の○○さんの意見はちょっと違いますね。それはこういう背景があったからという認識であっていますか」的な発言もガンガンできるようになってくるでしょう。
そうやっていくなかで、ただ座っているだけで何もできなかった新入社員が、だんだんとプロジェクトの中心メンバーになっていきます。
議事録は取ろう。展開しよう。
日報を使って毎日改善/上司との円滑なコミュニケーション
タスクリストで一元管理、スケジューリングで予定通り仕事を終わらせることができたら、そこそこ信頼はしてもらえます。が、まだ足りない。
上司との円滑なコミュニケーション、さらに毎日自分の足りないところを確認し改善するために、ぼくは日報を作成することを新入社員に勧めています。そこまでかっちりしたものでなくてもいいですが、下記のような内容を含むものを送付しなさい、と指導しています。
- 今日やったこと
- 上司からのレビュー待ちタスク
- 上司以外(クライアントやバックオフィス)からの連絡待ちタスク
- 今日の所感
- 問題と改善点
これらのことをちゃんと書いて振り返ることで、何のタスクがボトルネックになっているのか、自分のみならず上司も理解することができます。さらに、今日の仕事がどのようなものだったか、改善するにはどうすればいいか、毎日考える時間が取れます。
ただただ仕事をたくさんやれば成長するかというと、そんなことは絶対にありません。毎日しっかり自分のしたことを見つめなおし、改善する以外に道はないのです。
自分自身の評価をまず自分でつける
評価は、サラリーマンとして働いている以上、とても重要です。その評価の積み重ねが昇進にも響いてきます。
しかしながら、上からの評価はときに理不尽に見えるものです。「こんなに頑張ったのに全然評価してもらえない・・・」という気持ちを味わったことのある人は、ぼくだけではないでしょう。
そのようなギャップを最大限埋めるために、ぼくは新入社員に「自分自身の評価を自分でつけ、それをもとに上司と話すこと」をすすめています。
まず自分で評価をつけることで、心底自分の良いところと悪いところが見えるようになるというのが1点目の目的。上司の「なんとなく評価」を防ぐことが2点目の目的。
上司ももちろんしっかり部下のことを見ようとはしていますが、なかなか完璧に観察しきることはできないもの。そのときに、「私は自分ではこのように評価をつけています。このプロジェクトではこのような働きをできたため、評価Aをつけています。こちらでは、想定以上のアウトプットを出すことができていなかったため、Cにしています」という風に自分から提案してくれたら非常に助かります。
全ての仕事において「ゴール」を考え続ける
心底どうでもいいタスクはのぞいて、ほぼ全ての仕事において「ゴール」を考え続けることは非常に大事です。そこがない資料は、十中八九ゴミクズと化します。
ぼくは常に新入社員に、「これの仕事の最終形はなんだろう?これをすることで、なぜクライアントは喜ぶんだろう?他にもっと良いやり方はないかな?」という風に問いかけるようにしています。残念ながら、「やれといわれたからやりました」という姿勢、考え方でやっていけるほど甘くはない。自分自身で仕事の目的を考え、それに沿って動けなければ、コンサルタントとしては価値がないとみなされてしまうのです。
上司も、指示を出したはいいものの、なぜそれをやるべきか考え抜けていない場合が多いのです。そこをちゃんと考え、みながハッピーになる方向に行動できるような若手は非常に重宝されます。
進捗報告は定量的に実施する
「さっき頼んだあの仕事、どうなってる?」と聞かれて「できてません」では残念ながらお話になりません。仕事の進捗は可能な限り定量的に実施しなければなりません。
例えば、幹部報告用の資料を上司から頼まれ、作成途中だとしましょう。そのときに、「どうなってる?」と聞かれた答えとして、適切なのは下記のどちらでしょう。明らかに後者ですね。
- まだ終わってません
- 70%完了、30%残っています。あと1時間半で完了予定です。全体構成は、プロジェクト目的再掲、現在までのサマリと課題、今後のタスク、スケジュールに分けていて、全部で15枚となる予定です。現在10枚目の途中ですので、70%完了と報告しました。
※上司が忙しそうだったら、「70%完了です。あと1時間半で完了予定です」だけでもいい場合もありますけどね。
本当の意味で「わかる」まで手を抜かない
腹落ちするまで、他の人に完璧に説明できるまで理解する。このクセをつけないと、いつまでたってもオロオロすることになります。
「わかる」という感覚は、非常に気持ち良いものです。頭に電流が走り、誰かに伝えたくなる、そういうもの。そうではない場合は、残念ながらネットに落ちているさまざまな情報を直接見たほうが速いです。
コンサルタントとして働くのであれば、どんなときでも「わかる」ことをあきらめてはいけません。ぼくは、エクセルによくわからない単語リストとその定義、その単語を徹底的に深めるフリーシートを別に用意しています。
さっさと仕事終わらせてフリーシートでいろいろ研究したい・・・
自分を最後の砦だと考える
最後はこちら。最後の最後は自分で何とかすること。
一人前になりたいのであれば、「頼る気持ち」を速攻で消さなければなりません。「上司がいるから、自分がミスっても良いだろう」という気持ちがある限り、絶対に上にはいけません。
最後は自分で何とかする、そういう気持ちを持とうと伝えています。
最後に:きつかったら逃げよう
いろいろ言いましたが、最後に伝えたいのは「きつかったら逃げよう」ということです。仕事は大事だしメチャクチャ面白いものですが、身体や心を壊すほどやるものではないです。辛かったら、逃げてください。