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【千葉】

<参院選>大人って…高校生の初選挙 大網高でアンケート(下)

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 18歳から投票できる参院選(22日公示、7月10日投開票)を前に、本紙と淑徳大学(千葉市中央区)が共同で県立大網高校(大網白里市)に行ったアンケート。3年生196人の回答からは、物価高や「政治とカネ」に敏感な若者の姿が浮かんだ。 (中山岳)

 投票で候補者を選ぶ時に重視することを聞いたところ、百二十四人が「主張・政策」を選んだ。次いで「これまでの実績」(六十三人)が多く、「所属政党」(二十一人)は全体の一割ほどだった。政党より、候補者本人の訴えや実績を重視しているようだ。

◆経済、子育てを重視

 興味のある政治テーマは、最も多い八十八人が経済政策を選んだ。子育て支援(七十七人)、教育(六十六人)と続く。アンケートの自由記述で複数の生徒が「物価を安くしてほしい」と書いており、物価や景気に敏感な様子が見える。

 淑徳大の矢尾板俊平准教授は「多くの生徒が身近な教育より、経済政策を選んだことは興味深い」と指摘。例えば「ファミリーレストランのメニューが値上がりする一方でお小遣いが上がらなければ高校生の生活も負担感が増す」ことから「物価高の直撃を受け、経済を何とかしてほしいと思っている生徒は少なくない」とみる。

 自由記述からは「政治とカネ」の問題に厳しい声も目立った。政治家に期待することを尋ねたところ「自分たちの行動にもっと厳しくしてほしい」「ふざけたことはやめて、ちゃんと国のためになることをして」などの意見が並んだ。

 アンケートを行った五月下旬は、東京都の舛添要一知事による政治資金流用など一連の公私混同問題が連日ニュースとなっていた。生徒たちはこうした問題を受けて厳しい意見を寄せたとみられ、選挙権を得る前から政治に不信感を抱いてしまっているようだ。

◆丁寧に議論する場を

 矢尾板さんは「政治とカネ」の問題が続き、投票しても社会が良くなる実感がなければ「高校生も年齢を重ねるにつれ『政治からの疎外感』を抱き、あきらめてしまうかもしれない」と危ぶむ。

 「政党やメディアをはじめ、大人たちが国民の生活に根ざした政策を丁寧に議論する環境づくりが必要だ。ほかにも地元の祭りなど地域の活動に高校生をもっと巻き込み、身近な問題から政治との距離を縮めるような取り組みも求められる」と話している。

 

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