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【首都スポ】

リオに響け 夢のホイッスル 女子ラグビーレフェリー・川崎桜子22歳

2016年6月18日 紙面から

トライを宣告するときのエレガントな姿にも定評がある川崎桜子(昨年11月のリオ五輪アジア予選香港ラウンドで)=香港スタジアムで

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 夢のホイッスルよリオに響け!! 開幕まで2カ月を切ったリオデジャネイロ五輪で、新種目として採用されるのが男女の7人制ラグビー(女子8月6〜8日、男子同9〜11日開催)。日本は男女ともアジア代表として出場権を獲得し、現在は代表枠12人を目指してメンバーが合宿中だが、すでに参加を決めているのが日本から派遣される2人のレフェリーだ。その1人、22歳で選出された川崎桜子は、2年前の首都スポ面で「目指すは2020年東京五輪」と紹介した期待の若手女性レフェリー。4年前倒しとなる五輪デビューに向けて、抱負を聞いた。 (文・写真=大友信彦)

 「もう2カ月を切っちゃいましたね」

 川崎桜子は笑みを浮かべた。この4月、帝京大を卒業したばかり。リオ五輪の新種目・7人制ラグビー女子の部のレフェリーとして、世界から12人の1人に選ばれた。

 「今は外国の映像を見たり、英語のレッスンを受けたり、勉強することばかりです」

 レフェリー歴は2年あまりだが、昨年11月、男女の日本代表が臨んだリオ五輪アジア予選では、柔らかくスムーズな笛で高い評価を受け、五輪のレフェリー団に選出された。

 「7人制ラグビーが初めて五輪に採用される大会の、最初の舞台に立てる。すごく光栄ですし、責任もある。4年後の東京に向け、五輪はこういうところだったよ、と伝えられるように、たくさん吸収してきたい。そのための準備を進めているところです」

 今春、先輩レフェリーが経営する山小電機製作所に就職。勤務は一般社員と同じだが、「週に1回、英会話の先生にレッスンに来ていただいています。ウェールズ出身でラグビー好きな先生で、ラグビー用語のニュアンスも教えていただいています」

 通勤電車でも携帯電話に取り込んだ海外の試合の映像を見て、競技規則を読み込む。帰宅後も国内外のレフェリー仲間がLINEグループで送ってくる映像を見て、どんなプレーにも慌てず対応できるよう、自分の引き出しを増やす毎日だ。

 「世界のトップチームは、日本やアジアのチームよりもスピードもフィジカルも強いから、レフェリーもスピードや予測力が求められる。楽しみですね。吹いてみたい」

 以前は、試合のたびに足りなかったことが気になり、試合後に泣くことも多かったという。しかし、帝京大の岩出雅之監督に「泣くヒマがあったら、自分が成長するために他にやることあるだろ」と言われ、目が覚めたという。

 「今は、女子レフェリーを引っ張っていく責任感もあるし、もう泣きません(笑)」

 25日からは、アイルランドで開かれる世界最終予選に参加する。

 「五輪のレフェリーがそこで集まって、チームとしてスタートするんです。レフェリーもチームワークが大事だし、そこで団結して、五輪に向けいいチームを作りたい」

 リオそして東京へ。22歳のサクラコが、夢のホイッスルを吹く日はもうすぐだ!!

  ◇

 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

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