ドイツの大手自動車メーカー・フォルクスワーゲン(VW)が韓国国内の排出ガス試験で不合格となった車を違法に改造し、販売を続けてきたことがわかった。検察が明らかにした。問題となった車はガソリン車のゴルフ1.4TSIで、昨年3月から韓国国内で1567台が販売された。排出ガスデータのねつ造は本社からの直接の指示によるものだった。
問題のゴルフ1.4TSIは、国立環境科学院が2014年5月に行った排出ガス試験で不合格となった。するとVWは排出ガスが少なく出るようソフトウェアに手を加え、それにより同年11月に行われた同じ試験で合格した。しかし排出ガスが少なく出るようソフトウェアを修正した場合、今度は車の耐久性が低下する。またソフトウェアを修正あるいは交換した場合には、改めて検査を受け認証を得なければならないが、VWは「前回と同じ車」とうその宣伝を行い韓国国内で販売を続けた。
VWは昨年9月、米国でディーゼル車の排出ガス低減装置関連データのねつ造が発覚したが、韓国では問題となったディーゼル車が12万5000台も販売された。ところがVWは韓国環境部(省に相当)からのリコール要求に対し、わずか2行の誠意の全くないリコール計画書を提出し、これが3回却下されると未だにリコールを実行していない。VWは2011年にもエアコン作動時に排出ガスが基準値を上回る問題が摘発され、環境部からリコールが要求された。しかしこの時も「リコールを強制する規定がない」との理由でこれを無視した。韓国の政府と国民を徹底してばかにし、うそを突き続けているわけだ。検察関係者はVWの横暴について「やくざと同じレベル」と指摘する。
VWは耐久性が低い恐れのある車を販売し、消費者をだました。またソフトウェアを交換する際に必要な認証を無視したことも、明らかに犯罪行為だ。このようにやくざと同じレベルの意識しかない不道徳な企業が、なぜ世界的な名声を得ているのか全くもって理解できない。検察と環境当局はVWの犯罪行為を最後まで追求し、厳しい処罰を加えることで、消費者が被った損害を完全に取り戻さなければならない。