殺菌剤の年間市場規模は10億ウォンだが、被害申告は2339人、うち464人死亡=韓国

殺菌剤の年間市場規模は10億ウォンだが、被害申告は2339人、うち464人死亡=韓国

2016年06月16日13時20分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  加湿器殺菌剤使用人口800万人、潜在的被害者227万人。2014年に疾病管理本部肺損傷調査委員会が出した白書の数字だ。1994年に発売されて2011年に販売が中断された加湿器殺菌剤は、年間60万個、合計960万個ほど流通した。年間市場規模は10億ウォン(約1億円、公正取引委員会推算)にすぎないが、被害が少なくない理由だ。

  環境部と保健福祉部によると、2013年7月から今年5月31日まで加湿器殺菌剤被害者として申告した人は合計2339人で、うち死亡者は464人。10人に2人が死亡したということだ。1、2次被害者のうち家族全員が被害を受けたケースも約50世帯にのぼる。

  大規模な被害にもかかわらず、企業は無責任な態度で一貫してきた。最も多くの被害者を出したオキシー・レキット・ベンキーザーは2011年、加湿器殺菌剤が死亡原因になったという政府の調査結果が発表されると、これに反論するため大学に毒性実験を依頼した。

  ここでも「加湿器殺菌剤に有害性があり、追加の実験が必要」という結果が出ると、オキシーはこれを隠して有利な結果だけを組み合わせて検察に提出した。また同年12月にオキシーは株式会社オキシー・レキット・ベンキーザーを解散し、有限会社レキット・ベンキーザーを設立した。損害賠償を避けるためという疑惑が強まった。

  消費者の苦痛にも背を向けた。検察によると、オキシーは消費者が顧客相談掲示板に加湿器殺菌剤の副作用、これによる痛みを訴えるコメントを載せたが、これを検察の捜査前に大量削除した。オキシーは今も「該当製品(殺菌剤)と病気の因果関係に対する疑問は依然として存在していて、法廷で真実が明らかになる」という立場を守っている。

  ソウル大社会福祉学科のチョ・フンシク教授は「オキシーで殺菌剤を開発した人たちは『加湿器殺菌剤吸入時の安全性の検討が全く行われていない』という豪州法人の警告を無視して製品を生産した」とし「利益に目がくらみ、警告を受けたにもかかわらず安全性を検討しなかった」と述べた。
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