News Up イギリス国民投票 どういうもの?
EU=ヨーロッパ連合からの離脱の賛否を問う国民投票を1週間後に控えたイギリスで、EU残留を呼びかけていた女性の下院議員が路上で銃で撃たれるなどして死亡し、衝撃が広がっています。
今回の事件が国民投票に少なからず影響を与えるのではないかという見方も出ています。
そのイギリスの国民投票はどういうものなのでしょうか?いまさら聞けない基本情報も含めて解説します。
今回の事件が国民投票に少なからず影響を与えるのではないかという見方も出ています。
そのイギリスの国民投票はどういうものなのでしょうか?いまさら聞けない基本情報も含めて解説します。
Q:イギリスの国民投票はいつ行われるのですか?
A:イギリスでは、今月23日、EU=ヨーロッパ連合からの離脱の賛否を問う国民投票が行われることになっています。
キャメロン首相など残留支持派は、イギリスの輸出のおよそ半分を占めるEUから離脱することになれば、経済的な打撃が大きいことに加え、テロ対策など安全保障面でも悪影響が出るおそれがあるなどと主張し、EUにとどまるよう訴えています。
これに対し、与党・保守党の有力政治家、ジョンソン下院議員など離脱支持派は、移動の自由の原則のもと、EU加盟国からの移民が急増していることやEUが決めるルールによってイギリス独自の政策が制限されていることへの不満を訴え、EUからの離脱を呼びかけています。
各社の世論調査では、残留、離脱双方の支持率は40%ほどできっ抗し、予断を許さない状況が続いています。
Q:国民投票はなぜ行われることになったのですか?
A:国民投票実施の背景の1つに、与党・保守党の党内の事情があります。
ギリシャに端を発した信用不安が広がったヨーロッパでは、各国が緊縮財政を余儀なくされました。また、2004年にEUに加盟したポーランドなど東ヨーロッパからの移民が急増しました。
こうしたなか、EU離脱を訴えるイギリス独立党が支持を伸ばし、キャメロン首相率いる保守党の支持層を切り崩す勢いを見せました。保守党の中に少なからずいたEUに懐疑的な議員はEUからの離脱を公然と主張し、キャメロン首相は指導力を問われる事態になりました。
そこで、キャメロン首相は2013年1月、議会選挙で勝利して政権の続投が決まれば国民投票を実施すると公約。選挙では保守党が勝利し、キャメロン首相は国民投票の実施を正式に表明しました。
Q:何が争点になっているのですか?
A:EUからの離脱を訴える「離脱派」、残留を希望する「残留派」の間で鋭く意見が対立しているのが、移民、経済、安全保障・外交の3つの分野です。
このうち、移民については、イギリス政府はことし2月、EU域内からの移民労働者に対し、社会保障費の給付を制限できることでEUと合意しました。
残留派は、この合意を実行すれば、移民の抑制は可能だとしているのに対し、離脱派はこの合意では不十分で、EUにとどまるかぎり今後も移民は増え続けると批判しています。
Q:国民投票で離脱を選択するとどうなるのですか?
A:国民投票で離脱が上回った場合でも、イギリスが直ちにEUから離脱するわけではありません。離脱のための手続きが必要になるからです。
しかし、EUでドイツに次ぐ経済規模のイギリスが離脱する場合、経済に少なからぬ影響が出ることが懸念されています。イギリスの通貨ポンドやユーロの下落が予想されるほか、大手格付け会社は、イギリスのみならず、経済面で結び付きが強いドイツやフランスなどの国債の格付けを引き下げる可能性があると発表しています。
また、政治面では、来年に大統領選挙を控えているフランスや総選挙が予定されているドイツで、このところ急速に支持を広げている反EU・反移民を掲げる右派の政党がさらに勢いづく可能性も指摘されています。
A:イギリスでは、今月23日、EU=ヨーロッパ連合からの離脱の賛否を問う国民投票が行われることになっています。
キャメロン首相など残留支持派は、イギリスの輸出のおよそ半分を占めるEUから離脱することになれば、経済的な打撃が大きいことに加え、テロ対策など安全保障面でも悪影響が出るおそれがあるなどと主張し、EUにとどまるよう訴えています。
これに対し、与党・保守党の有力政治家、ジョンソン下院議員など離脱支持派は、移動の自由の原則のもと、EU加盟国からの移民が急増していることやEUが決めるルールによってイギリス独自の政策が制限されていることへの不満を訴え、EUからの離脱を呼びかけています。
各社の世論調査では、残留、離脱双方の支持率は40%ほどできっ抗し、予断を許さない状況が続いています。
Q:国民投票はなぜ行われることになったのですか?
A:国民投票実施の背景の1つに、与党・保守党の党内の事情があります。
ギリシャに端を発した信用不安が広がったヨーロッパでは、各国が緊縮財政を余儀なくされました。また、2004年にEUに加盟したポーランドなど東ヨーロッパからの移民が急増しました。
こうしたなか、EU離脱を訴えるイギリス独立党が支持を伸ばし、キャメロン首相率いる保守党の支持層を切り崩す勢いを見せました。保守党の中に少なからずいたEUに懐疑的な議員はEUからの離脱を公然と主張し、キャメロン首相は指導力を問われる事態になりました。
そこで、キャメロン首相は2013年1月、議会選挙で勝利して政権の続投が決まれば国民投票を実施すると公約。選挙では保守党が勝利し、キャメロン首相は国民投票の実施を正式に表明しました。
Q:何が争点になっているのですか?
A:EUからの離脱を訴える「離脱派」、残留を希望する「残留派」の間で鋭く意見が対立しているのが、移民、経済、安全保障・外交の3つの分野です。
このうち、移民については、イギリス政府はことし2月、EU域内からの移民労働者に対し、社会保障費の給付を制限できることでEUと合意しました。
残留派は、この合意を実行すれば、移民の抑制は可能だとしているのに対し、離脱派はこの合意では不十分で、EUにとどまるかぎり今後も移民は増え続けると批判しています。
Q:国民投票で離脱を選択するとどうなるのですか?
A:国民投票で離脱が上回った場合でも、イギリスが直ちにEUから離脱するわけではありません。離脱のための手続きが必要になるからです。
しかし、EUでドイツに次ぐ経済規模のイギリスが離脱する場合、経済に少なからぬ影響が出ることが懸念されています。イギリスの通貨ポンドやユーロの下落が予想されるほか、大手格付け会社は、イギリスのみならず、経済面で結び付きが強いドイツやフランスなどの国債の格付けを引き下げる可能性があると発表しています。
また、政治面では、来年に大統領選挙を控えているフランスや総選挙が予定されているドイツで、このところ急速に支持を広げている反EU・反移民を掲げる右派の政党がさらに勢いづく可能性も指摘されています。