ニュース 2014.07.01. 21:12
論争ふたたび!? 田中に新人王の資格はあるのか
メジャー移籍1年目ながら、エース級の活躍を見せているヤンキースの田中将大。少し気が早いが、開幕から3カ月近くが経過した時点では新人王のみならず、MVP候補の筆頭といえる活躍を見せている。海を渡った日本人選手が、並み居るメジャーの大男たちをなぎ倒す姿は、我々ファンに大きな希望を抱かせてくれる。
今シーズンの田中をはじめ、2年前のダルビッシュ有、2003年の松井秀喜、2001年のイチロー、2000年の佐々木主浩、そして1995年の野茂英雄。日本でスーパースターの地位と実績を築き、メジャー・リーグの新人として1年目から全米にその存在を認めさせた選手達。ところが、彼らが活躍を続けるにつれて、毎回ある論争が沸き起こっていった。そう、日本のプロ野球で実績を残した彼らを『新人』と位置付けるかどうか、である。
現地時間6月30日の米FOXSPORTS電子版で、田中とホワイトソックスのホセ・アブレイユに関する『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』の資格を検証する記事が掲載された。
アブレイユは昨年キューバから亡命し、ホワイトソックスと6年総額6400万ドルで契約したメジャー1年目の27歳。今季成績は打率.279、ア・リーグトップタイの25本塁打、リーグ4位の64打点と、田中同様にルーキーながら主力級の活躍を見せている。(現地6月30日時点の成績)
今季のア・リーグ新人王はこの2人のマッチレースと目されているが、両者には共通点がある。それは、田中が日本のプロ野球、アブレイユはキューバリーグや同国代表として国際大会で数多くの実績を残している事だ。
前述の記事では、既に自国リーグや国際大会で実績を残している選手に対して、新人王資格をはく奪するべきだとの論争が米国で度々起こっている事を紹介している。「レベルの高い日本やキューバ出身の選手には新人資格を与えるべきではない」と、強い論調で主張している関係者も数多く存在しており、今季のア・リーグ新人王争いは、まさに否定的な見解を持つ人々を刺激する展開となっているようだ。
そのような背景がありつつも、「両者には新人王の資格あり」との見解を同記事では示している。根拠として、過去に米国内でも他リーグ(20世紀前半を中心に活動していたアフリカ系アメリカ人によるニグロリーグなど。当時はメジャー・リーグとは別の組織だった。)で活躍した選手に新人王の資格を与えていたこと、1995年に活躍した野茂に関して、ある米国人ライターがMLBコミッショナー事務局に「日本のプロ野球で実績のある野茂に新人王の資格はあるのか」を問い合わせたところ、公式に「資格あり」と返答があったことなどを挙げている。
さらに、田中やアブレイユが異国の環境に適応する事の大変さ、プレー面、文化面での違いなど多くの障壁を乗り越えなければならないことを挙げ、他国リーグで実績があっても、厳しい環境で結果を残し続ける彼らを『新人』と扱っても良しとするべきだ、と記事を締めくくっている。
◆日本人選手の新人王にまつわる話
【2003年】
日本人選手の新人王獲得は、1995年の野茂、2000年の佐々木、2001年イチローの3選手。野茂の時は初めての事例だったこともあり比較的ポジティブな話題とされていたが、2000年佐々木、2001年イチローと、マリナーズ所属の日本人スター選手が2年連続受賞したことで論争はヒートアップ。2003年に松井秀喜が106打点を挙げてヤンキースのワールド・シリーズ進出に大きく貢献した際には、新人王有力とされながら日本人スターの受賞に否定的な記者が松井に投票せず、新人王の受賞はならなかった。当時のヤ軍オーナーが烈火のごとく怒り狂っていた様が話題を呼んだ。
【2012年】
この年から海を渡ったダルビッシュに至っては、シーズンが始まる前から話題になっていた。「日本、韓国、台湾、キューバのリーグで実績のある23歳以上選手は、契約上『新人』の対象から外す」という内容が、大リーグ機構と選手会の新労使協定に含まれていたことを受けて「ダルビッシュに新人王の資格なし」という報道が出現。のちに、新人王投票を行う全米野球記者協会(BBWAA)が「労使協定の内容と新人王は無関係」と正式に声明を発表したが、全米でも話題の存在となっていたダルビッシュは、メジャーで一球も投げる前から新人王の有力候補とされ、またも資格有無の話題が再燃した。
今シーズンの田中をはじめ、2年前のダルビッシュ有、2003年の松井秀喜、2001年のイチロー、2000年の佐々木主浩、そして1995年の野茂英雄。日本でスーパースターの地位と実績を築き、メジャー・リーグの新人として1年目から全米にその存在を認めさせた選手達。ところが、彼らが活躍を続けるにつれて、毎回ある論争が沸き起こっていった。そう、日本のプロ野球で実績を残した彼らを『新人』と位置付けるかどうか、である。
現地時間6月30日の米FOXSPORTS電子版で、田中とホワイトソックスのホセ・アブレイユに関する『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』の資格を検証する記事が掲載された。
アブレイユは昨年キューバから亡命し、ホワイトソックスと6年総額6400万ドルで契約したメジャー1年目の27歳。今季成績は打率.279、ア・リーグトップタイの25本塁打、リーグ4位の64打点と、田中同様にルーキーながら主力級の活躍を見せている。(現地6月30日時点の成績)
今季のア・リーグ新人王はこの2人のマッチレースと目されているが、両者には共通点がある。それは、田中が日本のプロ野球、アブレイユはキューバリーグや同国代表として国際大会で数多くの実績を残している事だ。
前述の記事では、既に自国リーグや国際大会で実績を残している選手に対して、新人王資格をはく奪するべきだとの論争が米国で度々起こっている事を紹介している。「レベルの高い日本やキューバ出身の選手には新人資格を与えるべきではない」と、強い論調で主張している関係者も数多く存在しており、今季のア・リーグ新人王争いは、まさに否定的な見解を持つ人々を刺激する展開となっているようだ。
そのような背景がありつつも、「両者には新人王の資格あり」との見解を同記事では示している。根拠として、過去に米国内でも他リーグ(20世紀前半を中心に活動していたアフリカ系アメリカ人によるニグロリーグなど。当時はメジャー・リーグとは別の組織だった。)で活躍した選手に新人王の資格を与えていたこと、1995年に活躍した野茂に関して、ある米国人ライターがMLBコミッショナー事務局に「日本のプロ野球で実績のある野茂に新人王の資格はあるのか」を問い合わせたところ、公式に「資格あり」と返答があったことなどを挙げている。
さらに、田中やアブレイユが異国の環境に適応する事の大変さ、プレー面、文化面での違いなど多くの障壁を乗り越えなければならないことを挙げ、他国リーグで実績があっても、厳しい環境で結果を残し続ける彼らを『新人』と扱っても良しとするべきだ、と記事を締めくくっている。
◆日本人選手の新人王にまつわる話
【2003年】
日本人選手の新人王獲得は、1995年の野茂、2000年の佐々木、2001年イチローの3選手。野茂の時は初めての事例だったこともあり比較的ポジティブな話題とされていたが、2000年佐々木、2001年イチローと、マリナーズ所属の日本人スター選手が2年連続受賞したことで論争はヒートアップ。2003年に松井秀喜が106打点を挙げてヤンキースのワールド・シリーズ進出に大きく貢献した際には、新人王有力とされながら日本人スターの受賞に否定的な記者が松井に投票せず、新人王の受賞はならなかった。当時のヤ軍オーナーが烈火のごとく怒り狂っていた様が話題を呼んだ。
【2012年】
この年から海を渡ったダルビッシュに至っては、シーズンが始まる前から話題になっていた。「日本、韓国、台湾、キューバのリーグで実績のある23歳以上選手は、契約上『新人』の対象から外す」という内容が、大リーグ機構と選手会の新労使協定に含まれていたことを受けて「ダルビッシュに新人王の資格なし」という報道が出現。のちに、新人王投票を行う全米野球記者協会(BBWAA)が「労使協定の内容と新人王は無関係」と正式に声明を発表したが、全米でも話題の存在となっていたダルビッシュは、メジャーで一球も投げる前から新人王の有力候補とされ、またも資格有無の話題が再燃した。