『戦後猟奇犯罪史』(1976年、東映・81分)を、CSのチャンネルNecoで放送しています。新聞やテレビで話題になった三大事件をオムニバス形式で振り返る映画です。進行は、当時の人気番組だった『ウイークエンダー』の体裁をとり、同番組のレポーターだった泉ピン子が担当しています。(上の画像はGoogle検索画面より)
『
戦後猟奇犯罪史』は、戦後事件史として有名な性がらみの事件3件について、それぞれ当時の調書に基き、事件を振り返っています。
そして、それらをつなぐ進行役、今風に言うとナビゲーターにあたるのが、
泉ピン子です。
泉ピン子が、観覧席に対して、容疑者の顔写真パネルをもって説明しています。
チャンネルNeco公式サイトより
そして、再現フィルムを見るように、ストーリーが始まります。
泉ピン子は、劇中のナレーションも担当しています。
これは、当時ヒットしたテレビ番組『ウイークエンダー』(日本テレビ)の体裁をとったものです。
1970年代、日本テレビで毎朝放送されていた『あなたのワイドショー』という番組の金曜日が、「テレビ三面記事」という副題で、その週に起こった事件・事故を、芸能人がレポーターになり、取材して報告していました。
それが好評だったので、土曜夜に、朝は扱えなかった多少エッチな事件も扱う「夜のテレビ三面記事」として、1974年に番組が始まったのですが、そちらの方がもっとヒットして、1975年~1984年まで、まる9年間放送されました。
司会が、
加藤芳郎。
レポーターが、
青空はるお、
青空うれし、
桂ざこば(当時桂朝丸)など。
泉ピン子が出演していたのは、最初の半年ぐらいです。
そのあとは、
すどうかずみ(須藤リカ)、
高見恭子などにバトンタッチしているのですが、男性レポーターたちは朝と掛け持ちだったことと、当時無名だった泉ピン子の“出世作”なので、ウイークエンダーといえば泉ピン子、というイメージが強いようですね。
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ピラニア軍団が主演
では、映画では具体的に何の事件を再現しているか。
すでにWikiで実名が出ているので、ここは実名で書きます。
最初が、指名手配後も身分を偽り、詐欺や強盗を繰り返した西口彰の「日本縦断詐欺殺人事件」。
室田日出男が演じています。
ふたつ目は、今年に入って『爆笑フライデー』で改めて話題になった、元ロカビリー歌手・
克美しげるの事件です。
五十嵐義弘が演じています。
3つめが、“群馬のボクちゃん”大久保清の事件です。
川谷拓三が演じています。
みなさんは、これらの事件、覚えていらっしゃいますか。ご存じですか。
その当時は、いずれも世間を震撼させた大事件です。
克美しげるの事件については、すでにこのブログで振り返っています。
⇒
克美しげる、嘘の破綻と世評のプレッシャーで崩れた人生
当時、東映は『仁義なき戦い』という実録映画があたったので、今回も「実録」でいこう、と思ったのかもしれません。
『仁義なき戦い』では、鑑賞者なら誰でもわかる大物組長でも、実名とは異なる劇名がつけられていましたが、この『戦後猟奇犯罪史』でも、一応犯人の名前は実名を微妙に変えた劇名になっています。
事件自体は公然としており、それを報じたところで名誉毀損にはならないと思いますが、ただ映画作品として仕上げる場合脚色されるので、当時だったら誰もが知っている犯人名も、あえて劇名をつけたのでしょう。
当時私は、地元の商店街が、招待券を100円で売っていたので、テアトル蒲田という東映系二等館で観たのですが、本作はR-18の指定が入っていました。
18歳未満の未成年者が閲覧するには、不適切な表現が含まれるとみなされた作品だったわけです。
しかし、当時私はまだ18歳未満でした。
もぎりの人にも注意されなかったし、当時は規制も緩やかだったのですね。
いずれにしても、時代は変わり、今はCSで堂々放送されています。
ネットで何でも閲覧できる時代となり、世の中の「不適切な表現」の基準が下がってきているのかもしれません。
これからの放送は、CSのチャンネルNecoで、6月25日(23:50~)、6月27日(21:00~)です。
興味のある方は、公式サイトでご確認の上、ご覧ください。

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タッタラッタチャンラ~ン
新聞によりますと…懐かしいですね(^o^)
by 関谷貴文 (2016-06-18 03:36)