米民間シンクタンク「北核兵器除去シナリオ」衝撃の中身

米民間シンクタンク「北核兵器除去シナリオ」衝撃の中身

 米国の安全保障問題専門の民間シンクタンク「ストラトフォー」が先日公表した「北朝鮮攻撃作戦のシナリオ」について、北朝鮮は「米国による侵略戦争の野望の発露」などと激しく反発している。米国の一民間企業の報告書に北朝鮮が激しく反応するのはなぜか。ストラトフォーは5月末『(北朝鮮の)核の脅威除去(Removing The Nuclear Threat)』と題されたリポートを発表した。五つの章からなるこのリポートは、北朝鮮による核兵器開発とその無力化のために攻撃を加えるべき対象、その際に使用する爆撃機、ミサイル、誘導爆弾、さらに北朝鮮の報復攻撃のシナリオ、予想される被害の規模などについて予測している。ストラトフォーは1996年に設立された民間のシンクタンクで出版なども手掛けている。

■誘導弾やクルーズミサイルによる核施設へのピンポイント攻撃

 リポートのポイントとなる作戦シナリオは第3章に記載されている。リポートの予測する米国が最初に使う有力なシナリオは、B2ステルス爆撃機10機以上とF22ステルス戦闘機24機によるものだ。リポートは寧辺の核施設など北朝鮮の主な軍事施設を爆撃するのに使われる爆弾の種類や数についても分析している。

 B2爆撃機は900キロ級のGBU31精密誘導爆弾16発と、これよりはるかに優れた破壊力を持つ1万3600キロ級GBU57バンカーバスター(地中貫通爆弾)2発を搭載できる。とりわけGBU57は米軍の在来式爆弾の中では破壊力が最も強く、地下60メートルまで貫通しそこに隠された施設を破壊できるという。朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)委員長など北朝鮮トップが地中深くに身を隠した場合でも、その場所を一気に攻撃・破壊できるのだ。ただしF22は本来、敵戦闘機との直接の戦闘を想定したもので、搭載可能な爆弾は450キロ級のGBU32精密誘導爆弾2発だけだ。仮にB2爆撃機10機が作戦に参加した場合、GBU57とGBU31を最大限搭載した状態で5機ずつ分かれて編隊を組めば、最大10発のGBU57と80発のGBU31を北朝鮮の攻撃目標に向け一気に投下できる。

 空軍が核施設に攻撃を加える間に、東海(日本海)からはオハイオ級の原子力潜水艦2-4隻がBGM109巡航ミサイル「トマホーク」を300発以上発射し、北朝鮮のミサイル基地や空軍基地などを破壊する。日本の横須賀を母港とする第7艦隊所属のイージス艦隊がこの攻撃に加われば、発射可能となる巡航ミサイルの数は600発にまで増える。北朝鮮の核施設や主な軍事施設全てを一気に破壊できるわけだ。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者 , チョン・ヒョンソク記者
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