マージンコールとは?
FX業者の安全策
FX取引は証拠金取引であるため、入金したお金(元本)以上のお金をかけることが出来ます。そうなると、当然元本が大きく傷んでしまう可能性が高くなります。
極端な場合は、元本がマイナスになる、なんてこともあり得るわけです。
そうした場合、困ってしまうのがFX業者です。お客さん(個人投資家)がきちんとマイナス分のお金を入金してくれればいいですが、万が一口座のマイナス分の清算をしてくれない場合は、FX会社の持ち出し(損失)になってしまいます。
そうした事態を避けるためにある仕組みが、マージンコール(Margin Call )です。
追加の証拠金を入れることを追証などとも言いますが、金融市場では最も嫌な言葉の一つですね。
ポジションが大きなマイナスなったら・・・
FX取引をやっていると、含み損を抱えるポジションを持つことも頻繁にあります。その含み損が膨らんで、預け入れている証拠金(元本)が大きく毀損し始めた際、追加の証拠金を入れてください、という連絡が来ます。
これをマージンコールと呼びます。
追加の証拠金をコール(読んでいる)のですね。
どの程度、元本が傷んだらマージンコールがかかるかは、業者のFX口座ごとに異なります。おまかな基準としては、証拠金維持率が50%~70%を割り込むと、マージンコールの基準にしているケースが多いです。
マージンコールは決められた時刻で計算
マージンコールはリアルタイムで行っているわけではなく、ニューヨーク時間17:00など基準となる時刻に証拠金が健全な水準に維持されているか(過度に含み損が膨らんでいないか)計算することで決めています。その際に、証拠金維持率を下回る(証拠金使用率が上回る)と、マージンコールが発生します。
マージンコールはどのように伝わるか
マージンコールが発生した場合、FX業者から個人投資家に電子メールなどで伝達されます。
中には、マージンコールの制度を設けていない取引会社もあります。これは、レバレッジがかなり高く設定でき、マージンコールの基準を上回る取引が可能であるかわりに、警告なしに突然ロスカットが執行されて、強制決済されてしまうので、注意が必要です。
ロスカットとは?
ここで一旦ロスカットも説明しておきます。
FX取引は証拠金を使ったレバレッジ取引と説明しましたが、レバレッジには制限(日本のFX業者なら25倍)があります。
ポジションに損が膨らめば、証拠金が毀損するので、レバレッジが上昇することになります。
レバレッジに制限がある以上、レバレッジの上昇が許容範囲を超えたら、そのポジションは閉じなくてはなりません。
それをロスカットと呼びます。
ロスカットの基準は、必要証拠金維持率によって定められています。この維持率が一定の範囲(20~30%程度のなかでFX会社が設定)を下回った場合はロスカットが実施されます。
ロスカットはシステムにより機械的に行われます。
一定まで損失が膨らんだ際は機械的にポジションを閉じる(投資をやめさせる)ことで、証拠金がマイナスになるような事態を避けようとしているのです。
とはいえ、為替の値動きが急激な場合はロスカットを行っても、証拠金がマイナスになってしまう可能性はありえます。めったにないことですが、為替市場というのは時々めった無いリスクが具現化します。
マージンコールがかかったら考えたいこと
マージンコールはロスカットが近いお知らせ
マージンコールはFX会社による任意のお知らせなので、強制的に証拠金を入れなくてはいけないわけではありません。
しかし、マージンコールがかかるということは強制的にロスカットになる水準が近づいているということであり、さらにポジションの含み損が大きくなると強制的にポジションをFX会社に解消されます。勝手に反対売買されるってことですね。
の制度そのものに拘束力があるわけではありませんが、マージンコールがかかったということは、ロスカットの執行が近いということを意味しています。
ロスカットしたくなければ証拠金を入れよう
マージンコールがかかったら、ロスカットしたくなければ追加の証拠金を入金するしかありません。決められた時刻までに、追加の証拠金を預け入れることで証拠金維持率を回復させればロスカットは遠のきます。ポジションを維持したままFX投資を続けることが出来ます。
反対にもたもたしていると、ロスカットの憂き目にあうので対応はお早めに。
マージンコールがかかったら一旦ポジションを閉じるのも手
これが言いたくてここまで書いてきたようなものですが、マージンコールがかかってしまったら、証拠金を入金するのではなく、一旦ポジションを閉じてしまうのも良いと思います。
マージンコールまで追い込まれたのなら、当初もくろんでいたシナリオ通りには行っていないのでしょう。(最初からそこまで追い込まれるつもりで投資したのなら別ですが)
だったら、一旦ポジションを閉じて、冷静になってみるのも良い考えです。ポジションを持っていた時には気づかなかったモノが見え、視野が広がって判断の精度が増すかもしれません。
含み損になっている段階で、実現しようとしまいと、それは損失なのです。損失の確定を恐れないで、マーケットに対してニュートラルな視野で臨みたいものですね。