福島県 東電報告に「極めて遺憾」と抗議

福島県 東電報告に「極めて遺憾」と抗議
福島第一原発の事故を巡り、東京電力が依頼した委員会が当時の社長が“炉心溶融”ということばを使わないよう指示していたと明らかにしたことを受けて、17日、東京電力の担当者が福島県庁に報告に訪れ、県側は「不安に満ちた県民の気持ちを無視したもので極めて遺憾だ」と抗議しました。
東京電力が、福島第一原子力発電所の事故のあと、2か月以上、炉心溶融、いわゆるメルトダウンが起きたことを認めなかった問題で、東京電力が依頼した弁護士らの委員会は、16日、当時の社長が、官邸からの指示だとして、“炉心溶融”ということばを使わないよう指示していたという検証結果を発表しました。
これを受けて17日、東京電力原子力・立地本部の守正樹立地部長が検証結果の報告のため県庁を訪れ「“炉心溶融”に当たると自治体や県民に伝えるのが妥当だったという結果だった。ご迷惑とご心配をかけおわびします」と謝罪しました。
これに対して福島県原子力安全対策課の菅野信志課長は「都合の悪いことばは使わない体質があったと言わざるをえない」と指摘しました。
そのうえで菅野課長は「当時の不安に満ちた県民の気持ちを無視したもので極めて遺憾だ。こうしたことが2度とないよう今後の対応を示してほしい」と抗議しました。
東京電力は検証結果を受けた対応を今月中にも示すことにしています。