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【千葉】

<参院選>大人って…高校生の初選挙 (上)大網高でアンケート

5月下旬に大網高校であった主権者教育の特別授業で、模擬選挙に臨んだ3年生の生徒たち=大網白里市で

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 投票年齢が「18歳以上」に引き下げられる参院選(22日公示、7月10日投開票)。本紙は、新たに有権者となる高校生の政治意識を探ろうと、淑徳大学(千葉市中央区)と共同で県立大網高校(大網白里市)の3年生にアンケートを行った。結果からは、戸惑いつつも選挙で社会を変える期待を抱く姿が浮かぶ。 (中山岳)

 アンケートは五月二十四日、大網高校で主権者教育の授業をした同大の矢尾板俊平准教授(総合政策論)の研究室と共同で実施。すでに十八歳になった生徒を含めた百九十六人から、回答を得た。

◆投票「行く」も5割

 参院選や来春の県知事選に投票に行くかを聞いたところ、「ぜひ行きたい」「行くと思う」と答えた生徒は約五割。「行かないと思う」は約三割、「まだ分からない」は二割弱だった。投票年齢の引き下げには、賛成・反対よりも「どちらとも言えない」が六割を超え、最も多かった。新たな権利を手に入れた実感より、戸惑いが大きいことがうかがえる。

 選挙で社会が変わるか尋ねたところ「そう思う」が「そう思わない」をわずかに上回った。二〇一二年衆院選で民主党(現民進党)から自民、公明両党に政権交代した事実は「知らない」が七割を占めた。

 一方、「知っている」と答えた生徒たちの中で「選挙で社会が変わるか」との問いに「そう思う」と答えた人は六割に上った。矢尾板さんは「政権交代を見てきた経験から選挙で社会が変わることを期待する人がいる」と指摘する。

◆話題化で投票意欲増

 親と選挙や政治の話をする生徒ほど、投票意欲が高くなる傾向も表れた。

 「親と選挙や政治について話すか」との問いに「よくある」「時々ある」と答えた人は約三割にとどまったが、そう答えた生徒たちの、いずれも半数以上が投票に「ぜひ行きたい」「行きたい」と答えた。逆に、家庭で政治についての会話が少ないほど、投票に行きたい割合が減っていた。

 矢尾板さんは「投票しようとする意識は、子どものころから時間をかけて形成されていく」と説明。「子どもの時から身近な活動で社会に関わる経験を重ね、家庭で政治を考える気持ちを培うことも大切。主権者教育は、若者が自ら選挙に行く動機を高めるような視点で考えた方がいい」と話している。

 

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