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【政治】

米軍基地外、日本の司法制度で 沖縄知事、県民大会後に米伝達へ

インタビューに答える沖縄県の翁長雄志知事=16日午後、沖縄県庁で

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 沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は十六日、県庁で共同通信の単独インタビューに応じ、米軍属が逮捕された女性暴行殺害事件に抗議する十九日の「県民大会」で、在日米軍の法的地位を定める日米地位協定の抜本改定を訴える意向を表明した。米軍基地外での事件・事故は基本的に日本の司法制度で裁かれる必要があると強調し、具体的な改定内容に踏み込んだ。

 県民大会の後に米国を訪問し、事件に抗議する沖縄の民意を直接、米側に伝える考えも明らかにした。

 事件を受け、日米両政府は地位協定の対象となる米軍属の範囲を明確化する方向で協議に入ったが、翁長氏は「不十分だ」と批判。「県民の尊厳がかかっている」とし、米軍関係者による事件が繰り返されても、過去一度も改定されていない地位協定を変えるべきだと主張した。

 在日米軍専用施設の74・46%が沖縄県に集中する現状を踏まえ「日本本土の人は日常的に自分たちの目の前に基地が現れないので、地位協定がいかに不平等条約かについて理解が全くない」と不満を語った。

 翁長氏は、米軍普天間(ふてんま)飛行場の返還合意につながった一九九五年の「県民総決起大会」に関し「怒りを表現することに主眼があった」と指摘。「それから約二十年でいろいろな事件が起き、基地の整理縮小という言葉だけで県民の心を収めるのが難しくなってきた」とした。

<日米地位協定> 日米安全保障条約に基づき日本に駐留する米軍や軍関係者の法的地位などを定めた協定。1960年に発効した。公務中の犯罪は米側が第1次裁判権を持ち、公務外でも米側が先に容疑者を拘束すれば、起訴前まで原則として日本側に身柄を引き渡さないと規定する。協定が改定されたことはない。犯罪に関与した疑いのある米兵の起訴前の身柄引き渡しは、米側の「好意的考慮」に基づく運用改善により実施。協定は在日米軍基地の管理・運用も定めている。

 

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