居酒屋大手のワタミで同社初の労働組合「ワタミメンバーズアライアンス」が結成された。同社は2008年に元社員が過労自殺するなど過重な労働環境に対する批判が高まり、15年3月期まで2期連続の最終赤字と、収益環境も悪化している。組合との対話を通じて職場環境の改善に注力していく姿勢を内外にアピールする。
同社によると組合員数は約1万3千人。雇用後の社員に加入を義務付けるユニオンショップ制をとり、グループ企業の正社員1800人とアルバイト約1万1千人が加入したという。
ワタミの清水邦晃社長は日本経済新聞の取材に対し「組合結成は労使のバランスを取るチャレンジ。経営陣もかつてのような(トップダウン型の)会社にするつもりはない」と強調。主力の居酒屋事業の再建にあわせ、従業員の働きやすさなどに焦点を当てた新たなCI(コーポレートアイデンティティー)を策定してブランド再建も急ぐ。