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【阿比留瑠比の極言御免】
遅きに失した舛添知事辞職 それでも菅元首相よりまだまし
だが、菅氏は日本人の多くが共有する無常観、ある種の諦念を持ち合わせていないのか聞き入れなかった。菅氏はその後も、23年9月2日の正式退陣まで秒読み段階の8月29日になって、唐突に朝鮮学校への高校授業料無償化適用手続きの再開を指示するなど、立つ鳥が跡を濁し続けた。
これに比べると、遅きに失したにしろ、舛添氏の今回の決断はまだましだったと言えよう。少なくとも首相退任後の10月、東日本大震災の被災地や仮設住宅ではなく、趣味の四国霊場八十八カ所を巡るお遍路を「延命寺」から再開した菅氏よりは理解できる。
そこで舛添氏には、曹洞宗を開いた道元の次の言葉を贈りたい。
「花は愛(あい)惜(じゃく)に散り、草は棄(き)嫌(げん)におふるのみなり」
花は惜しまれても散ってしまい、雑草は嫌われつつも生い茂る。本来は、人間の都合で善しあしや自然の摂理を決められるものではないという意味だろうが、一般的には花は惜しまれるうちに散るべきだという文脈で用いられている。
その方が多くの日本人の感性、美意識にそぐうからではないか。ここまで東京都民の信を失ってしまえば、政治的にはもはや事態は「是非に及ばず」なのである。「支持率が1%になっても辞めない」と言い放った菅氏と同じになりたくなければ、できるだけきれいに去った方がいい。
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