MSCI先進指数また白紙…政府の性急さが問題=韓国

MSCI先進指数また白紙…政府の性急さが問題=韓国

2016年06月16日09時56分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  韓国証券市場のMSCI(モルガン・スタンレーキャピタルインターナショナル)先進指数への編入がまた失敗に終わった。政府の全方向的な努力が面目を失うように候補群の選定段階で早目に脱落した。MSCIは15日に発表した例年の証券市場分類で、韓国を先進指数観察対象国リストに上げなかった。先進指数編入のためには先に観察対象国に登録された後1年間の検証を受けなければならない。これに伴い「来年中に先進指数編入確定」という目標も失敗に終わった。

  MSCIは、FTSE(フィナンシャルタイムズストックエクスチェンジ)指数とともに世界ファンドが投資基準とする代表指数だ。韓国証券市場はFTSEには先進指数に編入されているが、より影響力が大きいMSCIでは新興指数に編入されている。この指数に追従するファンドはMSCI指数で韓国証券市場が占める割合と同じぐらい韓国株式を買い入れる。政府は韓国証券市場が新興指数で先進指数に移れば長期投資型の資金が流入して証券市場の体質が良くなると期待していた。政府が先進指数観察対象国の登録を今年の主な目標にして全力投球してきた理由だ。

  しかし結果は残念なものだった。MSCIは「ウォンの両替性が十分に改善されず、投資に困難が存在する。韓国政府が出した案が2017年まで大きな効果を上げるのも難しく思われる」と脱落理由を明らかにした。政府はMSCIの要求事項に対して最小限の措置を取って「誠意」を見せた後、中長期的に隙間を狭めるという戦略を取ったが受け入れられなかった。

  MSCI側の要求事項の核心部分はウォンの両替性の改善だった。具体的には外国人投資者がいつでも簡単に資金をウォンに両替して投資できるよう24時間両替が可能な域外両替市場を開いてほしいという注文だった。輸出入の割合が高い経済特性上、外国為替市場の安定を至上課題としている政府は難色を示した。政府は午前9時~午後3時である外国為替市場の取引時間を午後3時30分まで30分延ばすのにとどまった。「韓国取引所の相場情報を使えるようにしてほしい」というMSCI側の要求も「取引所との交渉を通じて解決する」と拒否した。外国人の統合口座を導入して投資便宜性を高めたが、それだけでは不十分だった。

  今後の見通しも明るくない。チョン・ウンボ金融委員会副委員長はこの日「短期間内にMSCI先進指数編入が実現することは容易ではないだろう」と話した。

  政府戦略と態度に対する物足りなさを示す声が少なくない。ビン・キボム明智(ミョンジ)大学経済学科教授は「韓国政府が長期的にウォンの両替性を改善すると言ったが、いつどのようにするという具体的内容がなくて抽象的な立場表明レベルでとどまった」として「取引所ではなく政府が主導したことも外国人の立場としては官僚支配の金融構造と受け止めただろう」と話した。ビン教授は「大統領と公務員が業績を重ねる用途として事案に対応していたという印象もある」と付け加えた。イ・ジョンウIBK投資証券リサーチセンター長は「国際的な評価を受けてどこかの機構に入ることを経済先進化の証明書のように考えているが、これは間違い」としながら「MSCIは民間業者にすぎないのに国家機関が総動員してすがりつくのは適切でない」と話した。

  その上、中国本土A株(内国人専用)のMSCI新興指数編入が共に失敗に終わって政府は一息つくことになった。これに先立ち市場では中国A株が韓国と同じ新興指数に編入される場合、新興指数内の韓国の割合が低くなって数兆ウォンの資金が韓国市場から離れるという見通しが出ていた。
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