【瀋陽=中川孝之】北朝鮮が6月上旬から、中国各地で運営するレストランで、主要客である韓国人駐在員や観光客の出入りを禁止し始めた。

 中国では4月以降、北朝鮮レストラン2店から計16人の女性従業員らが脱出。いずれも韓国人の脱北支援者らの手引きで韓国入りしており、脱走事件の再発を防ぐ狙いとみられる。

 中朝関係筋によると、中国にある約100店のうち、北京や遼寧省丹東など主要都市の店が一斉に韓国人の来店を拒み始めた。丹東では、入店後に韓国人とわかった客から従業員がメニューを取り上げ、口論になる騒ぎも起きた。北朝鮮本国からの指示があったとみられるという。

 瀋陽の主要店の従業員は14日、本紙に「しばらく前から韓国人の来店は断っている。これは規則だ」と話した。瀋陽の一部の店では、休日には従業員らが2人1組で外出できたが、現在では外出禁止になるなど監視が強化された。