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 「私のバットで大記録を達成してもらい、お祝いとともに感謝します」。岐阜県養老町のスポーツ用品製造会社「ミズノテクニクス」で、イチロー選手のバットを作る名和(なわ)民夫さん(49)は快挙を喜んだ。

 名和さんがイチロー選手のバットを手がけ始めたのは2008年。その年の1月、本人から「相当の覚悟を持って仕事に当たって下さい」と言われたことを鮮明に覚えている。

 日本で1年目のシーズンを終えた1992年秋以降、イチロー選手のバットは同社の久保田五十一(いそかず)さん(73)が作り続けた。「ヒット・キング」とされるピート・ローズさん、ロッテや中日などで活躍した落合博満さんを始め、日米の名選手に信頼された名工だ。