韓国監査院(会計検査院に相当)は15日、政府系金融機関から出資を受けている大宇造船海洋に関する監査資料を発表した。それによると、5兆ウォンを超える多額の損失隠しをしていた大宇造船海洋は、予想通りに腐りきっていた。経営陣は法外な安値による受注で業績を水増しし、乱脈経営を隠すために1兆5000億ウォンを超える粉飾会計もいとわなかった。互助サービス会社など不明朗な子会社を17社も傘下に置いていた。経営陣も労組も会社が傾くことにお構いなしで、「成果給」の大盤振る舞いを繰り広げた。また、大宇造船海洋の大株主、主債権金融機関として、監視役でなければならない韓国産業銀行は目をつぶり、一度もまともな監督・管理がなされなかった。
政府関係者は「世界2位の造船会社がこれまで腐っていたとは知らなかった」と驚いた。大宇造船海洋は大宇グループ解体以降、2000年からは産業銀の子会社になったが、産業銀のいい加減な監督で事実上オーナー不在の状態が続いた。監査院は昨年10-12月、大宇造船海洋に出資する産業銀と韓国輸出入銀行など政府系金融機関の管理実態に関する監査を実施したもので、31の問題点を指摘した。
監査結果によると、産業銀は出資先の粉飾会計を摘発するため、2006年に「財務理想値分析システム」を設置したが、大宇造船海洋の財務状況を分析していなかった。監査院が同システムを利用し、13~14年の大宇造船海洋の財務状況を調べたところ、危険ランクは最高の5等級(特別管理対象)に該当した。その分析に基づき、当時の業績を再算出したところ、2年間で8785億ウォン(約797億円)の黒字とされた業績が実際は6557億ウォン(約595億円)の赤字だったことが判明した。政府関係者は「産業銀が大宇造船海洋の財務状態の分析を怠ったため、経営破たんに早期対応するチャンスを逸した」と指摘した。