「とある魔術の禁書目録」「ソードアート・オンライン」「灼眼のシャナ」「魔法科高校の劣等生」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」といったアスキー・メディアワークスの電撃文庫から刊行されてきた大人気小説たち。
電撃文庫はいわゆるライトノベルを出版しているレーベルである。
これらのラノベはたった一人の編集者・三木一馬の手によって生み出された。
担当作の発行累計6000万部を超えた驚異の手腕とその方法が本人の口から惜しみなく明かされる。
著者曰く、企業秘密を同業他社に暴露している愚行かもしれないとか。
大人気ライトノベルが生み出されるまでの「裏話」を覗き見できる一冊となっている。
「面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録」のここが面白い
すごすぎるラインナップ
「とある魔術の禁書目録」1580万部、「ソードアート・オンライン」1130万部、「灼眼のシャナ」860万部、「魔法科高校の劣等生」675万部、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」500万部、「アクセル・ワールド」435万部...。
ライトノベルやアニメが好きな人なら一度は聞いたことがある有名作ばかりであるが、電撃文庫から刊行されたこれらの小説は全て一人の編集の手で生み出された。
この本では、これらを生み出されるまでの過程やそのノウハウが惜しみなく明かされる。
鎌池和馬の伝説
この本では人気作を生み出すための秘訣だけでなく、上にあげた全ての小説が生み出されるまでの実話やそれぞれの作品の作家の話しも書かれている。
例えば、「とある魔術の禁書目録」の作者・鎌池和馬の伝説の一部は以下の通り。
「鎌池さん、まさかとは思いますが……いまそこに原稿ってあります?」
「いえ、ないですけど」
「(一瞬、絶句)え、でも僕が修正の お願いで各ページで細かく指摘してること、全部理解されてますよね?手元に原稿なくて大丈夫なんですか?」
「全部頭の中に入ってる んで大丈夫です」
鎌池さん、あなたインデックスじゃないんだから……。
(出典:『面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録』)
これ以外にも、様々な作品の裏話、制作秘話が書かれているので読んだことのある人にとっては嬉しく楽しい内容となっている。
ライトノベルってどう作られているんだろう?と興味のある人にも面白い内容となっている。
終わりに
というわけで、『面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録』を紹介した。
ライトノベルの制作方法や人気小説、作家の裏話などが書かれている。
編集者にはもちろん、これから小説家を目指す人にとってもかなり勉強になる内容だと思う。
電撃文庫の「とある編集」に興味のある人にはおすすめの本となっている。