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【福島原発事故】

損傷の排気筒解体へ 福島第一 上半分、3年後めど

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 東京電力福島第一原発にそびえる排気筒のうち、特に損傷が目立つ1、2号機の間にある一基(高さ約百二十メートル)が、三年後をめどに上半分だけ撤去されることになった。東電は「地震や津波が再来した時に備え、リスクを減らすため」と説明している。

 東電が超望遠カメラで撮影するなどして調べたところ、排気筒のほぼ真ん中の高さ約六十六メートル付近で、煙突を支える骨組み接合部など約十カ所で破断や変形が見つかった。事故発生当初に1号機で原子炉内の汚染蒸気を逃がすベント(排気)が実施されたこともあり、煙突内やつながる配管内は高濃度に汚染されている。

 廃炉作業の邪魔になることから、損傷の多い鉄塔中央を含む高さ五十五メートルから上部を、遠隔操作で解体する方針を決めた。下部は汚染がひどく、当面は解体しない。解体に必要な重機などはまだ開発が終わっておらず、解体が終わるまで三年ほどかかる見通しだ。

 排気筒が損傷した原因について、古びた鉄塔が東日本大震災の強い揺れで損傷したことも考えられるが、東電は「(事故発生二日目に起きた)1号機の水素爆発の爆風や、その後の余震の影響によるもの」と強調する。原因はよく分かっていない。 (荒井六貴)

 

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