機密情報漏えいで捜査 事務所技術者を逮捕
【ローマ福島良典】スイス検察の報道官は15日、「パナマ文書」の漏えい元となったパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」の告訴を受け、機密情報の漏えい事件として捜査を始めたことを認めた。ただ、詳細は明らかにしなかった。スイス紙ルタン(電子版)は同日、モサック・フォンセカのジュネーブ支所のIT技術者がスイス検察に逮捕され、身柄を拘束されていると報じた。
弁護士によると、技術者は容疑を否認している。技術者がパナマ文書の漏えいにどのように関与していたかが捜査の焦点だ。
モサック・フォンセカは4月3日にパナマ文書が明るみに出た後、「国外のサーバーからハッキングを受けた」としてパナマ検察当局に被害届を出していた。
ルタン紙によると、技術者にはデータ窃盗、情報システムへの不正アクセス、背任などの疑いがかけられている。スイス検察当局がジュネーブ支所を捜索し、コンピューターなどの関連物品を押収したという。
パナマ文書は各国指導者の租税回避地との関わりを暴き、世界に波紋を広げた。南ドイツ新聞に文書を持ち込んだ情報提供者「ジョン・ドウ」の素性は明らかになっていない。