「macOS Sierra」を使ってみた第一印象:パソコンでSiriを使うということは...
ようこそSierra。
先日行なわれた、Appleによる開発者向けカンファレンス「WWDC 2016」にて発表された新OS「macOS X Sierra」。わかりやすい特徴としては、ネーミングが一新されたことと、デジタルアシスタントのSiri対応になったことでしょう。
本リリースは今秋を予定していますが、開発者向けベータ版のmacOS 10.12は発表後から公開になっています。米GizmodoのNield記者が、早速インストールし1日使ってレビューしました。あくまでも開発者向けのベータ版、1日レビューの「第一印象」ですけれど、さてその感想は…。
最も注目すべき点は、やはりSiri機能の追加でしょう。「Windows 10」にCortana機能が追加されたのと同じく、Appleの新オペレーティングシステムも、デスクトップから直でヴァーチャルアシスタントと会話ができる。iPhoneではなく、デスクトップ(ラップトップ)からSiriと話したいかどうかは個人差があるとしても、Siri on macOSは、けっこう使えると感じました。全体的にみれば、うまいこと組み込まれていて、正確で、設定も簡単。
Siriの居場所はメニューバーかドック。又は、非表示にしておいてキーボードショートカット(Fn+Space)で発動でもオーケー。Siriの音声認識は、一般的な質問やウェブ検索ならば実用的レベルでスムーズ。iOS端末でSiriを使ったことがある人ならば、macOSでのSiriもなんの問題なくすぐに使えるでしょうね。
デスクトップ上で最も役立つだろうSiriの活用方法は、特定のファイルを探したいとき。Spotlightが音声認識すると考えるとイメージしやすいです。メニューバーまたはドックのSiriアイコンをクリックし、Siriに話しかけるだけでいい。「明日の天気は?」というような質問でも、「ボリュームあげて」「画面の明るさ下げて」という命令コマンドでもいいのです。
1日のレビューで、たいていの質問、コマンドは問題なかったといえます。しかし、一字一句の正確性が必要なちょっと変わった名前のファイルの検索は、SpotlightやFinderのほうが早い。
ウェブやファイル検索の結果は、通知パネルにピン(メモ)しておけます。一見便利そうですが、かえってデスクトップがごちゃついてしまうのでイマイチ。今後、本リリースで長く使う上で、便利な使い方がでてくるかもしれないですがね。
このほか、Siriは、地図から行き方を検索する、メールを書く、iTunesから特定の曲(またはプレイリスト)を再生する、環境設定を変更する、はたまたWiFi設定を変えるなんてことまでこなします。ここまで幅広いタスクをこなせるSiriだけに、使っていてちょっと微妙に感じるのが、Siriに話しかける際は、まずアイコンの1クリックが発生するということ。常にオンで聞いてくれるというモードは今のところありません。「Hey Siri!」と声を出せば、ポケットのiPhoneのSiriは反応してくれるのに、目の前のデスクトップのSiriは無反応。少々違和感あり。
macOS Sierraはまだ開発者向けベータ版なので、これからアプリへのSiri対応がもっと進むとは思うが、すでに使えるものもあります。たとえば、iTunesでは再生や停止がSiriによって可能。もちろん、サードパーティーのアプリがSiri対応するのは、現段階では初期すぎてまだ無理。これからの広がりに、おおいに期待したいですね。
デスクトップでSiriを使う懸念点としては、オフィスやカフェで、パソコンに向って話しかけるのはちょっとなぁということ。周りがザワザワしているからって、大声でコマンドだすのも嫌だしなぁと。Windows 10のCortanaと違い、Siriには文字ベースで質問するためのテキストボックスがない。まぁ、これにSpotlightが該当するといえばそれまでですがね。
これがたったの1日使ってみただけの感想だということは断わりつつ、既存の方法よりもSiriのほうが格別に上手く仕事をこなすというタスクがあるかといえば…、ないですね。モバイル端末で感じるほど、音声認識がデスクトップには向いていないのかもしれない…。繰り返していいますが、長く使っていく上で、こういう使い方が便利というのがでてくるのかもしれないですが。
Siri以外の新機能で特筆すべきなのは、まずはiCloud。自動でデスクトップ&ドキュメントフォルダにある全てをダウンロード&同期してくれます。これは、iCloudの設定でオン/オフ切り換えが可能。デスクトップにあれこれファイルをためてしまうタイプの人ならば、けっこう助かる機能のはず。このとき、忘れちゃいけないのはiCloudの容量。デスクトップファイルに見合う容量がなければ役に立たない。使える機能だと思えば、iCloudのプランアップデートも悪くないでしょう。
iCloudには、新たにストレージ最適化の機能もあります。たとえば、古くて頻繁にはアクセスしないファイルをクラウドに保存して、デスクトップ=ローカルに空き容量を確保するというやり方も。これもiCloudで設定可能。残念ながら、レビューに使ったMacBook Proは容量たっぷりで、この機能は試せませんでした。設定や同期がわかりやすいことを願います。
OS全体としては、El Capitanから大きく変化したところはありません。見た目がほぼ一緒なので...。アップグレードに気づかない人もいるかもしれないレベル。オプションやメニューは同じ位置で、アプリも大きな変化はないです。その中で、Apple Musicは大きなデザインチェンジだといえるでしょう。よりクリーンでクリアなインターフェースは大きな改善点。
WWDCのデモでもさんざん使っていましたが、「Picture-in-Picture」機能はやはり使い勝手がいいですね。たとえば、Vimeoから動画をスナップして、ほかのウィンドウをごちゃつかせることなく隅で再生させつつ、作業ができます。この機能を使うには、Safariのタブを裏で開いておかないといけないのですが、機能全体の便利さと比べればそれくらいなんてことないと思えます。頻繁に使いそうな気がしますね。ただ、現段階で対応しているのはVimeoのみ。YouTubeやその他の動画は、やってみましたがスナップできず...。
ウィンドウといえば、ウィンドウの代わりにタブを使うというアプローチも良い点。いまのところは、地図アプリなど少数のAppleアプリでしか使えませんが、今後対応が拡大していくでしょう。ひとつのウィンドウ内であれこれすむのは楽。もちろん、マルチウィンドウ派の人のため、それもオプションとして残っています。
新機能のひとつである「Universal Clipboard」は、試すことができませんでした。Appleがまだベータ版に組み込んでないのか、こちらが使い方がわからなかっただけなのか。これ以外にも、「Auto-Unlock」機能も見当たらず、試せずにおわりました。
レビューする端末にもよるとは思いますが、僕のレビューでは、Sierraベータ版はバッテリー問題はなかったですが、安定性がイマイチ。ただこれはOSそのものというよりも、各アプリの対応が追いついていないだけかと。
7月にパブリックベータ版が公開されるころには、より安定で正確なソフトウェアになっているでしょうが、あくまでもベータ版。開発者向けベータ版とともに、インストールする人は自己責任で。
やはり、Sierraの大きなアップデートはSiri対応。レビュー中にNield記者が繰り返し口にしていますが、これからじっくり使っていくことでデスクトップSiriの真の姿がわかってくると思います。使える有能アシスタントなのか、デスクトップには向かないヤツなのか…。
David Nield - Gizmodo US[原文]
(そうこ)
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