サッカー欧州選手権 厳重警戒のフランスで開幕

サッカー欧州選手権 厳重警戒のフランスで開幕
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去年2度のテロ事件が起きたフランスで10日、サッカーのヨーロッパ選手権が開幕し、試合会場などでは厳重な警備態勢が敷かれました。
24か国の代表が優勝を争うサッカーのヨーロッパ選手権は4年に1度開催されるヨーロッパで最大級のスポーツイベントで、10日、フランスで開幕しました。

開幕戦となったフランス対ルーマニアの試合が行われたパリ近郊のスタジアム周辺は、去年11月の同時テロ事件で死傷者が出た現場で、銃で武装した警察の部隊が周囲を巡回していたほか、観客の手荷物検査や身体検査が行われていました。フランス人の観客の男性は「厳重な警備が行われているほうが試合を安全に楽しめます」と話していました。

また、パリ中心部に設けられたファンゾーンと呼ばれるパブリック・ビューイングの会場でも多くの警察官が巡回するなど監視の目を光らせていたほか、46台の監視カメラが設置されるなど厳重な警備態勢が敷かれていました。

フランスでは来月10日までの大会期間中、10都市の試合会場に合わせて250万人の観客が訪れるほか、各都市に設けられるパブリック・ビューイングには最大で800万人に上るサッカーファンが集まると予想されています。フランス政府は同時テロ事件のあと出した非常事態宣言を大会に合わせて来月末まで延長していて、警察官や軍の兵士など10万人以上を動員して警戒にあたることにしています。

「ファンゾーン」でも厳戒態勢

サッカーのヨーロッパ選手権は、来月10日までの1か月間、フランス国内の10都市で合わせて51の試合が行われ、それぞれの開催地では、ファンゾーンと呼ばれるパブリック・ビューイングの会場が設けられます。

これについて、スポーツイベントなどでの治安対策に詳しいフランス国際関係戦略研究所のキャロル・ゴメスさんは、「ファンゾーンは誰もが入ることができる開かれた場所で、危険物が持ち込まれる可能性もある」と述べ、スタジアムだけでなく多くのサッカーファンが集まる場所でも十分な警戒が必要だと指摘しました。

フランス政府は、大会期間中、軍や警察に加えて民間の警備会社も動員して試合会場とともにファンゾーンでも厳戒態勢をとる方針です。

日本の外務省は、フランスでは依然としてテロの脅威が極めて高いレベルにあるとして、試合会場やファンゾーンと呼ばれるパブリック・ビューイングの会場などには不必要に近づかないよう呼びかけています。