IS制圧のモスル イラク政府軍「年内の奪還可能」

IS制圧のモスル イラク政府軍「年内の奪還可能」
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過激派組織IS=イスラミックステートが2年前に制圧したイラク第2の都市モスルについて、政府軍は早ければ年内の奪還も可能だとして、周辺で部隊を増強しており、ISを弱体化させ壊滅につなげられるのか節目を迎えています。
過激派組織ISは2年前の6月10日、イラク北部にあるモスルを制圧して、隣国シリアにまたがる広い地域に勢力を拡大しました。
モスルを含むニナワ県の作戦を指揮するイラク政府軍のナジム・ジュブリ司令官は、NHKのインタビューに対し、政府軍は装甲車や武器などを新たに北部の前線に送り込んで部隊を増強しているとして、「ことしの末か、来年の最初の数か月でニナワ県を完全にISから解放することができる」という見通しを明らかにしました。そのうえで、現在、政府軍が進めている中部の都市ファルージャの奪還作戦について、「成功すればISの戦意は喪失し、モスル奪還に向けて優位になるだろう」と述べ、今後の鍵を握るとの考えを示しました。
また、ISのシリア側の拠点であるラッカに対しても、アメリカが主導する有志連合の支援を受けたクルド人などの部隊と、ロシア軍の支援を受けたシリア政府軍が攻勢をかけるなど「IS包囲網」が各地で狭まっています。
ただ、ISは自爆攻撃や化学兵器で反撃しているほか、各地で住民をいわゆる「人間の盾」にしていることが作戦の大きな妨げになっていて、このままISを弱体化させ、壊滅につなげられるのか節目を迎えています。