8月1日(金)               大阪府寝屋川市
10:00ぐらいに目が覚める。仕度をして、電車を乗り継いで新大阪駅へ。
そこから15分ほど歩く。
夏の日差しが照りつけ、緑の少ない住宅地に不自然なほどうるさいセミ。
やってきたのは交通警察官屋。
そう、今日はこの前の酒気帯び運転と青空駐車の処理を受けにやってきたのだ。

中に入ると、がっくりと肩を落とした人たちが並んだベンチに腰掛けてる。

西側の壁にあるドア中から話し声が聞こえてくる。
「えー、30kmオーバーねー。」
「この酒気帯び運転の時どれくらい飲んでましたー?」


ここは9万円以上の罰金がつく違反をした人がやってくるところ。
検察庁って所だ。

ここで略式裁判と呼ばれる簡単な裁判をして、罰金を決めるわけだ。

「金丸文武さーん、7番のドアから入ってくださーい。」

中に入ると、両側に仕切りのついた机が並んでいて、そこで1対1で話をしている。
「はい、金丸さんねー、違反をした夜のことをねー、よく思い出して質問に答えてくださいねー。あの時はどれくらいお酒飲んでたんですかー?」
「チューハイ350mlを1本です。」
「・・・・どれくらいの時間まで飲んでましたー?」
「20:30くらいまでです。」
・・・・・・うそついてますね。はい、わかりました。今の話は私何も聴いてません。だからもう1回聴くから正直に答えてや。2本飲まへんかった?
「だから1本しか飲んでないですよ!」
「いや、だからね。金丸さんの体重でチューハイ1本でこの0.17っていう数値出そう思うたらね、フーセンふくらます直前まで飲んでなあかんの。そういうグラフがちゃんとあるんやわ。ほらこれね。だから、私はまだ何も聴いてへんから、正直に言うてや。せっかくこっちは簡単に終わらそう思うてんのやからな。」
「2本飲みました。」
1発で嘘がバレてしまった。
でも別に1本飲もうが10本飲もうが、数値で罰金は決まるらしいので、バレてもどうこうなるわけではなかったけど。

その後、いろいろ取調べを受けてから罰金確定。
酒気帯び20万、青空駐車5万。・・・かなしすぎる。
金は7日までに払わないといけないらしく、払わないでほっといたら1日5000円で労働刑務所みたいなのに入れられるらしい。
点数とか免停とかの話はここではしてくれないらしく、後で通知が来るらしいのだ。
もし免停になったら、っていうかなるんだけど、そうなったら免許を取ったとこ、つまり宮崎の免許センターで講習を受けないといけないらしい。どうしよう・・・。

帰りに免許証を返してくれたのはいいけど、それでもガックリしながらまたセミのうるさい道を歩く。にじむ汗。電車に乗る。

守口で降りて、Jフォンショップへ。
新しいケータイはまだ金がないから買えないまでも、中のメモリが取り出せるかと解約手続きをする。
解約は無事できたものの、やっぱりメモリは取り出せないらしい。はぁ〜・・・

たくさんの出会いがまた切れまくってしまった。
ケータイで撮ったたくさんの写真も全部消えたし・・・。
なんてこった。
はぁ〜・・・ため息出すぎ・・・。





   8月2日(土)               大阪府寝屋川市
昨日のあれからの出来事。

明日はどこかな、と配置を見に会社へ。夜20:00。
みんな仕事を終え、食堂はガヤガヤ。一応今日の現場の職長、Mさんに今日の報告をしに行った。

食堂に入ると、この前萱島祭りに一緒に行ったHさんが俺の肩をつかんで外に引っ張った。
「ちょっとコンビニ付き合えや。」

2人で駅前のローソンまで歩く。
「お前、辞めるらしいな。」
「え・・・あっはい・・」
「そうか。ホンマ辞めるんか。もうちょいおれや。
実は昨日な、うちのアニキのKさんと社長の所に行ったんや。お前をくださいってな。まだ班決まってへんやろ?お前ようやるからアニキもお前を欲しい言うてての、そんで部長連中とばして直接社長のとこ行ったんやわ。ほしたら、お前は日本一周しとるから班は決められんよーにしとるって言うやないか。」


Hさんの班は、うちの会社の伝説の部隊「白虎隊」の班。
白虎隊とは、簡単に言うと、特攻隊みたいな集団。
仕事のデキるやつしか入れないとこで凄まじく厳しく、うちの会社の中でもみんなから恐れられてる人たちばっかり。
今の白虎隊の生き残りは、ほとんどが班長クラス。最近は若いのがいないみたいだ。
まじかよ・・・と思いつつも、その肩書きに少し惹かれた。

「まぁええわ。今度は寝屋川祭りがあるからな。一緒に行こうや。」




   8月3日(日)               大阪府寝屋川市
仕事帰り、車の中で聴いているラジオで知った南港のイベントへ。

ATC(アジア太平洋トレードセンター)というくそデカいショッピングモールの周辺で数々のイベントが行われていた。
キダムの巨大なテント。
ローライダーショーでは、ド派手なアメ車たちがハイドロで飛びはね、サマーソニックっていう野外フェスでは数々の有名外国人ロックバンドが爆音を響かせている。

でも全部有料。金ないよ・・。

でもそんな中、俺が目をつけていたのは、ATCの中にあるちょっと小さめの野外ステージであるサリナ・ジョーンズというジャズシンガーの無料ライブ。
すごく有名な人らしいんだけど、ジャズは全然知らないので、聴いたこともない。
でも金のない俺にはそこしか行くとこもなく、ステージを探して歩き回る。まるで迷路。人めちゃくちゃいる。
野外フェスならではのこの雰囲気。みんなすごく楽しそう。俺は一人ぼっちで歩き回る。

やっとこさステージを見つけた頃には18:00。

夏の日差しを浴びた太陽はオレンジ色に変わり、人々の海に傾く。
18:00から始まったライブ。周りに座っているのはシャレた格好のおじさん、おばさん、家族連れ。サマーソニックの会場のほうにいたロック好きたちとは打って変わって上品ぶった人たち。

そこに現れたサリナ・ジョーンズ。黒人の女の人。
世界を代表するジャズ・バラードのシンガーらしく、どんな歌をきかせてくれるのかと思ってると、これがまたイイ感じのまったりとした音楽。
歌めっちゃうまい。

周りの上品ぶった人たちは軽く頷いたりしながら、以下にも「楽しんでますオーラ」を出そうとしている。ん〜ジャズとゴルフは教養のある大人のたしなみと勘違いしてる人がこの中にどんくらいいるんだろ。

すっかり夜空になり、アンコールに答えてくれるサリナ。
「Do you wanna swing??」
「Yeah〜!!!」
1曲歌い、最後の曲。静かなピアノで始まる。


「♪When you down and trouble〜」


「イェ〜〜〜〜!」
思わず声が出てしまった。
ジャズらしいアレンジで全然わかんなかったけど、この歌い出しでわかんないわけがない!!
上品ぶった人たちにはわかんなかっただろうな。キャロル・キングの『You've Got A Friend』。
「♪・・・・・・I'm came running・・・To see you again!!!」

ライブ会場を後にし、生ぬるい人工の夜風に吹かれ、歩く。
開発があまり進んでないのか、無駄にだだっ広い荒涼とした埋立地の上に、ポツンポツンと建物が黒くそびえ立つ。
鉄骨だけの現場が淋しく月明かりに浮かぶ。
彼方に見える大阪の街明かり。
あのでかい観覧車には今どんな人が乗っているの。
街明かりの上にさっきからはじけているのは、十三の淀川花火大会。ほんの小さい花にしか見えないその花火がすごくすごく綺麗だった。


仲良しホストMさんにケータイが壊れたことを報告しようとミナミへ。
相変わらずの街並みの道頓堀のアサヒビールの看板の横には、タイガースのマジック数が電光掲示板に表示されている。
見た顔の家出少女たちや、キャッチの人たち。
リコーダーおじさんは相変わらずタイガースのユニフォームで、うちわに今日のタイガースの試合結果をマジックで書きなぐっている。


俺の勤めてたホストクラブ「T」へ。
誰かいるかなぁとドアを押す。ガタンガタン。
あれ?閉まってる。なんで?必ずいつも誰かいるのに?
頭にとっさに浮かんだ。もしかして・・つぶれた?うそだろ??
潰れるってことはMさんとも切れてしまうってこと。それだけは嫌だ。
大阪最高の出会いが消えてしまうなんて。


とりあえず今日のところはおとなしく帰った。
ケータイ必要すぎる。




   8月4日(月)             大阪府寝屋川市


仕事。



   8月5日(火)               大阪府寝屋川市


仕事。



   8月6日(水)              大阪府寝屋川市


仕事。




   8月7日(木)                大阪府寝屋川市


狂ったように仕事。



   8月8日(金)                大阪府寝屋川市
最近ずっと早出。

時給1500円だから、だいぶ稼いでる。
ガリガリ君が当たった。



   8月9日(土)                大阪府寝屋川市
普通に仕事。

日記に書けるようなこと思いつきません。すみません。



   8月10日(日)               大阪府寝屋川市
今日は大掃除の日。

くそあちーなか、寝不足の寝ぼけまなこをこすって草抜き。
昼に終わり、部屋で「いいとも」観てると、いきなり、Uさんと悪んぼNくんが入ってきた。
「何しとるーん。飲まへん?」

っというわけで、昼間っからビール。
「ナンパ行くぞ!!ナンパ!!」
ノリノリのUさん。ハァ〜・・・。

仕方なく萱島駅へ。
こんな昼間っからナンパなんてひっかかるかよ・・・ってひっかかるし!!

2人組を捕まえたUさん。こっちは3人。俺は4人の後ろをついて行き、カラオケへ。
一応盛り上げようと、ギャンギャン盛り上げてやってると、夕方。Uさんの部屋へ。
ビール買ってきて5人で飲む。
しばらくすると、悪んぼNくんがかわいい方といちゃつき始めた。俺は気分が悪くなり、フローリングにゴロンと横になる。

「はっ!!」
目が覚めると、真っ暗。部屋にはUさんがベッドで寝てるだけ。あいたたた・・・・

何も言わずに部屋を出て自分の部屋へ。バクスイ。


                                    次の日へ