ジョディ・フォスターさん 新作映画で描いた”格差“と”怒り“
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先週末から公開中の映画「マネーモンスター」。ジョディ・フォスターさんの監督4作目となる作品です。ウォール街を舞台に描くサスペンス映画で、現代アメリカの貧富の格差が、重要なテーマとなっています。今月はじめ、ジョディ・フォスターさんが、NHKのスタジオを訪れ、映画の見どころを話してくださいました。
「今回の作品はこれまで私が監督したものとは、大きく異なります。でも人間関係や心理的な駆け引きもしっかりと描かれています」(ジョディさん)
全米高視聴率の財テク番組「マネーモンスター」。ジョージ・クルーニー演じるリー・ゲイツは、その派手なパフォーマンスと巧みな話術で人気の司会者。ウォール街の魔術師と呼ばれています。
しかし、番組の生放送中に不審な男が。犯人は、番組が薦めた株を買ったものの、その株が大暴落。全財産を失ってしまったという若者でした。
犯人は、視聴者に対して訴えます。
「俺は銃を持っているが、本当の悪党はこいつらだ。俺からすべてを奪い知らん顔。誰も問いたださない」。
犯人とともに株の大暴落の原因の真相を追うことになるリー。生中継で真実が明らかにされます。なぜ株取引の映画を作ることに興味をもったのか。ジョディさんは次のように語りました。
「金融の世界がおもしろいと思ったのはメディア、そして最新のテクノロジーについても描けると思ったからです」。「金融システムはあまりに複雑に設計されているため素人には理解できないようになっています。ルールを理解し、システムを制御できる1%の人たちだけがこのシステムの恩恵を受けているのです」。
1%の富裕層と残りの99%の人たちとの格差。犯人はここから抜け出すことのできない若者でした。親の遺産をすべて株式投資で失い、経済的破綻というプレッシャーに押しつぶされてしまっていました。
犯人の若者は今の社会を象徴する役どころなのか?。
ジョディさんの答えです。
「カイルのように人生で置かれている状況に怒りを感じている人は今のアメリカには多いと思います。特に若者たちは『自分たちは正しいことをし、努力し、税金を払い、両親の面倒を見ているのに、全く報われていない』と言っています。アメリカは怒りを抱えているのです。その怒りはすぐに世界に広がっていくと思います」。
ジョディさんは、今、アメリカ大統領選挙にもこうした怒りが影を落としているといいます。
「今の選挙の過程にも間違いなく彼らの怒りが反映されていると思います。そうした怒りは人種差別のような問題につながる危険をはらんでいます。行き場のない怒りは誰かに向けるしかない。私たちは、社会や政治の問題に対してあまりに無関心です。ですが、怒りを感じています。映画監督としての私の役割は真実を表現することです。答えを示しているとは思いませんが今の私たちの姿を描いたつもりです」
全米高視聴率の財テク番組「マネーモンスター」。ジョージ・クルーニー演じるリー・ゲイツは、その派手なパフォーマンスと巧みな話術で人気の司会者。ウォール街の魔術師と呼ばれています。
しかし、番組の生放送中に不審な男が。犯人は、番組が薦めた株を買ったものの、その株が大暴落。全財産を失ってしまったという若者でした。
犯人は、視聴者に対して訴えます。
「俺は銃を持っているが、本当の悪党はこいつらだ。俺からすべてを奪い知らん顔。誰も問いたださない」。
犯人とともに株の大暴落の原因の真相を追うことになるリー。生中継で真実が明らかにされます。なぜ株取引の映画を作ることに興味をもったのか。ジョディさんは次のように語りました。
「金融の世界がおもしろいと思ったのはメディア、そして最新のテクノロジーについても描けると思ったからです」。「金融システムはあまりに複雑に設計されているため素人には理解できないようになっています。ルールを理解し、システムを制御できる1%の人たちだけがこのシステムの恩恵を受けているのです」。
1%の富裕層と残りの99%の人たちとの格差。犯人はここから抜け出すことのできない若者でした。親の遺産をすべて株式投資で失い、経済的破綻というプレッシャーに押しつぶされてしまっていました。
犯人の若者は今の社会を象徴する役どころなのか?。
ジョディさんの答えです。
「カイルのように人生で置かれている状況に怒りを感じている人は今のアメリカには多いと思います。特に若者たちは『自分たちは正しいことをし、努力し、税金を払い、両親の面倒を見ているのに、全く報われていない』と言っています。アメリカは怒りを抱えているのです。その怒りはすぐに世界に広がっていくと思います」。
ジョディさんは、今、アメリカ大統領選挙にもこうした怒りが影を落としているといいます。
「今の選挙の過程にも間違いなく彼らの怒りが反映されていると思います。そうした怒りは人種差別のような問題につながる危険をはらんでいます。行き場のない怒りは誰かに向けるしかない。私たちは、社会や政治の問題に対してあまりに無関心です。ですが、怒りを感じています。映画監督としての私の役割は真実を表現することです。答えを示しているとは思いませんが今の私たちの姿を描いたつもりです」