神道の葬儀にはじめて参列することになったら、確認しておきたい基本知識と作法まとめ

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日本の葬儀の90%は仏式といわれますがそんななかで、パーセンテージは少ないですが、神道の葬儀もあります。
神道と仏式との一番の違いは、死後についての考え方です。

マナーの面でも、数珠も不要ですし香典袋の書き方についても仏式とは違ってきます。
そうした神道の葬儀にいざ参列するとなると、戸惑うことも多いでしょう。

そこで、神道の基本知識や葬儀の流れ、列席した時のマナーなどについて紹介します。いざというときのために、一読しておくことをオススメします。

1.神道の由来

引用元:http://www.mhiranoya.co.jp/saidan-shintou.html

引用元:http://www.mhiranoya.co.jp/saidan-shintou.html

1-1.神道とは?

神道とは、森羅万象(しんらばんしょう)は神々によって生み出され、すべての自然には神が宿るとされる多神教の事で、動物や植物それに岩とか木までも神聖なものとしてあがめるアニミズム的な宗教と言われています。
その歴史は古く、縄文時代の遺跡からも呪術的な意味を持っていたと推測できる遺物が発見されています。

神道は、日本の古代から現代に続く民族宗教であり、その原点は、日本人の自然観と先祖崇拝の念がその中核をなしていると言われます。

仏式では、成仏して仏様になるのですが、神道の葬儀では亡くなった故人は、神々の住む世界に行き子孫を見守る守護神となるための儀式という意味あいを持っています。

そのため、お悔やみの言葉も言いませんし、お線香も焚かず、代わりに「玉串幇間」という儀式をします。
これは、紙垂(しで)を結んだ榊の枝を捧げる儀式です。
祭壇も異なり、神道の葬儀・神葬祭に使用される神具も独特なものです。

1-2.神道の歴史 

古代の日本では、各地において儀式をつかさどる占い師がいて、地方ごとに季節の祭りや超自然的な存在への畏敬をつかさどってきました。

それらが、日本の神々の降臨伝説がつながり、神道は、人々の日常生活と密接な関係を持つ日本の信仰形態で、古の時代から現代に至るまで日常的に続いています。

お正月の初詣や、七五三、初参り、厄除け、交通事故除けなど現在でも、日本人の風俗習慣に色濃く信仰されている状態です。

1-3.神道の死生観

神道においては「人はみな神の子であり、神のはからいによって母の胎内に宿り、この世に生まれ、この世の役割を終えると神々の住む世界へ帰り、子孫たちを見守るもの」と考えるのです。

神道の葬儀「神葬祭」は亡くなった故人に、家の守護神となってもらうための儀式です。
また、神道において、死とは穢れであるため、神の鎮まる聖域である神社で葬儀が行われることはありません。

2.仏式葬儀と神式葬儀との根本的違いとは?

引用元:http://onlinemlmbiz.web.fc2.com/mlm-ranking.html

引用元:http://onlinemlmbiz.web.fc2.com/mlm-ranking.html

仏式葬儀と神道の葬儀では、根本的に違いがあるため、その違いについてご紹介します。


2-1.神道では故人は、子孫の守護神になる

<仏教>

仏教では仏教の葬儀では、故人を極楽浄土に送り出すために行われ、故人は極楽浄土へ行き、仏さまの元で安らかに暮らすと言われています。つまり、仏式では、仏に帰依することになります。

<神道>

神式では、故人は亡くなった後、神々の世界へ帰り子孫を見守るものとして祭られます。

そうした宗教感ですから、神道の葬儀・神葬祭では、故人の御霊をその家にとどめて守護神になってもらうための儀式をするということになります。
ただ、墓石に「○○家先祖代々之墓」と刻まれているような先祖崇拝の墓は、もともとは、神道の考えに由来している名残りなのです。

2-2.線香は使わず、玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行う

仏式の場合、葬儀においては焼香をし霊前には線香を立てますが、神葬祭では焼香や線香を用いることはありません

神葬祭においてこれに当たるものは、玉串奉奠(たまぐしほうてん)というものが該当します。
玉串とは、榊(さかき)の枝に紙で作った紙垂(しで)というものを麻で結んで垂らしたもので、これは、「たましいのくし」という意味を持ち、人の魂と神様の魂を一つに結ぶ串という考え方があります。

人の心と神様の心と一つに結ぶという意味が込められ、「玉串奉奠」という儀式には、目に見えない神の心と人の心の結びつきを、目に見える形として表わしていることになります。
玉串奉奠には榊の枝が使用されますが、杉とか樫などの常緑樹を使うこともあります。

2-3.霊璽(れいじ)に魂を移す

故人の御霊を白木の霊璽(れいじ)に遷す儀式も、仏式葬儀にはないものでしょう。
霊璽とは、仏教における位牌のようなものです。

この霊璽へ斎主が故人の御霊を遺体から移す儀式は、通夜祭の夜執り行われます。
灯りを消した暗闇で、ドロドロという太鼓の音に合わせて取り行われる儀式なのです。
そして、このとき、霊璽にはおくり名が記入され、仮御霊舎に安置されます。
火葬の前に、魂をちゃんと霊璽に移しておくのですが、こうしたことは、仏式ではまったくない儀式です。

2-4.神棚封じ

神道のお葬式では、人が亡くなると、神棚封じというものを行います。
というのも、神道では死は穢れに通じるため、その穢れを神棚に入れないためです。
神棚と祖霊舎に帰幽奉告の儀にて亡くなったことを報告し、神棚に白い紙を貼りますが、これが神棚封じです。

神棚封じをしている間は、神棚の扉を閉じておき、お供えなどもせず礼拝もしません。
この白い紙を取り去るのは忌明け後です。
五十日祭で忌明けとすることが多いため、その当日か、もしくは翌日に「清祓いの儀」を取り行った後、白い紙を取ります。

こうしたことの根拠としては、神式では、亡くなって五十日経つまで魂は「荒ぶる神」であると考えられているからだと言われています。
50日という期間を掛けて、故人が落ち着き真の守護神になるのを待つ意味もあります。

2-4.戒名ではなく諡号(おくりな)が贈られる!

仏教のように、仏の弟子になるという考え方が神道にはないため、神道の葬儀には、戒名という文化はありません。
けれど、家を守る守護神になるということから、神道では、諡号(おくりな)ということになります。

位牌にあたる霊璽(れいじ)やお墓にあたる奥津城(おくつき)に名前を刻むときには、必ず諡号を加えることになっています。
神葬祭では、年齢・性別で区別するのみですから、仏教の葬儀における戒名料がかかることはありません。
成人した 男性は「大人命(うしのみこと)」、女性は「刀自命(とじのみこと)」などとつけられます。

3.帰幽(きゆう)奉告の儀から通夜祭について

引用元:http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/comment/20100406

引用元:http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/comment/20100406

こうした基本的神道の心を理解していただいた上で、実際人が亡くなった瞬間から納棺、通夜祭り、葬儀祭、火葬祭と続く神道の葬儀の流れを見ていくにしましょう。

3-1.帰幽奉告の儀

神道では、死去したことを「帰幽」(きゆう)と言います。

人が亡くなると、初めに帰幽奉告を行います。
これは神官が故人の死を、産土の神と幽世の神へ報告する儀式です。神棚や祖霊舎に「○○○○が帰幽いたしました」と報告し、その後、神棚や祖霊舎(みたまや)の扉を閉めて、白い紙を貼ります。
祖霊舎(みたまや)とは、仏式の仏壇に該当するもので、檜製で一般に仏壇より簡素です。

3-2.枕直しの儀

遺体には、白の小袖を着せ、白たびを履かせます。
そして、白地の上下の布団に北枕にして寝かせ、顔には白い布をかけます。

本来は白の小袖を着せることになっているのですが、最近では、故人が生前気に入っていた衣服を着せて、白い小袖をかけるというやり方が多くなってきました。

3-3.案を置き供物を供える

寝かせた遺体の前には、脚が八本ある白木の「案」というものを置き、その上に供物などを供えます。
お神酒や故人が好きだった食べ物、小皿に盛った水、洗ったお米、塩をなどを供え、両側には榊の枝葉を供えます。

脇には、対の灯明を立て、案の中央に三方(三方に穴のあいた木製の器)を置き、守り刀は、盆にのせて置きます。
この時刃を遺体に向けないようにする注意が必要です。こうして、枕直しの儀が整いました。

3-4.納棺の儀

枕直しの儀が終わると、続いて納棺の儀を行います。

納棺の儀とは、通夜祭の前に遺体を棺へと納める儀式です。
本来は神職を招いて行うものですが、最近は、葬儀社の人の手助けにて、遺族の手で行っているのが一般的になってきました。遺体を棺に入れたら、蓋をして白い布でおおい拝礼します。

3-5.柩前日供(きゅうぜんにっく)をする

納棺が済みましたら、出棺までの間、柩前日供(きゅうぜんにっく)の儀を行います。

これは 毎朝、夕の1日2回、洗米や水、塩などを新しく替えてお供えするのです。
その折には、遺族は、二礼二拍手一礼の拝礼します。
この時の柏手はもちろん忍び手で、音は出さずに打ちます。柏手の忍び手は、忌明けの亡くなった日から50日続きます。

4.通夜祭について

引用元:http://www.osohshiki.jp/column/article/105/

引用元:http://www.osohshiki.jp/column/article/105/

通夜祭は、仏式でのお通夜にあたります。
儀式を司る斎主、祭員、喪主、親族など参列者は「手水の儀」で身を清めて祭壇前に着席してから、儀式は始まります。

4-1.手水の儀で身を清めてから通夜祭が始まる!

通夜祭は、仏式でのお通夜にあたります。
儀式を司る斎主、祭員、喪主、親族など参列者は「手水の儀」で身を清めて祭壇前に着席してから、儀式は始まります。

具体的には、斎主が祭司を唱え、喪主、遺族、親族の順に 玉串奉奠(たまぐしほうかん)を行います。
この玉串奉奠は前述しましたが、榊の枝に紙垂(しで)をつけたものですが、これを故人の祭壇に捧げる儀式です。(このやり方は、マナーのコーナーで詳述しましょう。)

4-2.遷霊祭(せんれいさい)とは?

通夜祭の後には、遷霊祭が行われます。
これは、故人の御霊を白木の霊璽(れいじ)に遷す儀式です。

故人の霊を斎主により遺体から霊璽へ御魂が移され、御魂移しの儀は、灯りを消して暗闇の中で遷霊の詞を奏上しながら行います。
霊璽には霊号、おくり名が記入され、それは、一旦仮御霊舎に安置されます。

4-3.玉串奉告の儀

斎主が祭詞(さいし)を奏上している間、遺族は玉串を捧げて故人へのお参りをします。

4-4.直会(なおらい)の儀

通夜祭のあとは、直会(なおらい)の儀を行います。
これは、仏式の通夜でのぶるまいにあたり、親戚や弔問客に食事を振舞い、通夜祭はお開きとなります。

5.「葬場祭」の流れ

引用元:http://www.kumin-saijou.com/_information/2014/02/post-60.html

引用元:http://www.kumin-saijou.com/_information/2014/02/post-60.html

通夜祭が終わった後は、神葬祭に進みます。
葬場祭の場合は、死という穢れの部分を清めるという目的や、 故人の霊を慰めるという目的もあります。

他にも故人は、神々の世界に行き、先祖の守護神という存在になり子孫を見守るという役割を担います。
これは、仏式の葬儀・告別式に当たり、故人に対し最後の別れを告げる神葬祭最大の儀式ということが言えるでしょう。

5-1.準備

まず、斎場の回りに忌竹(いみだけ)を立てます。
これは、不浄を防ぐために行う行為です。
清める場所に葉のついた青竹を立てしめ縄を張り、白布や幌を張ります。

こうして、清めた空間の祭壇中央に棺を安置し遺影を飾ります。
灯火を立て、榊の枝木や生花を柩の前面や左右にたくさん並べます。
八本の足を持つ「案」の上には榊の枝、いろいろな供物は木製の「三方」に盛られています。

それでは、神葬祭の流れを見てみましょう。

5-2.手水(ちょうず)の儀について

斎場に入る前には、参列者は身を清めます。
これを「手水の儀」と呼びます。
ひしゃくで 水をすくい、左手、右手を清め、 続けて左手に水を受けて口をそそぎます。
これは、神社 などに訪れる時にも行うものです。(実際のやり方については、マナーの所で詳述しましょう)

ただし、入り口にひしゃくが置いてあり、実際には行わな という場合もあります。
斎場や個人の家では、その設備がないケースもあるからです。

5-2.斎主(神職者)入場

あらかじめ列席者は着席して、斎主の入場を待ちます。
斎主が入場してきますと、参列者は、一礼して迎えます。

5-3.開式の辞

司会者により、葬場祭の始まりが告げられます。

5-4.修祓の儀

斎主によって、葬場祭の会場、棺、供物、参列者すべてを祓い清めます。
この間、参列者は起立して、頭を下げてお祓いを受けます。

5-5.献饌(けんせん)・奉幣(ほうへい)の儀

斎員が、神饌(食べ物)と幣帛(食べ物以外の供物)を供えます。
幣帛は、かつては農耕具や布などでした。現在では赤い木綿や絹の生地を備えます。

その器には、穴のあいた木の器「三方」が使用されます。
この時、場合によっては、楽員による雅楽が奏でられるケースもあります。

5-6. 祝詞(のりと)・誄詞(るいし) 奏上

斎主が祭壇前で故人の足跡や人柄を盛り込んだ言葉を唱えます。
故人の死を悼み、故人 の足跡や人柄を盛り込み、故人の霊を尊び、守護神となることを祈ります。

この間、参列の全員は起立し、頭を下げてその祝詞を聞きます。

5-7.弔電の拝読

参列できない人々から届いた弔電を、司会者が読み上げます。

5-8.玉串奉奠

榊の枝に四つ折りの紙を付けた玉串を祭壇に捧げます。

最初に斎主が玉串を捧げ、続けて、喪主、遺族、親族の順に捧げます。
玉串を捧げたあとは、忍び手により、二礼二拍手一礼を行います。
忍び手とは、手を打つ手前で止めて音を出さない拍手のことです。

5-9.撤饌(てつせん)・撤幣(てつへい)の儀

玉串奉奠が一巡しましたら、献饌(けんせん)・奉幣(ほうへい)の儀で神前に捧げていた供物を下げます。
献上した供え物をすべて下げましたら、斎主が退出します。
この時、参列者全員が斎主を見送り一礼します。

5-10.遺族代表の挨拶と閉式の辞

遺族の挨拶がされ、司会者により葬場祭が終了することが告げられます。
この後、一般会葬者の玉串奉奠が行われることもあります。

以上が、神道の儀式の流れとなります。
ここにおいて、参列者として深く関わりを持ってくる作法は「手水の儀(ちょうずのぎ)」と「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」ですが、これは、マナーの部分で詳述しましょう。

6.火葬祭について

引用元:6.火葬祭について<

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「葬場祭」が終了すると、斎場を後にし霊柩車やバスで火葬場へ移動します。
火葬場が併設されている斎場の場合は、移動は徒歩でできるでしょう。

6-1.火葬場での儀式

火葬場に着くと、遺体を火葬する前に行う儀式が「火葬祭」です。
火葬場が到着すると、火葬場の係員が、炉の前に棺を移し安置してくれます。

神饌や葬祭具などを備え、準備を整えます。
斎主によって奏上をしている間、ここでも喪主、遺族、親族の順に玉串奉奠を行います。
一巡りしたら拝礼し儀式は終了します。

棺は係員によってかまどの中に納められ、遺体は火葬に付されます。

6-2.火葬祭の「心付け」

心付け(こころづけ)とは、火葬係員や霊柩車などの運転手さん等に渡すチップのようなものです。
チップですから本来は、故人を丁寧に扱ってくれたお礼の気持ちで渡されるものです。

神道の葬儀でも火葬という意味合いでは仏式の葬儀と変わりありませんから、この「心付け」の問題は気になるところでしょう。

それぞれの関係性によっても額も微妙に変わってくるでしょうし、それぞれの条件化での気持ちですから、いくらという額は出せません。
ただ、この位の範囲で考えて頂ければいいのではないかと、参考となる数字を目安として掲載してみました。

霊柩車の運転手          3,000~5,000円
マイクロバスの運転手   2,000~5,000円
火葬場の炉係       3,000~5,000円
接待などの火葬場職員    2,000~3,000円
休憩室接待係            2,000~3,000円
手伝ってくれた近所の人  2,000~3,000円

上記はあくまで目安となるのでその点はご注意ください。

ただし、最近では、公営施設として運営されている火葬場とか斎場の職員は、公務員扱いなので心付けは原則禁止となっているようなので家族の間でどうすか話し合うことをオススメします。

6-3.埋葬祭

火葬された遺骨は埋葬する儀式が行われます。

墓の四方に竹を立ててしめ縄で周辺を囲み遺骨を埋葬します。
墓に納骨し、銘旗や花を供えます。銘旗とは、故人の氏名や職名などを記した旗です。この間、祭詞が奏上され、遺族は拝礼を行います。

仏式では、火葬したら遺骨を持ち帰り、初七日の法要の後にお浄めの食事をして納骨は四十九日忌など後日に行われますが、神道は火葬したらすぐに納骨をするのが習わしです。

しかし、最近では、時代の流れとともに埋葬祭の当日ではなく、忌明けの五十日祭で納骨を行なうケースが増えてきています。
一年祭の際に、埋葬するというケースも珍しいことではありません。

6-3.帰家祭および直会について

火葬あるいは埋葬を終えて自宅へ戻ると、ます、塩や手水で祓い清めて霊前に葬儀の終了を奉告します。
この折、神職やお世話になった人を招いて、労をねぎらうために直会(なおらい)という宴を開きます。
これで、一応、神道の葬儀は終了となります。

6-4.その後の霊前際について

♦翌日祭   葬儀の翌日
♦十日祭   帰幽から10日目に実施
♦五十日祭  忌明けまで
♦百日祭   100日目に
♦一年祭   亡くなってから一年後

神式では、葬儀が終わると、翌日祭、十日祭、五十日祭と忌明けまで霊祭を行います。

十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭と続き、 五十日祭にて忌明けとなります。
五十日祭の翌日に清祓いを行って霊璽を祖霊舎に移します。これで忌明けとなります。

葬儀の翌日には「翌日祭」があるのが本来でしたが、 最近では身内だけで簡単に済ませたり、行わないことが多い傾向にあります。
また、三十日祭、四十日祭は省略されることが増えています。

霊祭のときには、故人の好きだったものを墓前に供えてお参りします。
簡略化しても、仮霊舎へのお供物と拝礼は、欠かさないようにしましょう。お米やお神酒、塩、水などは、毎日取り換えるようにします。

♦十日祭

自宅の仮霊舎前にて行います。親族や友人、知人などを集め、 神職を招いて、献饌をし祭詞を奏上します。
遺族、親族の順に玉串奉奠をします。
その後、友人、知人、葬儀でお世話になった方々も招いて、お食事でおもてなしをし故人をしのびながら語らいます。

♦五十日祭

五十日祭を持って忌明けとなる大切なお祭りです。
自宅ないし斎場で行います。十日祭のときのように、親族友人知人を招き、献饌や祝詞奏上、玉串奉奠を行います。
五十日祭までは、すべての拝礼は忍び手で行います。
終了後は、食事やお酒で参列者へのお礼をします。

6-5.清祓いの儀と合祀祭

清祓いの儀は、忌明けの翌日に行います。
仮霊舎のお祀りしていた故人の霊を、先祖をまつった祖霊舎に遷す儀式を行います。

手水の儀で清めた後、神職により祓詞を奏上します。
家の各部屋をお祓いした後に、神棚や御霊舎に貼った白い紙を取り除きます。

合祀とは、神様を他の神様とともにお祀りすることをいいますが、神式の葬儀では新しく神様となった故人を先祖の神と共に祭るために行うのが合祀祭なのです。

それまで、清祓いの儀、合祀祭共に、本来忌明け後に行うものですが、最近では忌明けの霊祭、すなわち五十日祭当日に合祀祭と共に行うことが多くなってきました。
合祀祭は一年祭のときに行う場合もあります。
一応、50日祭が終了した後、忌明けが終了し、故人は神となって子孫を守ってくれることになります。

7.神道葬儀における作法について

引用元:http://www.osohshiki.jp/column/article/105/

引用元:http://www.osohshiki.jp/column/article/105/

神道の葬儀では、仏式と作法も全く異なります。

その異なる作法として際立っているのは、「手水の作法」と「玉串奉奠」となります。
また、死後の世界に遺族の守護神となる故人の魂に対して哀悼の念を表明することもふさわしくありません。

ここはまったく仏式と異なった考え方をしますので、神式の葬儀に参加する場合は、その場で慌てないように心得ておきましょう。

7-1.手水の作法

・身を清めるために、手を洗い口をすすぎます。
・右手でひしゃくを持ち、水をくみます。
・くんだ水を左手にかけ、清めます。
・ひしゃくを左手に持ちかえて、右手に水をかけます。
・ひしゃくを再び右手に持ちかえ、左の手のひらに水を受け口をすすぎます。
・最後に左手にもう一度水をかけます。

7-2.神葬祭における玉串奉奠の作法

玉串奉奠(たまぐしほうてん)は、仏式で行われる焼香にあたります。

玉串と呼ばれる榊の枝葉を祭壇にお供えします。
玉串は、榊や杉などの常緑樹の小枝に、紙垂(しで)を付けたものです。

神様に敬意を表し、その威光を受けることを願って捧げます。
ここにも、独特のマナーがありますので、事前に自然にできるよう覚えておくと不安なく参列できるでしょう。

・自分の順番がきたら次の人に軽く会釈し、遺族、斎主に一礼します。
・玉串を受け取ります。この時、両手でキチッともらいましょう。両手でキチッともらいましょう。
・右が枝元、左に葉がくるように持ちます。この時、胸の高さを保ちます。
・左手で葉の部分を支えるように、玉串を縦の状態にします。
・左手をまた枝元に来るように持ちかえ90度ほど回転させます。これで、半回転させたことになります。
・枝元を祭壇の方に傾け供えます。
・遺影に向かって2回礼をし、音を立てず忍び手で二拍手、もう一度一礼します。
・後に下がり、終った後は斎主と遺族に一礼します。
・自分の席へと帰ります。

7-3.神道では挨拶も哀悼はなし!

神道では、死は悔やんだり悲しんだりするものではないため、悲しみの意味を持つ哀悼を述べるのはふさわしくありません。
「冥福」や「成仏」「供養」などという言葉は仏教用語ですので、神式の葬儀では使わないのがマナーです。

文例としては「ご供養させて下さい」とか「ご冥福を祈ります」とか「成仏しますように・・・」とかの言い方は仏教の言葉ですので、その使用には、充分ご注意ください。

♦「御霊(みたま)のご平安をお祈りいたします」
♦「拝礼させていただきます」
♦「このたびは、突然のことでございました」

こんな言い方で、哀悼に触れずさりげなく挨拶をしましょう。

8.服装のマナー

引用元:http://mc2.civillink.net/biz2/sogi.html

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神式お葬式の服装でも、仏式のお葬式と同じく喪服を着ます。

ただ、仏教で用いる「数珠」は持参する必要はありません。
仏教徒神道は死後の考え方が違うので、不必要なものなのです。

遺族の喪服の場合は、遺族や親族は正式礼装の喪服を着ます。

8-1.女性の正式礼装

(和装の場合)
・黒無地染め抜き 5つ紋付とします。紋は実家の紋か、もしくは婚家の紋を入れます。
・半襟と足袋は白です。
・帯と帯揚げ、帯締めなどは黒。
・バッグと草履は黒の布製にします。

(洋装の場合)
・黒無地のアンサンブルやスーツないしはワンピース。
(襟元が、広く開いていないものがいいでしょう。光沢のあるものでも止めた方がいいでしょう。)
・スカート丈は正座した時に、ひざが隠れる程度の長さが良いでしょう。
・ストッキングは、黒を着用しましょう。
・靴、バックなども黒としましょう。
・アクセサリーは結婚指輪と一連のパール程度にします。
・髪は低い位置でスッキリとまとめます。黒のリボン程度はつけても失礼にはあたらないでしょう。

8-2.男性の正式礼装

(和装の場合)
・黒羽二重染め抜き5つ紋付と羽織袴にします。
・襦袢の衿は羽二重で、白ないし灰色。
・足袋は白、草履は黒となります。

(洋装の場合)
・黒のモーニングに黒とグレーの縦じまのズボン。
(夜に行われる儀式では着用しません。)
・ネクタイは黒無地。
・通夜祭の際は、ブラックスーツを着用します。

8-3.子どもの服装

・中高生の場合は、制服が正式礼装となります。
(制服のボタンが金や銀色の場合は、黒に付け替えましょう。)
・制服がない場合などは、黒や紺の服装にしましょう。
・小学生や幼児の場合は、白いシャツなどに地味なズボンかスカートを選びましょう。
・靴は黒。靴下は白か黒にします。
・赤ちゃんの場合は、黒がなければ、飾りがなくシンプルな服装を選べば、失礼はないでしょう。

これらは遺族、親戚の場合です。
一般参列する場合は、通夜ならば、黒とは限らず紺色とかダークグレーのシンプルなものなら構わないでしょう。

9.御霊前の書き方

引用元:http://www.osohshiki.jp/column/article/39/

引用元:http://www.osohshiki.jp/column/article/39/

神式の葬儀ではお返しや御礼として渡すお香典の表書きが、仏式とは異なりますので注意が必要です。

まず、表書きはボールペンや鉛筆ではなく、毛筆ないしは筆ペンで、薄墨で書くようにします。

また、お返しやお香典を包むための袋やお供え物を包む場合には、蓮の花がついているものは仏教用ですから注意しましょう。
不祝儀袋は、無地ののし袋に 結び切りの白黒ないしは、双銀の水引。なければ、白封筒にしてしまっても構いません。

9-1.遺族側が用いる各お礼の表書き

・御霊前(お香典)の返しについては「志」とか「今日志」と書きます。
・五十日祭後のお返しに関しては、「偲び草」と書くこともあります。

9-2.神職へのお礼の表書き

・「御礼」とか「御祈祷料」と薄墨で書きます。
・「神式御霊前返し」「御礼神式御霊前返し」「御祈祷料」とも書くことができます。

 9-3.葬儀の手伝いをしてくれた方へのお礼の表書き

・「寸志」「志」とするのが一般的です。

9-4.参列者側が書く表書き

・神葬祭にてお金を包む時には、「御霊前」「御玉串料」と書きます。

・香典の袋にお金を包む時には、「御榊料」(おんさかきりょう)と書きます。
「御神饌料」(おんしんせんりょう)と書いても可。

9-5.香典の金額

参列時に持参する香典の金額は、仏式の葬儀との違いはありません。

・隣近所       3.000~5.000円
・友人・知人     5.000円
・友人・知人の家族  5.000円
・会社関係者     5.000円

以上の金額が目安です。後は、お気持ちでお包みください。

10.神葬祭の神道用具について

引用元:https://www.kurihara-chizan.co.jp/item_06.html

引用元:https://www.kurihara-chizan.co.jp/item_06.html

神道の祀るために使われる道具のことを神具と言います。
主に神葬祭に使用される神具について紹介します。

まったく、仏式とは異なっていますし、時に生卵とか生肉などが持ち込まれるときもあります。
また、食品によって、神様の等級があるようなので、そうした知識もないよりはあった方が、参列したときに安心ですね。

10-1.神棚

家の壁の上の方に作られた、神様をまつる場所です。
通常は東向きか、南向きに作られます。棚には白木で作られた宮形を置きます。

神社の本殿をまねてつくられたもので、 家庭では、一社造り、三社造りを置くことが多いです。
神棚には、しめなわを飾ります。稲の藁で作った縄に、四本の紙垂をさげたもので、神域と現世を分ける役割を持っているといわれます。

10-2.祖霊舎

故人や先祖の御霊をまつる場所です。
祖霊者の中には先祖の御霊が宿る霊璽をお祀りします。
神棚よりも低い位置に安置します。

新しい祖霊舎の場合には、五十日祭の際に神職にお祓いをしてもらいます。
お供えするものは、お米、塩、水、お神酒、榊などです。

10-3.霊璽(れいじ)

霊璽は、故人の御霊が宿る依り代のことです。
仏式でいう位牌にあたるものです。

この霊璽を祖霊舎に祀り、家の守護神として家を守ってもらうのです。
製品としては、白木でできているものが多くなります。

10-4.三方

神饌を載せるための台です。檜(ひのき)などでできた台で、盆の下に、胴がついています。
三方という呼び名は、台の三つの方向に穴が開いているからです。

10-5.真榊

真榊は、神事で用いる神道式の祭りの道具です。
祭壇の左右に立てます。五色の絹の幟とその先端に榊の枝を立てたもので、三種の神器を掛けておくものです。

10-6.玉串

榊の枝に、紙垂(しで)を付けたものです。 神道のさまざまな祭の際に、神職や参列者が神前に捧げます。神道葬祭でも、玉串奉奠(たまぐしほうてん)などがあります。

10-7.神饌

神道の祭壇には、神饌、幣帛(ほうけい)をお供えします。
供え方としては、「案」と呼ばれる白木の台の上に、三方を置きその上に置きます。

神饌は御神酒、洗ったお米、水、塩、お餅などの他に、野菜や乾物、果物、魚、卵、菓子どの食べ物のことをいいます。
故人が好んだ食べ物も供えます。

神道祭壇のお供え物の並べ方、神饌の並べ方には順番があります。
神様に近いところは、祭壇の高い方や中央の方また、神様から見て左側が序列が高くなります。

したがって、中央、左より、序列の高いものを並べていきます。序列は、米、酒、お餅、魚、乾物、 野菜、果物、塩、水という順番になります。
お酒は瓶子(へいし)と呼ばれる白い瓶の中に入れてお供えします。 米や塩は小皿に盛ります。

10-8.幣帛(ほうけい)

幣帛は、もともと衣服、紙、農耕具などを言いました。
近年では、布帛を幣帛とします。幣帛は、絹や木綿、麻でできたくすんだ赤地を用います
。これは、一種、さまざまな人間の文化を象徴しているのでしょう。

まとめ

神葬祭の場合は、死という穢れを清めるという目的や、先祖の神という存在になり子孫を見守る守護神として祭るという意味合いなどがあり、その趣旨や流れは、仏式の葬儀とは大部異なります。

もし、神式の葬儀を希望される方がいらっしゃるようでしたら、神職の方と色々と相談するといいでしょう。
90%が仏式の葬儀が多い中で、葬儀会社も、神式の葬儀はあまり扱わないケースも多いので、神道の葬儀を希望する場合は、そうした葬儀をよく執り行っている葬儀会社を探すことが必要になってきます。

神道の葬儀に列席する場合、事前習得しておいた方がいいのは「手水の儀」と「玉串奉奠」の作法でしょう。
それとご霊前の書き方、渡し方についての作法の知識があった方が安心ですね。

また、神道は死を哀悼的捉え方をしないので、ご供養とか「弔問」「冥福」「お悔やみ」という言葉などについても気を付けたほうがいいでしょう。

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