伊集院光、ヘイトスピーチでは主張を認めさせることはできないと指摘「憎悪に溢れたスピーチが良いわけがない」
2016.06.07 (Tue)
2016年6月6日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-金 8:30-11:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、ヘイトスピーチを巡る問題や対策法について、ヘイトスピーチでは主張を認めさせることはできず、そのような形ではなく、冷静に話し合うべきであると語っていた。
伊集院光:ちょっと、尚登さんにお訊きたいというか、尚登さんを交えて話したいのは、ヘイトスピーチ対策法ができまして。
中村尚登:ええ。
伊集院光:各地で、色んなことが起きていますね。この辺の事実関係というか、概要と言いますか…
中村尚登:昨日は、川崎市の中原区で、それまで在日コリアンへの差別的な言動、ヘイトスピーチを繰り返していた団体が、デモをやろうとしたんだけれども、数十人が集まったところに、反対派が数百人集まって。
伊集院光:ああ、凄いですね。
中村尚登:それを阻止した、と。それで、揉み合いになったりとかしたということで、警察側がこのままだと危険なことになるよ、と言って、団体側の方が「デモをやめます」ということになったんですね。
伊集院光:はい。
中村尚登:元々、このデモというのは、川崎市の川崎区にある在日コリアンの団体のところの事務所なんかを中心に、ここはそのヘイトスピーチを繰り返していたわけですね。今回も、そこでやろうという風に予定して、集会所なんか、公園なんかを使うように申請を出したんですが、これは、差別的な言動を繰り返していたという風なことで、この団体、在日コリアン側が「やめさせてくれ」というようなことで、横浜地裁の川崎支部に申し立てて、それでデモを禁止するというね仮処分が出ていたということなんですね。
伊集院光:うん。
中村尚登:それで、そこじゃできないということもあって、川崎市の方も「公園は使わせないよ」ということがあったんで、「じゃあ、中原区のところでデモをします」と。こちらは、道路使用許可になるわけですね、警察と。単にデモ行進をするというようなことであれば、道路の使用を許可というのをしないというわけにはいかないので、これは警察のほうも許可をした、と。
伊集院光:はい。
中村尚登:それでやろうとしていたんだけれども、実際、昨日のこういう揉み合いということになったということですね。
伊集院光:はい。
中村尚登:3日にこの対策法が施行されたばかりで、どちらかというと、川崎市が公園の使用許可を認めなかったとかというのも、このヘイトスピーチ対策法に基づいたもの、というようなことが言えるでしょうね。
伊集院光:止められた方からしてみると、凄く難しいのは「集会の自由とか、言論の自由みたいなところの兼ね合いはどうなのよ?」という話になるじゃないですか。
中村尚登:ええ。
伊集院光:でも、当然ヘイトスピーチ、憎悪に溢れた形のスピーチが良いわけがない。
中村尚登:はい。
伊集院光:それで、でもその言論の自由や集会の自由は、これ大事のところですけど、僕の中でその意見に賛成ということではないです。今回、止められた側の意見に全く賛成ということはありませんが、でも、色んな意見を言える自由はあるべきなんだと思います。
中村尚登:はい。
伊集院光:でも、「デモをする」ということの大本の一番の大事なところは、自分たちの主張を聞いてもらったり、通したかったりとすることならば、やっぱり、そのヘイトの成分をどれだけ取り除くか、どれだけ冷静に話せるかだと思う。
中村尚登:うん。
伊集院光:そうじゃないと、むしろ向かい風で、中立にいる人も、似た意見を持った人は、「ヘイトなんだ」と決め付けをしかねないし、
中村尚登:はい。
伊集院光:今後、その使用許可を与える側も、前例として多分、ヘイトの可能性があるから止めているのは確かなんだけれども、レッテルを貼られていく、もっと冷静に、もうちょっと緩めの主張をしている人も、同じ扱いを受けてったりすることがあると思うんですね。
安田美香:はい。
伊集院光:ちょっと話を広げ過ぎなんかもしれないけど、よく、たとえば僕なんかで言うと、舛添さんのあの問題の時にね、舛添さんのアカウントで、勝手に物を注文しちゃう人っていたじゃないですか。
安田美香:ああ。
伊集院光:それは、「舛添さんが許せないから」というのでやるのでしょう。やるんでしょうけど、あれをやることで、舛添さんに逃げ道を与えるだけのことです。要するに、「こういうことがあるから、しばらくちょっと調査をします」ということになっちゃうんです。
安田美香:うん。
伊集院光:だから、その大本のその人なりの、僕とはまた別の正義感みたいなものや、主張したいことみたいなのに対しても、僕はマイナスになることが多いと思うので、そこは多分、慎重にするべきだし。
中村尚登:ええ。
伊集院光:逆に言うと、さらにそこから反対する側からしても、まあ何でしょうね、難しいのはじゃあ、「帰れ!帰れ!」という怒号をあげちゃったりとか、「帰れ!」みたいなパネルを上げちゃうのは、やっぱり俺、違うと思うんだよね。そこは、なるべく話し合っていくべきだし、分かり合っていくべきだと考えると、ちゃんと話し合いを進めるためには、冷静であった方が良いとちょっと思いますね。
安田美香:はい。
伊集院光:でも、今後、結構色んなグレーゾーンのケースは出てくるでしょうね。
中村尚登:その都度、その都度対処ということになるでしょうね。
伊集院光:うん。
中村尚登:ヘイトスピーチ対策法にしても、罰則とか禁止規定とかというのはないわけですよね。
伊集院光:それはあまり強くやっちゃうと、結局、言論弾圧になるんじゃないということですもんね。
中村尚登:表現の自由に配慮して、ということなんですよね。だから、その対策法では、ヘイトスピーチというのは「差別的意識を助長する目的で、公然と生命や身体などに危害を加えると告知したり、著しく侮蔑したりするなど地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動」と。こういう規定にしているんですね。
伊集院光:うん、うん。
中村尚登:ですから、よほど「殺すぞ」とか「怪我をさせるぞ」とかっていうような脅しですよね。ある意味、こうなるとヘイトスピーチではなくて、脅迫罪ということも当然のごとく出てくるわけですよね。
伊集院光:うん。
中村尚登:だから、そういうようなところで、しかもなおかつ、それを排他的な、人種差別に繋がるような、そういう表現、というふうな形にしているわけですよね。だから今回も、確かにそういう良いこと/悪いこととはいうのは別としても、そういう行動、デモをやるということに関しては、警察は今回はデモ行進自体を、道路の使用許可を認めているわけですよね。
伊集院光:はい。
中村尚登:だから、そういうことがあって、本来認められるべき普通のデモもできなくなっちゃうという恐れがあるから、そのあたりというのは、きちんと判断して、やるべき方もね、やらないといけないということですよね。
伊集院光:そうですね。
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伊集院光:ちょっと、尚登さんにお訊きたいというか、尚登さんを交えて話したいのは、ヘイトスピーチ対策法ができまして。
中村尚登:ええ。
伊集院光:各地で、色んなことが起きていますね。この辺の事実関係というか、概要と言いますか…
中村尚登:昨日は、川崎市の中原区で、それまで在日コリアンへの差別的な言動、ヘイトスピーチを繰り返していた団体が、デモをやろうとしたんだけれども、数十人が集まったところに、反対派が数百人集まって。
伊集院光:ああ、凄いですね。
中村尚登:それを阻止した、と。それで、揉み合いになったりとかしたということで、警察側がこのままだと危険なことになるよ、と言って、団体側の方が「デモをやめます」ということになったんですね。
伊集院光:はい。
中村尚登:元々、このデモというのは、川崎市の川崎区にある在日コリアンの団体のところの事務所なんかを中心に、ここはそのヘイトスピーチを繰り返していたわけですね。今回も、そこでやろうという風に予定して、集会所なんか、公園なんかを使うように申請を出したんですが、これは、差別的な言動を繰り返していたという風なことで、この団体、在日コリアン側が「やめさせてくれ」というようなことで、横浜地裁の川崎支部に申し立てて、それでデモを禁止するというね仮処分が出ていたということなんですね。
伊集院光:うん。
中村尚登:それで、そこじゃできないということもあって、川崎市の方も「公園は使わせないよ」ということがあったんで、「じゃあ、中原区のところでデモをします」と。こちらは、道路使用許可になるわけですね、警察と。単にデモ行進をするというようなことであれば、道路の使用を許可というのをしないというわけにはいかないので、これは警察のほうも許可をした、と。
伊集院光:はい。
中村尚登:それでやろうとしていたんだけれども、実際、昨日のこういう揉み合いということになったということですね。
伊集院光:はい。
中村尚登:3日にこの対策法が施行されたばかりで、どちらかというと、川崎市が公園の使用許可を認めなかったとかというのも、このヘイトスピーチ対策法に基づいたもの、というようなことが言えるでしょうね。
伊集院光:止められた方からしてみると、凄く難しいのは「集会の自由とか、言論の自由みたいなところの兼ね合いはどうなのよ?」という話になるじゃないですか。
中村尚登:ええ。
伊集院光:でも、当然ヘイトスピーチ、憎悪に溢れた形のスピーチが良いわけがない。
中村尚登:はい。
伊集院光:それで、でもその言論の自由や集会の自由は、これ大事のところですけど、僕の中でその意見に賛成ということではないです。今回、止められた側の意見に全く賛成ということはありませんが、でも、色んな意見を言える自由はあるべきなんだと思います。
中村尚登:はい。
伊集院光:でも、「デモをする」ということの大本の一番の大事なところは、自分たちの主張を聞いてもらったり、通したかったりとすることならば、やっぱり、そのヘイトの成分をどれだけ取り除くか、どれだけ冷静に話せるかだと思う。
中村尚登:うん。
伊集院光:そうじゃないと、むしろ向かい風で、中立にいる人も、似た意見を持った人は、「ヘイトなんだ」と決め付けをしかねないし、
中村尚登:はい。
伊集院光:今後、その使用許可を与える側も、前例として多分、ヘイトの可能性があるから止めているのは確かなんだけれども、レッテルを貼られていく、もっと冷静に、もうちょっと緩めの主張をしている人も、同じ扱いを受けてったりすることがあると思うんですね。
安田美香:はい。
伊集院光:ちょっと話を広げ過ぎなんかもしれないけど、よく、たとえば僕なんかで言うと、舛添さんのあの問題の時にね、舛添さんのアカウントで、勝手に物を注文しちゃう人っていたじゃないですか。
安田美香:ああ。
伊集院光:それは、「舛添さんが許せないから」というのでやるのでしょう。やるんでしょうけど、あれをやることで、舛添さんに逃げ道を与えるだけのことです。要するに、「こういうことがあるから、しばらくちょっと調査をします」ということになっちゃうんです。
安田美香:うん。
伊集院光:だから、その大本のその人なりの、僕とはまた別の正義感みたいなものや、主張したいことみたいなのに対しても、僕はマイナスになることが多いと思うので、そこは多分、慎重にするべきだし。
中村尚登:ええ。
伊集院光:逆に言うと、さらにそこから反対する側からしても、まあ何でしょうね、難しいのはじゃあ、「帰れ!帰れ!」という怒号をあげちゃったりとか、「帰れ!」みたいなパネルを上げちゃうのは、やっぱり俺、違うと思うんだよね。そこは、なるべく話し合っていくべきだし、分かり合っていくべきだと考えると、ちゃんと話し合いを進めるためには、冷静であった方が良いとちょっと思いますね。
安田美香:はい。
伊集院光:でも、今後、結構色んなグレーゾーンのケースは出てくるでしょうね。
中村尚登:その都度、その都度対処ということになるでしょうね。
伊集院光:うん。
中村尚登:ヘイトスピーチ対策法にしても、罰則とか禁止規定とかというのはないわけですよね。
伊集院光:それはあまり強くやっちゃうと、結局、言論弾圧になるんじゃないということですもんね。
中村尚登:表現の自由に配慮して、ということなんですよね。だから、その対策法では、ヘイトスピーチというのは「差別的意識を助長する目的で、公然と生命や身体などに危害を加えると告知したり、著しく侮蔑したりするなど地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動」と。こういう規定にしているんですね。
伊集院光:うん、うん。
中村尚登:ですから、よほど「殺すぞ」とか「怪我をさせるぞ」とかっていうような脅しですよね。ある意味、こうなるとヘイトスピーチではなくて、脅迫罪ということも当然のごとく出てくるわけですよね。
伊集院光:うん。
中村尚登:だから、そういうようなところで、しかもなおかつ、それを排他的な、人種差別に繋がるような、そういう表現、というふうな形にしているわけですよね。だから今回も、確かにそういう良いこと/悪いこととはいうのは別としても、そういう行動、デモをやるということに関しては、警察は今回はデモ行進自体を、道路の使用許可を認めているわけですよね。
伊集院光:はい。
中村尚登:だから、そういうことがあって、本来認められるべき普通のデモもできなくなっちゃうという恐れがあるから、そのあたりというのは、きちんと判断して、やるべき方もね、やらないといけないということですよね。
伊集院光:そうですね。
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