5月29日(日) 放送
2007年、名古屋市の市バス運転手、山田明さんが焼身自殺しました。37歳でした。その真相を知りたいと両親が立ち上がります。すると山田さんが運転していないはずの車内で起きた転倒事故の責任を取らされ、警察に出頭させられていたことがわかりました。自殺を図ったのは、その翌日でした。
転倒した乗客との示談を急ぎ、事故の隠蔽をはかろうとする上司の動きに不信を抱いた両親は「自殺の背景には、職場での嫌がらせともいえるトラブルがあった」として公務災害を申請。それが却下されたため裁判に訴えましたが、一審判決は山田さんの「精神の脆弱性」が自殺の背景にあるとし「自ら死ぬほどのトラブルではなかった」と両親の訴えを退けたのです。
その判決に憤った両親は名古屋高裁に控訴します。再び法廷の場で争われた自殺の真相。
個人の問題なのか、それとも職場に問題があったのか。4月下旬に下された高裁判決の行方は果たして…。9年もの歳月が費やされた今回の問題。職場のパワーハラスメントが社会問題となる中、「精神の脆弱性」ということばで個人の資質の問題とした原判決は見直されるのでしょうか。番組は通常より10分延長して放送いたします。