【コラム】潘基文人気はバブルなのか

 このような形で調査が行われたにもかかわらず潘氏の支持率が下がったのは、同氏の大統領選に関する言動について、期待と同じくらい懸念や拒否感が高まったからだ。潘氏が与党から出馬するムードに傾きつつあることも、同氏にとってはチャンスでもあるが危機ともいえる。与党の総選挙敗北により、潘氏の党内での競争力は高まったが、大統領選挙本番での野党との争いは厳しさを増した。潘氏は昨年までは20-40代からの支持が50-60代より高かったが、今では20-40代からの支持が50-60代に比べ大幅に低くなっている。「あらゆる世代で人気が高く、コミュニケーションと統合に有利」という長所が弱まったわけだ。それでも、潘氏の人気を「バブル」と安易に見なすことはできない。大統領にふさわしい人物として、誰よりも安定したイメージを固めてきたからだ。メディアリサーチの調査によると「大統領になってほしい人」を尋ねるアンケートで、潘基文氏については国民の約半数(49%)が「大統領になってほしい」と答えたが、ライバル候補についてはいずれも20-30%台にとどまった。

 最近、潘氏と親廬派(故・廬武鉉〈ノ・ムヒョン〉大統領寄り)の座長格イ・ヘチャン元国務総理(首相)の会合が直前で中止になったが、大統領選を意識したような潘氏の動きをめぐり、雑音が急に大きくなった。今後も潘氏が勢力図の中心に立つための一歩を踏み出すたびに、さまざまな策略と挑戦が相次ぐだろう。潘氏が大小の「試験」をパスし、大統領選の有力候補としての地位を固めるのか現時点では分からない。しかし明らかなのは、せっかく手にした名声と評判にだけ頼っていては、支持がバブルのようにあっという間に消えるという事実だ。

洪永林(ホン・ヨンリム)世論調査チーム長
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