潘基文(パン・ギムン)国連事務総長に対する「待望論」が注目を集める一方で、潘氏の人気が一時的なものにすぎないという「バブル論」も聞こえてくるようになった。これまでの大統領選で、既成政党や政界と距離を置いてきた「第三の候補」たちは選挙戦の序盤で人気を集めても最終的に失敗してきた、というのが「バブル論」の根拠だ。2002年の鄭夢準(チョン・モンジュン)氏、07年の高健(コ・ゴン)氏、12年の安哲秀(アン・チョルス)氏がそのいい例だ。これらの候補者たちは、大統領選への出馬を決意し、足を踏み出した瞬間から支持率が下がり始めた。有権者らが望むのは、候補者たちの持っていた斬新な「イメージ」であり「その本人」を大統領として望んでいるわけではなかった、という分析も出ている。最近の世論調査結果によると、潘氏の好感度は以前ほど高くない。少し前に実施されたジ・オピニオンの調査では、今月初めの潘氏の韓国訪問について「大統領候補として当然だ」(44%)という意見と「国連事務総長という立場にふさわしくない」(44%)という意見が拮抗した。
ある新聞社は先週、自社の世論調査結果を発表し「潘基文氏の支持率(28%)が、大統領選への出馬を示唆して以降、急上昇して1位になった」と報じた。しかしこの新聞社の今年1月の調査結果と比べると、潘氏の支持率は35%から下がっていた。さらに、最近の調査は潘氏に有利なように設問が工夫されていたにもかかわらず、その効果が表れていなかった。1番から5番までの質問は「潘基文氏は出馬すると思うか」「潘基文氏のイメージは変わったか」「潘基文氏はどの政党から出馬するか」などだった。その上で「潘氏を含む12人の政治家の中で誰を大統領候補として支持するか」を尋ねていた。ほかの候補は名前が1回ずつしか登場しない一方で、潘基文氏の名前だけは5回も登場したのだから、このアンケートは回答者が自然と潘氏に注目するよう狙って作られたようなものだ。