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一部の専門家は、トランプ氏の新たな提案が1882年の中国人排斥法を彷彿(ほうふつ)させるという。同法は中国人労働者の流入を阻止するために長い間実施され、米国の移民史における汚点とみなされている。
だがトランプ氏の移民政策はそれを超えるものであり、国や地域だけでなく、宗教をも標的にしている。現代の歴代大統領が誰一人としてやらなかったことだ。
「これは、戦略ゲーム『フォートレスアメリカ』のような状況をつくり出し、跳ね橋を上げるようなばかげた提案だ」と、ブッシュ政権で法律顧問を務めたジョン・ベリンガー氏は語る。
オバマ大統領は14日、トランプ氏の新たな提案に対し、そのような考えは「危険な」考え方を示すものだとして批判した。
しかし米大統領は移民政策に関して幅広い自由裁量を持っており、一部の保守的な専門家は、禁止令の行方はトランプ氏がいかにその枠組みを狭く限定するかにかかっているとみている。
このような専門家は、1979年にイランで起きた米大使館人質事件のさなか、当時のカーター大統領(民主党)がイラン国籍を持つ人の米入国を禁止したことを例に挙げる。
「トランプ政権が、特定の宗教ではなく、特定の国からの移民受け入れを禁止するというなら、憲法に違反しないだろう」。こう語るのは、カリフォルニア大学バークレー校の法律学教授で、ジョージ・W・ブッシュ政権時の司法省に勤務し、テロ容疑者への尋問法について政権にアドバイスをした経歴を持つジョン・ユー氏だ。
また、アメリカン大学の法律学教授であるハーマン・シュワルツ氏は、もしトランプ氏がイスラム教徒の移民受け入れを一時停止するという自身の提案に固執するのであれば、それは憲法上、重大な問題が生じることになると指摘。「法的事実を扱う能力の欠如を露呈する」と語った。
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