パワードスーツを着た、病気の少年を描くSF短編「James」
少年は火星を目指す。
骨に疾患を抱えているため、装具を着けて生活するジェームズは、家庭にも学校にも居場所がありません。孤独を癒やしてくれるのはアクションフィギュアと色鮮やかな空想だけ。そんな少年が想像する、もう一つの世界を美しい映像で描いたSF短編「James」をご覧ください。
制作者のKyle McCauleyさんは、実写映像監督であると同時にアニメーターでもあります。実写、3DCG、2Dアニメ描写が融合した本作の映像は、彼にしか作れない新しい質感でしょう。
「子供の想像」であるという雰囲気を表現しながらも、非常にクールな出来のVFXは必見です。特に、AR描写と言うと映画「アイアンマン」のようなスタイリッシュなインターフェースが定番ですが、「James」のあえて解像度が低いARも存在感があります。
ジェームズ少年が抱える病気はペルテス病という、ももの付け根部分の骨が壊死してしまう小児疾患です。成長とともに骨は再生するものの、歩行障害などの原因となる変形を残さないために入院や装具による骨の位置の固定が必要になります。そして、装具なしの生活に戻るまでに数年はかかるのです。
母親は仕事を辞め、健康保険に加入していない家計の負担はさらに増す。装具のせいで学校でもいじめられ、家庭環境も悪化している……。ジェームズはそんな環境の中でパワードスーツを身にまとい、ひとり火星へと旅立つことを夢見たのでしょうか。皆さんは、物語の結末をどのようにご覧になりましたか?
なお、ジェームズは骨盤と大腿部のみを固定する装具を使っていますが、ペルテス病の治療ではさらに大きく動きを制限する装具を使う場合も多い模様。施設によって治療法やアプローチはさまざまなようですが、あいち小児保健医療総合センターのPDF資料がわかりやすく、この病気の基本的な理解に役立つと感じましたので、関心を持った方はホームページ上の「ペルテス病」というファイルを一読してみてください。
source: vimeo, Facebook, あいち小児保健医療総合センター
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