報告されたFLockerは、もともとはAndroidスマートフォンやタブレットを標的とするランサムウェアで、感染すると画面に警察などの法的執行機関を装ってユーザーが犯罪に関わっているかのような文言を表示し、"罰金"と称してユーザーに対し約1~2万円相当のiTunesギフトカードを要求してきます。
トレンドマイクロが解析したところでは、このランサムウェアは法務省を装った画面を表示しつつ、内蔵カメラがある場合はユーザーの写真を撮影、その画像データとシステムの識別情報や電話番号、位置情報などを特定の宛先へ送信するとのこと。またそれらの情報の一部を画面に表示し、ユーザーの不安を煽ります。
今回スマートテレビに感染したFLockerはスマートフォンなどを標的としたものとまったく同じもので、一般的な感染経路はスパムメールやウェブページの不正リンクなどとされます。ただ、それ以外にもインターネット上の動画や音楽を再生した時に感染するケースも確認されており、今回はメディアファイルを再生したことによって感染したものと考えられます。
なお、トレンドマイクロはFLcockerに感染した場合の対策としてメーカーに問い合わせる方法と、コマンドラインツールで削除する方法を紹介しています。また感染しないためには、Android向けのセキュリティ対策ソフトウェアを使用するよう呼びかけています。
今回の事例は主にAndroidスマートフォンやタブレットを標的としていたものが、たまたまスマートテレビでも動いてしまったというのが実情のようにも思えます。とはいえ、感染する可能性がある以上は、たとえスマートテレビでもセキュリティ対策が必要なことを知らせる事例と言えそうです。