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兵庫県弁護士会が18歳選挙権をテーマに開いた出前授業=兵庫県立須磨東高校
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兵庫県弁護士会が18歳選挙権をテーマに開いた出前授業=兵庫県立須磨東高校

 今夏の参院選から選挙権が18歳以上に拡大するのを受け、兵庫県内の高校から県弁護士会や県、市町選挙管理委員会に“出前授業”の依頼が急増している。主権者教育の充実が求められるなか、投票することの意義などについて専門家が社会問題を絡めながら説明。初めて選挙権を手にする生徒らの意識向上に、一役買っている。(有島弘記、上田勇紀)

 同弁護士会は、これまで「憲法」を中心に出前授業をしてきたが、2015年度から「選挙権」を追加。16年度は既に、15年度の倍以上となる13高校から申し込みがあった。担当者は「法律家の視点から主権者や参政権の意味を伝えたい」と話す。

 5月26日、神戸市須磨区の県立須磨東高校で、県弁護士会が3年生約320人に授業を行った。

 講師となった吉田維一(ただいち)弁護士(40)は、進学や就職を控えた生徒に身近な話題として、過度な労働を求めるブラックバイトやブラック企業の問題を説明。「生活に関わることが政治。変えるためには意思表示を」と呼び掛けた。

 生徒会長の松本美稀(みき)さん(17)は「選挙は大人のもの」というイメージがあったという。今回の参院選はまだ選挙権がないが、「自分の生活について決める重要な機会が来た時のために、投票先を考えていきたい」と話した。

 県や市町の各選管にも、選挙の仕組みや意義を伝える出前授業の依頼が相次ぎ、15年度は73校で実施。16年度は6月下旬までに45校で予定する。大半が高校からという。県選管の担当者は「予想以上の数」と話し、投票率の向上に期待する。

 県弁護士会は出前授業の希望校を募集中。対象は小中高校で、申し込みは開催の2カ月前まで。同弁護士会TEL078・341・7061。各選管も高校などから受け付けているが、選挙が予定されている場合、業務優先のため、投開票日の1カ月前から2週間後までは原則、実施しない。

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