東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。
世界遺産・ポンペイ展開催中

トップ > 東京 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

高校生 私たちが選ぶ 校則変更で投票、模擬選挙

賛成、反対に丸を付けて投票=港区の正則高校で

写真

◆港区・正則高生徒会 校則変更で投票

 正則高校(港区芝公園)で十三日、生徒会がコートの着用に関する校則変更について、全校生徒の意識を問う投票を始めた。十五日までで、生徒会は結果を検討し、変更が多数意見であれば学校側に要望する考え。 

 現行の校則では「学校指定のもの」とされている規定を、ある程度自由化するかが焦点。生徒は投票用紙の賛成か反対の欄に丸を付けて意思表示する。校則変更の可否は、最終的には投票結果や投票率などを勘案し、学校側が判断する。

 発端は数年前、生徒の中から「学校指定のコートは高くて買えない」との声が出たこと。生徒会の中には生徒総会を開いて変更を学校側に要望しようという意見もあったが、中央委員会副委員長の五十嵐悠真さん(17)と主事の片山諒さん(17)を中心に、意見集約がしやすいことや、今回の参院選から選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられることから、学習のためにも投票が妥当との意見が出され、実施することになったという。

 投票に使われる記載台も投票箱も区選挙管理委員会から借りた本物。こうした投票は、同校でも初めてといい、生徒会は投票率100%を目指し、校内にポスターを貼るなどして投票を呼び掛けている。委員長の清水(きよみず)悠理さん(17)は「私たちも近い将来選挙権を得る。投票を通じて、当事者意識を持ってほしい」と話した。 (荘加卓嗣)

候補者名を書いて投票する生徒たち=三鷹市の法政大高校で

写真

◆三鷹・法政大高 リアル模擬選挙、公報や設備再現

 主権者としての心構えや知識を身に付けてもらおうと、三鷹市牟礼の法政大学高校では「リアル模擬選挙」が行われ、3年生214人が参加した。

 5月中旬から準備をし、選挙公報や新聞を作成した。OBや弁護士ら4人が架空の候補者になり、ケーブルテレビ局で政見放送も収録。生徒は授業でその放送を見たり、各政策を吟味するグループ学習を続けたりしてきた。

 投票日の今月6日には、候補者が体育館の壇上で演説。「安保法案は戦争法案」「テロ撲滅のため国際社会に軍事的貢献を」など政策の違いを鮮明にした主張を行った。生徒からも「海外派兵の自衛隊は軍隊ではないのか」などの質問も出た。リアルに再現された校内の投票所で、生徒らが真剣な表情で投票した。

 須田華緒里さん(18)は「聞こえがいい言葉も、よく聞くと自分の考えと違っていた。参院選でもよく考えて投票したい」、國松公暁(ただあき)さん(18)は「国民の意見を反映するのが選挙だが、そのためには自分の意見が必要。もっといろいろなことを学びたい」と話した。

 授業では、選挙結果を受けての話し合いやリポート提出などに取り組んだ。社会科担当の石川秀和先生(39)は「実際の政治や選挙について考えるきっかけになればいいと思う」と語った。 (鈴木貴彦)

 

この記事を印刷する

PR情報