米銃乱射事件 国連が銃規制強化求める異例の声明

アメリカ南部フロリダ州の銃乱射事件を受けて、国連は新たな犠牲者を防ぐため、銃規制を強化するようアメリカ政府に求める異例の声明を出しました。
フロリダ州にあるナイトクラブで12日起きた銃の乱射事件では、49人が死亡、53人がけがをし、アメリカで起きた銃の乱射事件としては過去最悪となりました。
この事件を受けて、重大な人権侵害を防止するため各国政府との話し合いも担当している国連のゼイド・フセイン人権高等弁務官は14日、アメリカ政府に対し新たな犠牲者を防ぐため銃規制を強化するよう求める声明を発表しました。
声明では今回の事件について「不十分な銃規制の結果であり、防げたはずの暴力行為だ」としたうえで、「アメリカ政府は市民を守るための責務を果たすべきだ」としています。
さらに、ゼイド人権高等弁務官は「アメリカが銃の規制を強化する前に、どれほどの生徒や才能のある歌手などが犠牲にならなければならないのか」と疑問を投げかけるとともに、「偏見が犯罪に拍車をかけている」と指摘し、事件の背景にあるとみられる同性愛者に対する偏見も念頭にマイノリティーの人たちを銃犯罪から保護するために必要な措置を取るようアメリカ政府に求めています。
国連によりますと、人権高等弁務官が公式の声明でアメリカに銃規制の強化を求めたケースはほかに例がないとしています。