自民も不信任案提出 辞職応じず
東京都の舛添要一知事の政治資金支出などを巡る公私混同問題で、与党の自民、公明を含む都議会7会派全てと無所属議員2人は15日未明までに、舛添氏の不信任案を議会運営委員会に提出した。自民は舛添氏に自ら職を辞するよう促したが拒まれたため、不信任案提出に踏み切った。各会派は不信任案を一本化して定例会最終日の15日の本会議で可決する方針。舛添氏は可決を受けて都議会を解散する選択肢もあるが、改選後の再可決は必至だ。
都議会最大会派で知事与党の自民は、14日朝の東京都連の緊急幹部会議で、舛添氏に自発的な辞職を求めることを決めた。都連関係者によると、会議では「世論の批判が与党にも向けられており、かばいきれない」との意見で一致した。この際、不信任案を提出することも検討されたが、「舛添氏は一筋縄ではいかない」として都議会を解散されることを危惧する声が上がり、辞職するよう説得することになった。
しかし、舛添氏はかたくなに知事続投の態度を崩さなかった。同日午後の都議会の川井重勇(しげお)議長(自民)との会談で辞職願の提出を拒んだ。この間、与党の公明が不信任案の提出を決定したため、最終的に自民も提出に同調した。
こうした動きに対し舛添氏は14日夕、議運委理事会への出席を求め「不信任案が可決されたら辞職か解散しかない。(8〜9月の)リオデジャネイロ五輪・パラリンピックを前に国益にとってマイナス。進退については9月に開かれる次の都議会定例会まで待ってほしい」と要望した。出席していた都議によると、「今すぐにでも辞めたいが、都政の混乱を避けたい」と涙を流して訴えたという。
舛添氏は13日の都議会総務委員会の集中審議でも「知事の座にしがみつくわけではない。リオ五輪・パラリンピックが終了した時に知事にふさわしくないと判断したら不信任案を出してほしい」と述べていた。
自民はその後も舛添氏の説得を続けたとみられるが、一方で「解散するなら受けて立つ」との強気の姿勢を見せていた。舛添氏が都庁を離れた後の15日未明になって不信任案を提出した。ただ、15日午後の本会議開会直前まで、引き続き辞職を迫るとみられる。
不信任案は議員123人の3分の2以上が出席し、4分の3以上が賛成すれば可決される。その場合、知事は10日以内の都議会解散か、その期間経過後の失職を選択する。失職を通告した翌日から50日以内に選挙が行われる。舛添氏が15日に辞職した場合、知事選は7月10日の参院選投開票日後に告示され、8月6日のリオ五輪開幕直前に投開票日が設定される公算が大きい。【林田七恵、川畑さおり、円谷美晶】