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韓経:【コラム】アフリカはおあつらえ向きの経済協力パートナー
2016年06月14日10時06分[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
1960年のローマオリンピックまであと少しという頃、エチオピアのマラソンランナーのアベベは苦悶に陥った。エチオピアの陸上チームを後援していたドイツのアディダスが提供した運動シューズが足にあまり合わなかった。海抜3000メートルの高原で牛を追い立てていた元牧童のアベベは驚いたことに裸足でオリンピックに出る。大会の結果は私たちがよく知っているようにアベベの優勝だった。「素足のアベベ」神話の始まりだった。多くの人は彼の祖国エチオピアの困窮した経済状況のためにシューズを買うお金さえなく裸足で走ったのだと思ったが、本当は新しいシューズによってできた痛みのためだった。
4年後の1964年東京オリンピックが近づくとすぐにアベベを後援するためにアディダスが再び乗り出した。だがアベベが選んだブランドはプーマだった。アベベはアディダスのライバル会社であるプーマのシューズをはいてオリンピック2連覇を達成する。世紀のマラソンランナーをそこまで見抜けなかったアディダスとしては胸が痛まなかったのだろうか。
現在でなく未来の潜在力を基礎に先制的なパートナーシップと信頼を構築しなければならないのはスポーツ世界に限った教訓ではない。今回の朴槿恵(パク・クネ)大統領の国賓訪問で韓国企業の関心がますます高まったアフリカ市場は相対的に立ち後れた金融システムと政治的不安定などで注目されなかったが途方もない潜在力を保有する「隠とんの高段者」だ。高い教育熱と豊富な人的資源、各種の天然資源を開発するためのインフラ構築が急務で、新たな海外市場に枯渇している韓国とはおあつらえ向きの経済協力パートナーでもある。
米国や欧州連合(EU)などがアフリカ各国を貧困国に分類して輸出関税の恩恵を与えている点も韓国企業にとっては好材料だ。今回の歴訪を機にエチオピアの首都アジスアベバ近郊につくられる繊維団地で生産する衣類は米国やEUに無関税輸出が可能であり、韓国企業の輸出の前線基地の役割をつとめると展望されている。
韓国企業の海外進出の危険を担保にした貿易保険公社も今回の経済使節団に同行し、エチオピア商業銀行(CBE)と1億ドル規模の貿易金融協約を締結するなど金融インフラの造成に積極的に進んでいる。道路建設など現地のインフラ事業への参加はもちろん経済開発経験を共有する韓国式の開発協力事業である「コリアエイド」モデルを提示したのも鼓舞的だ。
新興市場の開拓は長い目で見て走らなければならないマラソンと似ている。短期の成果に一喜一憂するよりも通関や決済システムなど中長期的な経済協力のためのインフラ構築に積極的に取り組まなければならない時だ。
キム・ヨンハク韓国貿易保険公社
4年後の1964年東京オリンピックが近づくとすぐにアベベを後援するためにアディダスが再び乗り出した。だがアベベが選んだブランドはプーマだった。アベベはアディダスのライバル会社であるプーマのシューズをはいてオリンピック2連覇を達成する。世紀のマラソンランナーをそこまで見抜けなかったアディダスとしては胸が痛まなかったのだろうか。
現在でなく未来の潜在力を基礎に先制的なパートナーシップと信頼を構築しなければならないのはスポーツ世界に限った教訓ではない。今回の朴槿恵(パク・クネ)大統領の国賓訪問で韓国企業の関心がますます高まったアフリカ市場は相対的に立ち後れた金融システムと政治的不安定などで注目されなかったが途方もない潜在力を保有する「隠とんの高段者」だ。高い教育熱と豊富な人的資源、各種の天然資源を開発するためのインフラ構築が急務で、新たな海外市場に枯渇している韓国とはおあつらえ向きの経済協力パートナーでもある。
米国や欧州連合(EU)などがアフリカ各国を貧困国に分類して輸出関税の恩恵を与えている点も韓国企業にとっては好材料だ。今回の歴訪を機にエチオピアの首都アジスアベバ近郊につくられる繊維団地で生産する衣類は米国やEUに無関税輸出が可能であり、韓国企業の輸出の前線基地の役割をつとめると展望されている。
韓国企業の海外進出の危険を担保にした貿易保険公社も今回の経済使節団に同行し、エチオピア商業銀行(CBE)と1億ドル規模の貿易金融協約を締結するなど金融インフラの造成に積極的に進んでいる。道路建設など現地のインフラ事業への参加はもちろん経済開発経験を共有する韓国式の開発協力事業である「コリアエイド」モデルを提示したのも鼓舞的だ。
新興市場の開拓は長い目で見て走らなければならないマラソンと似ている。短期の成果に一喜一憂するよりも通関や決済システムなど中長期的な経済協力のためのインフラ構築に積極的に取り組まなければならない時だ。
キム・ヨンハク韓国貿易保険公社