【社説】韓国の顧客を見くびるVW、いつリコールに応じる気か

 ドイツの大手自動車メーカー、アウディ・フォルクスワーゲン(VW)の認証担当役員が13日、ソウル中央地検に出頭して事情聴取を受けた。VWは燃費や排ガス関連の試験結果が記載された書類を偽造し、認証を受けていない部品が使われた車を輸入した容疑で今も検察の捜査を受けている。

 VWは2011年にも排ガスの基準値を満たしていなかったことを理由に、韓国の環境当局から摘発されている。当時、VWの一部車種でエアコンを稼働させると、排ガスの窒素酸化物が基準の11倍を超過することが分かり、同じような問題は現代・起亜自動車でも確認されていた。ちなみに当時は実際に道路を走行する状況で排ガス基準が満たせなかった場合、これを処罰する条項がなかった。しかし現代・起亜自はトゥサンやスポーティジなど21万台について自発的にリコールを行い、問題となった部品を交換したが、フォルクスワーゲンは関連する法律がないとの理由でリコールに応じなかった。その後、15年9月にディーゼル車の排ガス低減装置に関するデータの偽造が発覚し、世界中で大きな問題となったことは今も記憶に新しい。

 VWは米国では不正を認め、問題の車を購入したユーザーには1人当たり6000ドル(約64万円)の賠償を行う方向で検討している。しかし韓国では環境部(省に相当)からのリコール命令に対し、形だけの計画書は提出したものの今もリコールには応じていない。VWは欧州での補償交渉の行方を見極めた上で、韓国でのリコールに踏み切ることも考えられるが、だとすればVWはそのような事情を韓国国民に説明し、一定の時間的猶予を求めるべきではないか。VWによる現在の対応を見ていると、世界で韓国の顧客だけを軽視しているようにも感じられる。企業が一度「傲慢(ごうまん)」という印象を持たれてしまうと、これは簡単には拭い去ることができないことをVWは知るべきだ。

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