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堀込泰三堀込泰三  - ,  11:00 PM

人間関係を壊さずに「交渉」をうまく進めるコツ

人間関係を壊さずに「交渉」をうまく進めるコツ

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新車を買うときに、伯父さんに手伝ってもらったことがあります。それは尊敬に値する姿でした。彼は容赦のない交渉の鬼だったのです。彼はセールスマンを脅迫し、攻撃したかと思うと、黙って見つめました。最終的に私は、予想を5000ドルも下回る金額で新車を手に入れたのです。

このように、交渉は力です。臆病者の私には簡単にできることではありませんが、そんな私のような人間でも、うまく話を進めるための交渉術を紹介します。


交渉が苦手な理由


給与アップにせよ新車の値引きにせよ、私は交渉が大の苦手です。厚かましいやつと思われたくないし、誰とも揉めたくないし、拒絶されたくないし、誰も傷つけたくないのです。これを読んでどうでしょう。これら理由の根底にあるテーマに気が付きましたか?

そう、多くの人にとって、交渉が嫌いな理由は恐怖です。しかも、その恐怖には根拠がありません。あなたが対立を恐れていても、誰もそんなことを考えていないことがほとんどでしょう。米コロンビア大学の研究チームが、自己主張と自己認識に関する研究を行っています。被験者には偽の交渉をしてもらい、その積極性を相手役と自分自身で評価します。その結果がこちら。


交渉相手役から「適度に積極的だった」と評価された人の多くが、自らを「強引すぎた」と評価しました。この新しい効果を、私たちは「Line Crossing Illusion」(やり過ぎの幻想)と名付けました。また、調査3では、相手役から「積極的でなかった」と評価された人のうち57%が、「適度に積極的だった」または「強引すぎた」と自己評価しました。


つまり、自分では「言い過ぎかな?」と思っても、そうではないことが多いのです。とはいえ、その逆もまた真であることが同じ研究で指摘されています。つまり、非常に強引な人は、自分の積極性を過小評価しがち。しかし、シャイで臆病な人間を自負している人なら、たとえ「対立的」な態度を取ってしまったと思っても、誰もそう思っていないと考えてよさそうです。

このように、交渉の恐怖には根拠がないことがほとんどです。それに、たとえ結果が伴わなくとも、聞いてみることそのものに意味があります。なぜなら、たとえその昇給が認められなかったとしても、聞くプロセスで話すべき業績やハイライトが話題に上るからです。それに、聞くたびにあなたの自信が高まります。それと同時に、私は自分が昇給を求めることを怖がっていることを再確認します。それでも、持ち帰るべきヒントは得られます。そうやって、プロセスに少しずつ慣れていくのです。


理論武装する


私たちは放課後の課外授業で、知識は力だと教わってきました。それは真実です。正しい情報で武装することは、交渉時の安心と自信につながります。昇給交渉でもソファの値引き交渉でも、自分の発言を理解していることが説得力になるのです。

まず、数字をリサーチしてください。昇給交渉なら、「Glassdoor」などのサイトを使って、妥当な給与額を確認してください。「Educate to Career」が提供するフリーの給与計算機を使えば、給与のベンチマークを見つけることができます。それらの数字を用意して自分が無茶な要求をしているわけではないと確信することで、上司と対立する恐怖が和らぐでしょう。これは、物を買うときの値引き交渉でも同じです。車を買うなら、他の購入者の購入金額をチェックしてください。冒頭にも書いたように私の伯父はカローラを11000ドルまで値下げさせましたが、そこまでのスキルはなくとも、まずは公正な価格を知ることから始めるのがオススメです。

同時に、相手の望みを知ることも重要です。上司は何を欲しているのか? 上司の目標は? 自分はどのように貢献できるのか? オークションでソファを売りに出している人は、何を望んでいるのか? 引っ越し予定なのか? ひょっとすると、直接取りに行って他にもいらないものを引き取ると提案したら、さらに値下げをしてくれるかもしれません。車だったら、ディーラーがメーカー希望小売価格からどの程度値引きしてくれるのかをリサーチします。彼らが赤字で販売することはまずありませんが、彼らの平均的な収益を事前に知っておけば、どこまで下げられるかが想像できるでしょう。「Car Buying Stratetgies.com」では、メーカー希望小売価格と請求額とディーラーの真のコストを比較できるので便利です。

これらは例に過ぎませんが、相手の希望を知れば影響力を持てることがポイントです。さらに、交渉プロセスをまったく違う方向で進めることができるでしょう。対立するのではなく、お互いが助け合うような形になれば最高です。


「共同の問題解決」に持ち込む


対立が苦にならない自己主張型の人は、自信を持って交渉に臨むことは難しくありません。私もそうなりたくて、性格を変えようと努力してきました。でも、いくら自己主張の強い人を真似してみても、一向にうまくいきません。むしろ逆効果で、恥ずかしい思いをすることもあったぐらいです。

その後、別のアプローチを見つけました。自分の性格や行動を変えようとするのではなく、それをうまく利用する方法です。交渉に対する考え方そのものを変えたと言ってもいいかもしれません。交渉とは対立ではなく、率直になること。そして、相手に勝つのではなく、一緒に問題を解決することなのだと。

交渉コンサルタントのJeff Weiss氏は、Harvard Business Reviewのインタビューにこんな風に答えていました。


「あなたが交渉を敵対的なものととらえている限り、必ず敵対的なものになります」とWeiss氏。その代わり、共同の問題解決だと思ってアプローチするのがいいでしょう。重要な問題は何か。こちらの関心事は何で、相手の関心事は何か。さまざまな関心事を満たす最適な選択肢はどんなものが考えられるか。

「交渉は、相手を負かすことではありません」。ポジティブでイノベーティブなアプローチを取ることで、あなたにメリットのある解決策が見つかりやすくなると同時に、信頼を得ることもできるでしょう。


これと同様に、親しみやすい人は交渉がうまくいくという研究結果もあります。学術誌『American Psychological Association』に発表された研究では、学生にメールで交渉をさせました。その結果、名前と住所しか書かなかった学生のうち合意に至ったのは40%未満でした。一方で、出身地や趣味などの無関係な情報を少し書いた学生は、59%が合意に至りました。結局人は、相手のことを知っているほど合意に至りやすいというのが同研究のポイントでした。

教授であり交渉の専門家でもあるAdam Grant氏はLinkedInにおいて、これを「相互関係の規範」と呼んでいます。つまり、情報を共有することで信頼感が高まり、信頼されるほど相手も心を開き、相互関係が築かれ、よりよい合意に至ることができるのです。

もちろん、人によってやり方はさまざまです。相手を論破するという完全に非友好的な手法で交渉をする人もいるでしょう。でも、対立せずに交渉したい私のような人は、そもそもの交渉に対する考え方を変えることが、大きな一歩となるはずです。


小額のときに練習する


脅威的なタスクでも、何度も繰り返すうちに恐怖が軽減します。私は初めて人前でしゃべったとき、怖くて怖くて、穴があったら入って隠れたい気持ちでした。何度かの経験を重ねた今でも恐怖はありますが、起こることは大方予想がつくので、最初のときほどはマシになりました。

交渉も同じで、繰り返すうちに脅威的ではなくなります。だから、いきなりディーラーに行って何千ドルもの値引き交渉するのではなく、得られる額が少ない交渉から始めるのがいいでしょう。たとえば、ガレージセールで2ドル値切ってみたり、携帯キャリアとの電話で「ところでもっと安くなるプランはありませんか?」と尋ねてみたり、ファーマーズマーケットで「2ドル安くしてもらう方法はないかしら?」と言ってみたり。小額なので、相手にNoと言われてもそれほど影響はありません。でも、プロセスに慣れるという意味では役に立つでしょう。

リハーサルも効果を発揮します。信頼する友達、メンター、同僚をつかまえて、交渉プロセスを練習させてもらいましょう。フィードバックとアドバイスをもらうことを忘れずに。


聞き役に徹する


ゴネ得の世界では、引っ込み思案の人は損をします。それを避けるために、「Monster.com」では聞き役に徹することを勧めています


本当に大事なことは、給与、福利厚生、ボーナスなどの希望を、雇用主に伝わる方法でできるだけ正確に伝えること。ここで、内向的な人のスキルが発揮されます。面談中、雇用主のニーズと要求に細心の注意を払って聞きましょう。そして、交渉に入るときには、どれだけ相手の話をよく聞いていたかを示し、あなたの要求がいかに雇用主の助けになるのかを説明するのです。


この方法は、相手の希望をリサーチして共同の問題解決に持ち込むアプローチとの相乗効果があります。自己主張のなさを嘆くのではなく、それを強みとして使いましょう。シャイなあなたにとっては、聞く力が強みになるのです。

それに、沈黙を恐れる必要はありません。伯父は腕を組んで「悲痛の沈黙」を作っていましたが、沈黙は必ずしも気まずく対立的なものではありません。どうしても気まずく感じてしまうのであれば、正直に「少し考える時間をください」と言えばいいでしょう。いずれにしても、沈黙は交渉に大きな効果をもたらします。同時に次のステップを考える時間にもなり、一石二鳥なのです。

とにかく、交渉のテクニックをそんなに持ち合わせていなくとも、傾聴と沈黙も効果的なのでぜひお試しを。あまりしゃべる必要がないので楽ですよ。




交渉が得意な人もいますが、そうでない人にとっては恐怖でしかありません。交渉が苦手だと自覚している人は、そもそもの考え方を変えて臨むと、少しずつうまくなることでしょう。


Kristin Wong(原文/訳:堀込泰三)
Illustration by Sam Woolley.


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