おすすめシリーズ『東京バンドワゴン』順番・感想
みなさんこんにちは。
今回は、前回の記事の続きです。
引き続き、「東京バンドワゴンシリーズ」のご紹介をしていきます。
※前作を読んでいないと、重大なネタバレを受ける可能性があります。
5作目、「オール・マイ・ラビング」まで読了されてから、閲覧することを強くおすすめします。
6.オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ
春・林檎可愛やすっぱいか
夏・歌は世につれどうにかなるさ
秋・振り向けば男心に秋の空
冬・オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ
シリーズ第5弾の「オール・マイ・ラビング」から続く物語。
この作品では、ここまで盤石の大黒柱ぶりをはっきしてきた勘一に、哀しい事が起きます。
そのせいか、勘一の背中が少しだけまるまって見えるのです。
それを家族に悟られまいとするも、結局助けてくれるのも家族。
最後には前を向いて歩いていくしかないと、勘一から教えられるような1冊です。
ついにこの日が訪れる。
シリーズ初の展開と、作者の決意が感じられる、シリーズが新たな1歩を踏み出します。
祖父・我南人の影響か、音楽好きの研人は中学1年生に。図書委員になったり、ギターの練習に打ち込んだり、充実した新生活をスタートさせた。同じ日に生まれたかんなと鈴鹿はもうすぐ2歳。おしゃべりも上手になり、家族中を和ませる天使のような存在。そんな中、葉山に住む勘一の妹・淑子さんの体調が思わしくない。
シリーズ公式サイトより引用
集英社 「東京バンドワゴン」シリーズ『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ』
7.レディ・マドンナ
冬・雪やこんこあなたに逢えた
春・鳶がくるりと鷹産んだ
夏・思い出は風に吹かれて
秋・レディ・マドンナ
母の強さを知る1冊。
良くも悪くも、母が子供に向ける想いは強いです。
堀田家の場合は、家族全体がまとまっているので、それが良い方向に向かって素敵な母子関係が築けていますね。
「秋・レディ・マドンナ」は、ここまで読んできたバンドワゴンファンなら必ず泣いてしまうストーリー。
青と池澤さん。研人と亜美さん。母の想いを知る第7弾です。
齢八十歳にして元気に店を切り盛りする、大黒柱の堀田勘一。そんな勘一をお目当てに店に通ってくる女性が現れて、一家は色めき立つ。しかし、その出会いが思わぬ家族の秘密を連れてきて……。(中略)そんな堀田家を救うキーワードは「母の愛」。女性のパワーで家族の絆を結び直す、人情長編。
シリーズ公式サイトより引用
8.フロム・ミー・トゥ・ユー
サチさん以外の視点から語られる番外編の短編集。
亜美さん視点で描く紺との出会い。
ふじしまんの初来店。
青とすずみの出会いから結婚までの道筋など。
ファンとしては見逃せないエピソード盛りだくさんです。
中でも、「野良猫ロックンロール」というエピソードでは、ついに堀田家の太陽が登場!!
必見必読です。
東京バンドワゴンに初めて来たとき「店の本を全部買いたい」と口走って勘一に怒られたIT社長の藤島。彼と堀田家の縁が深まったきっかけとは…
一人旅の途中で大事なボストンバッグを盗まれた当時20歳の亜美。偶然そのバッグと同じ鞄を持っている男を発見して…。
シリーズ公式サイトより引用
9.オール・ユー・ニード・イズ・ラブ
秋・真っ赤な紅葉はなに見て燃える
冬・蔵くなるまで待って
春・歌って咲かせる実もあるさ
夏・オール・ユー・ニード・イズ・ラブ
堀田家準レギュラー、木島さんを優遇する1作。
1匹オオカミ的な所があった彼にも、幸せが訪れるのでしょうか?
シリーズが始まった段階では、まだ小学生だった研人と花陽も、既に中学生と高校生です。
成長した子供にはつきものの、進路に関する騒動もありますよ。
古書店を舞台にした青の出演映画が公開になり、相変わらず賑やかな堀田家。中学3年生になった研人はますます音楽に夢中。ミュージシャンになりたい想いが募り、なんと「高校に行かずにイギリスへ渡る」と宣言!
シリーズ公式サイトより引用
10.ヒア・カムズ・ザ・サン
夏・猫も杓子も八百万
秋・本に引かれて同じ舟
冬・男の美学にはないちもんめ
春・ヒア・カムズ・ザ・サン
様々な出来事を通して、花陽と研人の成長を感じる1作です。
特に花陽は今まで見せなかった新たな1面を発揮。
もう大人の女性です。
また、この第10作では、第1作の「東京バンドワゴン」以来ずっと堀田家に寄り添い続けた、
彼らが天寿を全うします。
別れと出会いの物語です。
老舗古書店<東京バンドワゴン>を営む堀田家に、まさかの幽霊騒ぎが持ち上がる。夜中に棚から本が落ち、白い影が目撃されて、みんなドキドキ。我南人たちがつきとめた、騒動の意外な真相とは? さらに、貴重な古文書を巡って招かれざる客が来訪。それが思わぬトラブルへと発展して……。
シリーズ公式サイトより引用
11.ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
春・花も嵐も実の生る方へ
夏・チャーリング・クロス街の夜は更けて
秋・本を継ぐもの味なもの
冬・ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
1番の見どころは、「夏・チャーリング・クロス街の夜は更けて」です。
堀田家がついに日本を飛び出します。
著者の小路さんも、シリーズ公式サイトなどで仰っていますが、
以前紹介したレディ・マドンナは堀田家女性陣の強さを知る物語でした。
それに対し、男性陣の覚悟を知れる物語が、この1冊です。
とある理由から回収処分され、一冊の身堀田家の蔵に封印された<呪いの目録>を巡り、堀田家に騒動が巻き起こる。さらには、英国の元秘密情報部員が書いた<私家版>を奪還するため、「007」がやってきて!?問題解決のためイギリスへ飛んだ勘一、我南人、紺、マードックの4人を待ち受けるものとは―。
シリーズ公式サイトより引用
まとめ
以上、2016年6月までに刊行されている「東京バンドワゴンシリーズ」全11作でした。
このシリーズ、本当に面白くて、私たちが日々忙殺される中亡くしてしまったモノを思い出させてくれます。
自分の人生、なにを大切にして過ごせばいいのか、考えるきっかけになってくれる本です。
また新作が刊行され次第、更新していく予定です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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