口呼吸は、鼻呼吸よりも前頭葉の酸素消費が多くなる
医療法人社団智徳会 ファミリー歯科医院(所在地：東京都三鷹市、院長：佐野 真弘)は、当院歯科医師 佐野 真弘・佐野 サヤカが、株式会社脳の学校 代表の加藤 俊徳(医師・医学博士)らと最新のベクトル脳機能NIRS計測法を適応し、「口呼吸は、鼻呼吸よりも前頭葉に、より酸素消費を生じる」ことを世界で初めて発見したことを発表いたします。この研究成果は、Sano, et al; (2013) NeuroReportの12月号に掲載されました。
普段の鼻呼吸に比べて、口呼吸はADHDや睡眠障害など様々な合併症を引き起こすことが報告されています。今回の研究により、口呼吸では前頭葉の活動が休まらず、慢性的な疲労状態に陥りやすくなることに起因する可能性が明らかになりました。前頭葉の慢性的な疲労状態により、注意力が低下し、学習能力や仕事の効率の低下を引き起こしてしまうことが考えられます。
世界初！三鷹市の歯科医師ら、口呼吸は前頭葉に負担をかけることを発見 全身に悪影響を与える口呼吸習慣病に注意｜プレスリリース配信サービス【＠Press：アットプレス】
口呼吸とは？
口呼吸は、鼻が詰まったり、激しい運動をした時のその場をしのぐ呼吸法です。喘息発作のときも口呼吸をする場合があります。
人の呼吸の基本は、鼻呼吸
人の呼吸の基本は、鼻呼吸だといわれています。鼻呼吸が基本の呼吸法だとすれば、人にとって鼻呼吸が自然な呼吸法ということになります。鼻呼吸が自然な呼吸法だとすれば口呼吸は自然な呼吸ではないということになります。つまり、口呼吸は人にとって不自然な呼吸だということになります。不自然な呼吸を習慣的に続けていれば、体になんらかの問題が発生するのは当然のことではないでしょうか？
口呼吸の原因
１、口呼吸が癖になっている
口呼吸が癖になっている人がいます。鼻に問題がある、口周りの筋力が衰えなどが原因で口呼吸が癖になってしまう場合があります。
２、鼻に問題があって口呼吸になる
花粉症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などで鼻呼吸するのが困難で口呼吸をしてしまう。
３、口のまわりの筋肉が衰えている
口周りの筋肉が衰えると、口を閉じる能力が低下してしまいます。口を閉じる能力が低下すると、口をぽかーんと空けている時間が長くなってしまいます。口を空けているほうが楽だからです。
４、歯並びに問題があり、唇が閉じない
歯並びが悪いと口を閉じるのが困難になる場合があります。
５、肥満
肥満の方は気道を塞いでしまい、口呼吸となります。
体重が増えるに連れ、顎の周囲、首周り、喉や舌も太くなり、その結果気道が上下左右から圧迫され気道が狭くなり、口呼吸となってしまいます。
６、睡眠中の寝る姿勢が悪い
仰向けに寝ている、枕が低くすぎる・高すぎるなどの理由で気道が狭くなり、口呼吸になってしまう場合があります。
口呼吸は、病気の元
口呼吸が習慣化されてしまうと二次的な合併症が引き起こされやすくなります。
口呼吸の弊害
１、のどの粘膜の炎症を起こす
口で呼吸していると、様々な弊害があります。空気中のほこりやばい菌を直接吸ってしまいますので、のどの粘膜が炎症を起こします。眠っているときに口呼吸をしていると、朝起きたときにのどが痛くなります。
鼻呼吸ならば、外の空気中のほこりやばい菌を取りのぞき、きれいな空気が肺に入ることになります。乾燥した空気にもちょうどよい湿り気が与えられます。温度も調整されます。鼻は空調設備のようなものなのです。
２、ばい菌が体内に入りやすくなる
呼吸は常時しているものですから、口呼吸をしていると鼻呼吸に比べて、空気中に含まれているほこり、細菌などを大量に体内に取り込んでしまいます。
風邪をひきやすくなり、口臭、歯周病、虫歯などの原因にもなります。
３、免疫力の低下をまねく
口呼吸で体内にたくさん雑菌が取りこまれると、腎臓病、アレルギー、アトピー、肌荒れなどを引き起こすという学説もあります。
４、美容面でも悪影響を及ぼす
口呼吸は美容面でも悪影響を及ぼします。口呼吸だと、口を常時開けていることになりますから、唇を閉めるための顔の筋肉が緩んでいます。それがしわやたるみの原因になります。口を閉じて鼻呼吸をするようになると、顔が引き締まってきます。
５、合併症のおそれもある
普段の鼻呼吸に比べて、口呼吸はADHDや睡眠障害など様々な合併症を引き起こすことが報告されています。
自分が口呼吸かどうか確かめるチェックリスト
•睡眠時にいびきをかく
•言葉が聞き取りにくいといわれる事が多い
•頬がたるんできた
•ヨダレがすぐたれてしまう
•顎が鳴るときがある（かくっという音）
•口臭が気になる、口臭がするといわれる
•口内炎が出来やすい
•風邪を引きやすい
•しゃべらない時間が長い
•気づいたら口がぽかんと開いてしまっているときがある
•前歯が出ていて口を閉じにくい状態にある
このチェックリストを見て、
4つ以上
該当するものがあれば、口呼吸の疑いが強いです。
口呼吸の改善法
鼻呼吸をがんばってつづけてみる
鼻がつまっていると鼻呼吸はしにくいものです。鼻呼吸ができないからといって、口呼吸をしていると余計に鼻がつまりやすくなります。少し苦しい感じがしても、口を閉じて鼻呼吸を繰り返してみましょう。鼻呼吸の努力をして繰り返しているうちに、鼻の粘膜も強化され鼻呼吸ができるようになります。
↑の方法を繰り返しても鼻詰まりが治らなかった人は、耳鼻科に行き鼻の粘膜を焼いてもらう、市販の点鼻薬や鼻孔拡張グッツなどで鼻を通りをよくするなどの方法を用いてみましょう。
いろいろある口呼吸改善グッツ！
眠っているときに口呼吸改善
鼻の中を洗浄して口呼吸改善
あいうべ体操
やり方
「あ」「い」「う」「べ」と口を動かすだけでＯＫ！
声は出しても出さなくてもＯＫ！
ポイントは口を大きく動かすこと！
１、「あ」と口を大きく開ける
２、「い」と口を横に大きく開ける
３、「う」と唇を突き出します
４、「べ」と舌を下の伸ばす
以上を１０回繰り返す
この運動を１日に３回行いましょう。
ＮＨＫあさイチで紹介されたボタン法
やり方
１、ボタン、たこ糸、300mlの水の入ったペットボトルを用意し、たこ糸の両端にそれぞれボタンとペットボトルをくくりつける。
２、ボタンを歯の前に入れて唇を閉じます
３、歯を真下に向けてから垂直に持ち上げる(20秒間キープ)
４、できなければ水を100mlに減らし、しっかり上げられる重さから始め、
20秒の1セットを1日5回で目標は2週間続ける(最終的には300mlにする)