みなさん、おはつです!マグロ部編集部です。
いきなりですが、投資家ってどういうイメージありますか?
・・・そうですよね?悪い人ってイメージありますよね?
PCの画面みながら、「よし、今、売れ!」みたいな仕事をしているイメージありますよね?
・・・それって実は偏見でした。今回、投資家の仕事内容について、人気キュレーションサイトの育ての親?である佐俣アンリさんにうかがっています。
それでは人生のOB・OG訪問、いってみましょう!
【今回の登場人物】
佐俣アンリ。弱冠31歳ながら、様々な会社への投資家として活躍中。人気キュレーションメディア「MERY」の育ての親でもある。
マツダ W大学5年生。人生に悩んであえて留年。悩みはカメラに顔認証されないこと。
ハマダ R大学3年生。夢に向かって学業がんばり中。おっとりに見えて、気が強い。
みんなのお父さん・お母さんも、実は投資家?
すみません、いきなりですが、投資家ってどんな職業なんですか?全然、イメージが湧かなくて。むしろ日本だと悪いイメージしかないので・・・
まぁ、そうだよね?それがフツーの感覚だと思うから、そんなに気にしなくていいよ(笑)。
僕の定義では、【誰かに先行的に何かを与えて、それを元に果実が付いたらそれを分けてもらう】のが投資家だと思っています。
だから極論、みなさんのお父さんも投資家だと思います。飯食わせるから、老後面倒見てくれや、みたいな(笑)。そういう意味では広義の投資家ってすごくいっぱいあって。
僕は投資の中でもベンチャーキャピタルという、ベンチャー企業に出資して株をもらうっていう職業をやっています。なぜこんな仕事をしているかという話をすると、きっかけは偶然。
そのキッカケって何だったんですか?
僕、慶應義塾大学でインドネシアの文化人類学を専攻していたので、アジアに興味があって。リクナビ2007でアジアって検索したら、アジア関連の投資会社が出てんだけど、それがベンチャーキャピタルだったの。
で選考を受けたら偶然、内定もらって。勉強しようと思っていた時に、ベンチャーキャピタル業界の中で超かっこいいおじさんを発見して、その人みたいになりたいなって思って。大学の新歓で偶然かっこいい先輩を発見して、やったこともないトランポリン部に入るみたいな(笑)。
ちなみにそのかっこいい人は、横浜DeNAベイスターズやソーシャルゲームで有名なDeNAという会社にずっと投資していて、すごく大きな会社になるまで導いた人です。
すごい!ベンチャーキャピタルの具体的な仕事内容について聞いてもいいですか?
どんな仕事か?一般的に言えば、ベンチャー企業にお金を出資して指導して、会社の価値をあげて、上場させた時に株を売るという感じかな。
何でベンチャーの投資なんですか?ベンチャーではなく大きな会社に投資した方が儲かるようなイメージがあるのですが?
完全に、縁ですね!ベンチャー系の人が周りに増えてくるうちにベンチャーへの興味が湧いてきたんだよね。
かっこいいなと思った人も、ベンチャーキャピタルの人だったし。僕は好奇心は強いから、彼らに会いに行き始めたら、可愛がられるのよね。
でもね、僕、内定をもらっていたベンチャーキャピタルを辞退して、翌年にリクルートに行ったんだけど。
ええええええ!!!
投資家?ぶっちゃけ、儲かります!
投資家って儲かるんですか?
「はい、投資家は儲かります!お金ができてたまらないですねー!」...とか言いたいですけど(笑)。でも、まぁまぁ儲かりますよ。
なぜかっていうと、そもそも投資家というものは、儲かることを約束しないといけないんです。ベンチャーキャピタル含めた全ファンドのビジネスモデルは、基本的には「2-20」っていうルールで運営されてます。お、投資っぽい話になったぞ(笑)
Two Twenty?
2-20というのは、集めたお金の2%を毎年もらえるというもの。例えば僕に100億円のお金を預けてくれる人がいたら、そのうちの2%、2億円を僕が運用費としてもらえる感じです。
んで、20というのはキャピタルゲインに対する20%を報酬としてもらえるというもの。
キャピタルゲインっていうのは、例えば僕が10億円をAという会社に投資したとします。そのAという会社がすごく成長して、「いい会社だ!110億円で買いたい!」って言うB社が出てきたとします。ここで実際にA社がB社に会社を売却することになったら、100億円分の利益が出るわけだね?
その100億円の20%、つまり20億円が僕の報酬になるワケです。残りの80億円は僕にお金を預けてくれている出資者と呼ばれる人たちに渡すことになります。
ビジネスモデルとして儲かるようになっている、ということですね。
僕らって出資してくれる人のお金を預かって、それを運用して返す商売なので、絶対に多く返しますっていう約束をしなければいけません。
でなければ、僕らに預ける意味がないから。
だから、「儲かりますよ!」って約束をしているのと同じ。もちろん、失敗したら儲からないけど。
じゃあ、例えば100億円預かって、それを0にしてしまったらどうなるんですか?
失敗するかもしれない、というリスクをあらかじめちゃんと伝えておくこと、約束を交わしておけば大丈夫です。
世の中に100%ということはないので、自分で言うのも何ですが僕だって失敗することはあると思います。
毎晩パーティをして、両手に女の人をはべらせて「金貸すよ?」みたいな人とは付き合いません(笑)
ずっと気になっていたんですけど、そのお金ってどうやって集めてるんですか?
種明かしすると、僕は俗に言うIT業界の有名企業の創業者の方々のお金を、ちょっとずつ預かっています。
そう、個人のお金です。これは日本の中でみても、あまり多くないスタイルですね。何でこの形になっているかというと、2つ理由がある。
1つは僕に信用がなかったから(笑)。投資家の経験、まるっきり"ゼロ"だったので、有名な銀行に行って門前払いをくらったんです。
佐俣「僕にお金を預けてください!倍返しだ!!!!!」
えらい人「で、キミ、投資の経験は?」
佐俣「ないです!」
えらい人「は?」
みたいな(笑)
一同:(笑)
で、ここで2つ目の理由。銀行に断られといて、こんな事を言うのも偉そうと思うかもしれないけど、僕にお金を預けてくれる人も選びたいなと思っていて。
どういうことですか?
「俺、毎日、六本木でパーティーやってて、金あるんだよね〜!500万円くらいならやるよ?」みたいな人は絶対にイヤ(笑)。
それとは逆で、「こういう人たちのお金を預かれれば、僕も成長できる!」と思える人のお金を預かりたかったんですよ。
ここでアメリカのシリコンバレーの例を出しますね。
インターネットの世界ではシリコンバレーって一番有名なんです。シリコンバレーって60年くらいの歴史を持つんだけど、起業して大きく成功した人がお金と経験を次の世代に渡すサイクルが出来ているのね。
成功した人自身が投資家になって、いわゆるファンドをつくって。そのサイクルが活発で。次の世代の起業家をどんどんサポートできるワケ。例えば今の君たちだったら、大学受験とかキャリア選択のアドバイスを高校生にできるよね。これと同じこと。
Facebookをつくったマーク・ザッカーバーグって稀代の名経営者で。彼とマイクロソフトの創始者であるビル・ゲイツはすごく仲が良いんだけど、ザッカーバーグの人生観はビル・ゲイツの影響を大きく受けてるの。
こういう風に、アメリカは超成功してる若者ともっと成功してるおじさんがタッグを組んで社会を良くしようとしているんだ。
こういう事例、日本じゃまだ少なくて。だから、僕は日本で成功した人のお金を預かって、まだまだ成功してない次の世代に渡していこうとしているんです。
成功している人生の先輩は失敗まみれ。国を買わされそうになった人もいる。
また一つ疑問なんですけど、経験のない人が、超がつくようなお偉いさんからどうやって信頼を勝ちとるんですか?
いやぁ、いい質問、ピュアだね(笑)。
それが簡単で。イベントスタッフをやったり、あらゆるところにちょいちょい現れるだけ。なぜかって言うと、顔を覚えてもらうため。
「お、キミ、またいるね!」
「ども!覚えていただいて光栄です!あ、あの今度、投資に関して話を聞いてほしくて...」
「投資?面白そうなこと言うね、聞こうじゃない!」
みたいな感じで。そこで偉い人に一生懸命お願いして、少しの支援をこぎつける。そしたら、「アンリってやつ、●●さんから支援してもらったらしいよ」と評判になるので、どんどん支援者が増えるんです。
もう一度言うけど、すごい人を巻き込むことが大事。「金はあるよ、いる?」みたいな人は絶対に巻き込みません。
(笑)
例えばね、キミたちも使ったことがある、あのメルカリの経営層の山田さんや小泉さん、クラウドソーシングで有名なクラウドワークスって会社の吉田さんって人とかは、大学生の頃からお世話になってて。
彼らが開いていた社会人向けの勉強会に、僕は学生ながらもぐりこんで、「え、何でお前いるの?」という感じで名前を覚えてもらったんです。「学生なのに頑張ってるな!」と目をかけてもらえるようになったら勝ち。
ちなみにすごく有名になったメルカリもクラウドワークスも苦しい時代があったからこそ、僕みたいな学生を応援してくれるんです。辛いことを経験したから、後輩には優しくしてくれるんですね。
どんな失敗をされてきたんですか?
東南アジアで国を買わされそうになったり。あとは、海外で起業したら、日本にいるNo.2にお金もお客さんも全部もっていかれたりとか(笑)。
一同:えええええ・・・
人気キュレーションメディア「Mery」の育ての親は、アンリさん!?
ずっと聞きたかったんですけど、儲かる以外での投資家の魅力って何ですか?どんな仕事をしているのかも気になります。
まず、何をしているかから教えると、カレンダー見せるね。
(守秘義務のため公開NG)
お茶、お茶、ランチ、会社訪問、歯医者、奥さんとご飯、お茶。基本的にずっと誰かとお茶してます(笑)
え?お茶ばっかり・・・何でこんなにお茶ばかり!!?
みんなの会社の状況を聞くためです、遊びじゃありません(笑)。僕はベンチャー投資家と説明したと思うんだけど、実はベンチャー投資家にも種類があるんです。僕は、会社ができたてホヤホヤの、いわゆる創業期に投資する「シード」と言われる投資家なんだけど。
これは何かっていうと「お前は面白そうだから、お前が何やっても応援するよ!」という投資なの。つまり、その人間の成長に対して投資をするわけです。
だから僕の投資先って、ほとんどがやっていた事業を変えています。言ってみれば、小さな失敗を繰り返してるわけ。
でも、その後で多くの会社が成功してる。つまり、親みたいなものなんです。例えば、MERYっていう女性向けのサービスを作っている子達。
一同:知ってます!
実は彼ら、最初とか全然ビジョンなんてなかったんですよ。
ある時に電話で相談してくれたんですよ。「新しく起業しようと思ってるんですけど、どうすれば良いでしょう?」っていう連絡をくれたんです。
正直、あんまり仲良くはなかったんですけど、正直に全部話してくれたことが忘れられなくて。だからね、お米を送ってあげたんですよ(笑)
一同:え・・・?
もちろん、お金も出資するんだけど。でもそういう子って、例えば「500万円投資するよ」って言っても、自分のために使わずに事業に対するお金として使っちゃう。結局食べないわけ。だからまずは、「よ〜し!まず、飯でも食い行こうか!」って。
頑張っていると、つい食うこと寝ることを忘れてしまうから、その子達を食わせて寝かす。そういう気概のヤツって絶対、成功するのね。だから、死なないために「お米は俺が送るから!」みたいな(笑)
投資家って本来こんな仕事じゃないけど僕のスタイルはこういう形。プロとしてベンチャー起業に投資しているわけだけど、そもそも人間が何かめちゃくちゃなものに挑戦している姿を見ているのは面白いんだよね。
投資家は月、起業家は太陽。応援した人が輝くと、自分もキラキラ輝ける。
人に勝つのが好き、とおっしゃってましたが、投資家に向いてる人ってどんな人ですか?
投資家にもいろんな人がいるから一概には言えないのだけど、ベンチャー投資家は、僕は良く「月と太陽」に例えます。
起業家が「太陽」で、起業家が輝いた時の光を受けて輝く職業、それが投資家。
だから自分自身が輝きたいっていう人は向いていないかなぁ...「俺が頑張ったから、あいつらは成功したんだ!」ではなくて、あいつを陰ながら支援してたんだなっていう輝き方なのね。この輝き方の気持ち良さを理解できる人は向いているかもしれません。
「俺が輝きてえ!」という人は起業すれば良いと思う。「支援者」なわけだから、主役になっちゃいけないわけ。
最後に投資家の魅力を教えていただけないでしょうか?
投資家の魅力というかベンチャーキャピタリストの魅力は、人間が挑戦することに対して、プロとして応援ができるということ。
成功を一緒に喜ぶんだけじゃなくて、僕は失敗も一緒に苦しみたい。上手くいかなかったら、プロとしてちゃんと謝りたいし、責任をとりたい。プロっていうのは負けた責任をとれる人だと僕は思います。
特にベンチャーキャピタルは強い想いを持った起業家とともに仕事ができるので、責任は大きいですよね。ベンチャーって、数人の仲間たちからのスタートだから、それを応援できるのは本当に楽しい仕事だなと。
僕はこの仕事が本当に好きで、こんな面白い仕事は他にないなあと思っているんです。この仕事に興味を持ってくれる人が増えれば良いなあと思ってます。こんなに面白くて、世の中のためになって、成功すればお金も稼げるような仕事って他にないなぁって。
正直、アンリさんと話したことで一気に投資家への印象が変わりました!少しいいなとも思ってます!
ベンチャーキャピタルってまだまだ日本だとマイナーだから、「こうすれば良いですよ」っていう本はもちろん、学校なんかもない。だからマネて学んでいくしかない。
二流の人が書いた本を読んだり、三流の人が教える学校に通うより、現役の超一流の人の脇にいる方が絶対に良いと思います。
僕、実は意思決定力が全然ないの(笑)。周りの環境によって人生変わっちゃうタイプだから、僕の場合は自分が属するコミュニティの選び方に気をつけましたね。投資家にならなくてもいいから、まずは自分の周りの人を変えてみるのは、自分を変えるチャンスかもね。